誰もが1度はニュースで聞いたことのあるTPP(環太平洋連帯協定)。交渉開始当初は耳にする機会が多かったものの、最近ではあまり近況が流れてこなくなりました。TPP交渉の現状はどうなっているのでしょうか。
米代表、譲歩を迫る
日本は7月にTPPの交渉参加表明をし、関税に関する妥協案を求めて協議を進めていますが、なかなか進展が見えない状況でした。そんな中、アメリカ代表が「日本にこそTPPが必要である」との見解を示し、日本に条件面で譲歩を求めようとしています。
TPPは日本経済に必要か
本当に日本にとって、TPPに参加することが重要なのでしょうか。TPP参加によって日本に及ぶ影響について振り返ってみましょう。
TPP参加によって大きな影響を受ける産業は、主に自動車産業と農業の2つ。自動車産業に関しては、日本車が大量にアメリカに輸出された場合のセーフガード(輸入制限装置)の発動時期と関税の撤廃について交渉が行なわれています。
もし、TPPが行なわれるようになった場合、自動車産業は最大の恩恵を受けると見られています。中には、交渉次第では日本に損害が及ぶのではないかと危惧する声も上がっていますが、事業の選択肢拡大に繋がることにより利益が増えるとの見方が多いです。
しかし、農業の場合は深刻な悪影響を受けてしまうと言います。日本の農業は、食料としてだけでなく、環境保全や防災の面でも重要な役割を担っています。そのため、安い海外の野菜が日本の市場に入ってくることになれば、日本の農業は約1〜6兆円の損害を受けると予想されています。食料自給率の話はよく耳にしますね。
当然ながらメリットもあればデメリットもあるTPPへの参加。日本経済において何を重視するかを考えて決断を下すことが求められています。
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