2000年代中頃から、メディア等で幾度となく取り上げられ、話題になってきたレアメタル。その用途は実に多様で、燃料電池やデジタルカメラ、携帯電話等、身近な電子機器には不可欠と言えます。しかし、日本はその多くを輸入に頼っているために、国際環境の変化によって影響を受けやすい状態にあります。そのように資源に恵まれない日本ですが、久米島沖に大規模な鉱床があることが分かりました。
海上保安庁の発表により、沖縄県の久米島沖に国内最大級のチムニー群が発見されたことが明らかに。チムニー群とはそもそも熱水噴出孔のことで、レアメタルや銅、鉛がその噴出孔から吹き出す熱水内に溶け出していることが期待されます。
国内最大級のレアメタル鉱床に多くの期待を寄せる日本。しかし、すぐにレアメタルを生産できるという訳には行かないようです。
現在の技術では採掘のコストが高く、産業として競争力を持たないそう。こうした資源を活用するための技術開発が求められています。
このように今後が期待される日本のレアメタル資源。実はレアメタルは単なる資源以上の意味合いを持つものです。
レアメタルは、特定の国に供給を依存しているので、供給力の政治的影響を大きく左右しています。日本はレアメタル供給の大部分を中国に依存していますが、そういった場合、レアメタルが外交上の影響力を持つことになります。尖閣諸島沖で中国の漁船と日本の漁船が衝突した事件を覚えているでしょうか。あの事件の時、中国は日本に対して事実上レアメタルの輸出禁止措置をとりました。そのような観点からも、レアメタルの国内での生産は大きな意味を持ちます。
レアメタルという言葉がメディア等で取りあげられることは一時期と比べれば少なくなりましたが、日本にとってはこれから本当にレアメタルが重要な意味を持つようになるのかもしれません。
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