インターネットやSNSの発展、グローバル企業の台頭に伴い、企業の在り方は変わってきています。そして企業が変われば、そこで働く社員の働き方も変わってくるでしょう。今後も継続して成長し続けるために、これからの企業はどうあるべきなのでしょうか? 『未来企業』という本から、21世紀における企業の理想の在り方を学んでみましょう。
未来の企業を支える「レジリエンス」とは
著者が未来の企業の在り方として挙げていること、それは 「レジリエンス」を強める取り組みを行っていることです。企業のレジリエンスを強めるとは、 困難な状況への適応力を強化するということ。
企業のレジリエンスは「社内のレジリエンスを高める」「社内と社外の垣根を取り払う」「グローバルな問題に立ち向かう」といった3つの領域から構成されていますが、以下では全ての根幹となる、 社内のレジリエンス強化について見ていきます。
レジリエンスの核を担う”人的資産”
企業のベースとなる社内のレジリエンスが失われると、 企業で働く人々は目標を達成するための気力も能力も失ってしまいます。それはイノベーションを起こすことができなくなるだけでなく、地域社会に手を差し伸べたり、グローバルな問題に立ち向かったりすることもできなくなる、ということ。企業は瞬く間に危険な状態に陥ることでしょう。
企業の ”心臓部分”とも言える社内のレジリエンスですが、この核を構築するのは、企業が持っている資産と能力。中でも特に重要なのは 「人的資産」です。人的資産は 「知性と知恵」「精神的活力」「社会的つながり」という3つの要素からなり、これらは絶えず補完し合っています。
しかし、人的資産における問題は、 レジリエンスを高める人材育成の難しさ。仕事は時代が進むにつれてより細分化・スピード化され、またネットの発展により社員同士のつながりは薄れてしまいました。仕事のペースが速くなる一方で職場内のコミュニケーションも満足にとれず、精神的に極めて大きな負担がのしかかっているのです。
対応策の1つとして挙げられるのは、 社会的つながりを築くこと。職場では社員のつながりの薄さから、この仕事は誰の裁量で行っているのか、という各々の役割が見えづらくなることもあります。それぞれの仕事における 責任の所在を明確にしたり、社員同士の意見交換の場を設けるなど、 社内コミュニケーションを活発化させる施策を取ることが望ましいでしょう。
未来の企業の在り方は、それぞれの企業が持つレジリエンスの良し悪しによって決まるようです。特に、社内のレジリエンス強化に欠かせない人的資産を育てることが重要。これからは、企業の人材育成にも注目が集まる時代がやってきそうですね。
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