日本の最南端にある沖ノ鳥島が、日本の領土として認められているのはご存知の方も多いと思います。2014年9月、日本政府は沖ノ鳥島の北方にある海域(四国海盆海域)と南方にある海域(沖大東海嶺南方海域)の2つの海域にある大陸棚(深海に向かう傾斜が大きくなる部分までの海底)を日本の大陸棚とする政令を出しました。
この政令と国連海洋法条約に基づき、沖ノ鳥島の北方にある海域(四国海盆海域)と南方にある海域(沖大東海嶺南方海域)における海底(大陸棚)での、日本の主権的な権利が認められることとなり、今後海底資源の探査や開発などが優先的にできるようになります。しかし、日本の大陸棚が延長されることで、日本の領土内で資源が獲得できるかもしれないというメリットがあると同時に、中国と韓国からの反発を受けるのではないかという見方もされています。
資源というメリット
今回日本政府が国有化した大陸棚には、メタンハイドレートやレアメタルなどの貴重な資源が眠っていると期待されています。
下記引用にもあるように、メタンハイドレートは、エネルギー資源に乏しく、原発再稼働問題を抱えている日本国のエネルギー問題を解決する救世主となりうる存在なのです。
次にレアメタルに関して説明します。レアメタルにはたくさんの種類があり、簡単に言うと、地球上に少ししか存在しない金属や、経済的、技術的な理由から抽出するのが難しい金属をまとめて、レアメタルと呼んでいます。そして下記引用にもありますが、レアメタルは携帯電話やパソコンの部品として使われており、レアメタルは私達の生活にとって欠かせない存在なのです。
今後政府は、海底探査を進め、将来的には資源を活用していく予定です。採掘にかかるコストが高いので、実用化はまだまだ先の話となりそうですが、資源希少国日本にとってはとても魅力的な資源であり、経済的に莫大な利益をもたらしてくれるかもしれません。
中国・韓国は沖ノ鳥島を島だと認めず
2012年に国連の大陸棚限界委員会が、「沖ノ鳥島」関連海域を日本の大陸棚として認める勧告を採択しました。国連からの認可が出たにもかかわらず、現在でも中国と韓国は沖ノ鳥島は『岩』であり島ではないという理由から、日本の大陸棚延長に対して反発しています。
しかし、沖ノ鳥島は中国と韓国とは関係のない海域にあります。それなのに、なぜ中韓は日本の大陸棚延長に反対しているのでしょうか?
中韓が反発している理由の一つとしては、竹島や尖閣の領有権問題が絡んでいるという意見があります。
他にも、中国の対米政策が絡んでいるという見解もあります。
上記の理由は推測にすぎず、沖ノ鳥島に対する中韓の反発は、日本への単なる嫌がらせだという意見もあります。いかなる理由であれ、日中韓の領有権に関する争いは今後も話題となること間違いありません。
日本の大陸棚延長に対しては、中韓からの反発が起こりえます。しかし、沖ノ鳥島での日本の主権は国際的に認められていることや、沖ノ鳥島が資源の乏しい日本国にとって戦略上重要な場所であることを鑑みると、無批判に中韓の反発を受け入れるわけにはいきません。したがって、今後も日本政府は、国際世論に大陸棚延長の正当性を訴えていく必要があると考えられ、これからの政府の動向には要注目です。
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