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選択と集中は万能戦略ではない?一流じゃない企業が生き残る『「フォロワー」のための競争戦略』

Yudai Imamura

2014/09/23(最終更新日:2014/09/23)


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選択と集中は万能戦略ではない?一流じゃない企業が生き残る『「フォロワー」のための競争戦略』 1番目の画像
出典:www.pexels.com
 ビジネス社会は、業界をリードするトップ企業と、それを支える多くの企業の存在によって成り立っています。圧倒的に数が多い後者の中で、ビジネスサバイバルを生き残るためにはどのような戦略を立てていけばいいのでしょうか?今回は、そんな一流ではない企業が生き残るための方法を示してくれる本、 『「フォロワー」のための競争戦略』をご紹介します。

本のハイライト

・著者が開催するビジネスパーソン向けのセミナーの受講者が、「うちの会社は、その他大勢のフォロワー企業ですね」と自嘲気味に言うことがある。業界トップ企業の「リーダー」、業界二番手の「チャレンジャー」、他社と棲み分ける「ニッチャー」、その他の企業群である「フォロワー」の4分類における、「フォロワー」を指しているのだ。

・業界大手に追随するフォロワーに対しては、「選択と集中」を進めよという議論になりがちである。しかし、本当にフォロワーは選択と集中をするべきなのだろうか。

・フォロワーであるがこそ可能になる考え方として、持たざる強みがある。それは創業時には多くの企業で実現されている「ローコスト戦略」である。

出典: 「フォロワー」のための競争戦略の書評・要約 | 手塚 貞治 - flier(フライヤー)

 この本では、現代ビジネスにおける企業群を4つのカテゴリに分類しています。そしてここでフォーカスしているのが、 「フォロワー」と呼ばれる企業群です。大手企業をサポートすることで成り立っているこの企業群がとる戦略としてありがちなのが、力を入れるべき事業の 「選択と集中」。しかし著者は、この考えに異論を唱えています。

 「フォロワー」に多い中小企業の場合、集中した事業が失敗、という事態に陥ってしまうと、それはそのまま企業の存亡に関わることになり得ます。選択と集中は、このように振幅の大きい ハイリスクハイリターンの戦略だということを肝に銘じておきましょう。 そこで著者が提案するのが、「選択と集中」のリスクをコントロールする、 「リスクヘッジ競争戦略」。これが安定成長に向けて不可欠な打ち手となるのです。

 このリスクヘッジ競争戦略の好例として挙げられるのが、東京の浅草・松が谷エリアにある食品関連器具の商店街、通称 「合羽橋の道具街」です。なぜ、ライバル店同士が同じエリアで商売するのでしょう?この商店街に店を構える経営者達は、 集客の効果を求めています。一軒ずつの知名度はなくとも、「合羽橋道具街」という名前は有名、顧客が街として提供する品揃えに惹かれてくるのです。これは 共同販促の一種であり、 個々の影響力が弱い「フォロワー」ならではの戦略と言えるでしょう。 

 また、著者は「フォロワー」企業だけが可能になる戦略として、 ”持たざる強み”を活かすことを挙げています。多くの企業で創業時に実践されているのは、固定費をなるべく抑えようとする「ローコスト戦略」。しかし会社の成長に伴い、徐々に固定費が増加、損益分岐点が上昇する企業が増えてきます。ここで「フォロワー」企業がとるべき戦略は、 ローコスト経営を「持続的」に行うための仕組みを作ること。そのために意識すべきポイントは2つです。

 まずは コストを削減すること自体が、価格以外の顧客価値につながるようにすること。例えばバイキング形式のレストランは、人的サービスの削減とともに、「好きな時に好きなだけ食べられる」という自由度を顧客に提供していますよね?このように サービスを削減と、顧客にとってのメリットが相互的に作用するような仕組みを設計するのです。

 もう1つのポイントは、 削減する項目の代わりに新たな付加価値を提供すること。バイキング形式のレストランの例で言えば、「あらゆるものを食べられる」メニューの豊富さが新たな付加価値に当たるでしょう。以上の2つのポイントを押さえることで、コストを抑えながら顧客満足を実現、「持たざる強み」を真に発揮することができるです。



 ビジネス社会には多くの「フォロワー」企業が存在します。その数の多さゆえ、戦略を見誤ってはたちまち存続の危機に陥ってしまうでしょう。「フォロワー」という状況を強みに変えることのできる戦略が、ビジネスで生き残るカギとなりそうですね。


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