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『僕は君たちに武器を配りたい』これから社会に出る若者の“武器”は「コモディティ化」しない思考法

Yudai Imamura

2014/09/19(最終更新日:2014/09/19)


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『僕は君たちに武器を配りたい』これから社会に出る若者の“武器”は「コモディティ化」しない思考法 1番目の画像
by Sanxia Yeh
  「コモディティ化」という言葉をご存知でしょうか?市場に出回っている商品がメーカーごとの個性を失い、似たような商品で溢れている状態のことであり、現代ビジネスにおける深刻な問題なのです。

 そしてこれは商品ばかりではなく、労働市場にも蔓延る問題でもあります!ビジネスマンの「コモディティ化」に対し、これから社会に出る若者はどう立ち向かっていけばいいのでしょうか? 『僕は君たちに武器を配りたい』という本が、コモディティ化社会から身を守る、”思考法”という武器を授けてくれます。

”学歴社会”はもう終わった?

 かつては有名大学の出身や、語学能力に突出した人材などが社会でも評価されていました。しかし本の冒頭で、著者は 「学歴だけで人に差をつけることはもはや無意味となった」と語っており、その理由について次のように述べています。

確かに、英語の点数が高い人は年収が高いという相関関係を示す研究はいくつか存在する。しかし、それは、もともと高学歴な人や語学教育に投資をする余裕がある会社の従業員の年収が高いことによる、擬似因果関係の可能性も否定できない

出典: 瀧本 哲史 (2011) 僕は君たちに武器を配りたい

 現代社会は知識やスキル、資格を持った人で溢れかえっており、人材のコモディティ化の潮流から逃れられない時代。著者はこのコモディティ化社会で生き残るために、他の人には代えられない唯一の存在、 「スペシャリティ」な人間になることを提唱しています。

「スペシャリティ」な4つのタイプ

 では、どのようにすれば「スペシャリティ」な人材になれるのでしょうか?著者はこの資本社会で生き残ることができる人を、 4つのタイプに分類しています。そしてこの4つのタイプを使い分けることが、人材のコモディティ化からの脱出に繋がります。

 まずは、 「マーケター」と呼ばれるタイプ。マーケターとは、既存の要素を組み合わせ、他との 「差異」を創り出せる人のことです。コモディティ化が進む中で、 「差異」=「顧客が共感できるストーリー」を生み出すことが、これからの社会で重要になってきます。

 次に、新しい仕組みを作り出す 「イノベーター」タイプ。企業を発展させるイノベーションのきっかけに出会うためには、自分が働いている業界について、 ヒト・モノ・カネの流れを徹底的に研究すること。落潮している業界にこそ、チャンスが眠っているものです。アイデアを徹底的にパクること、常識の間逆を考えることは、イノベーションを生み出すのに、有効な発想手段なのです。

 続いて、 「リーダー」タイプ。著者によれば、このタイプは ”クレイジー”な人にこそふさわしいのだとか。会社内の人間は、ほとんどが凡人。つまり、 マネジメントには駄馬をうまく使うスキルを学ぶことが大切なのだそう。起業には、尋常でないパワーが必要なのです。クレイジーな人はコンプレックスを原動力として起業を、そうでない人はリーダーのサポート役になるべきだとしています。

 最後に、まるで ”投資家”のような頭で考える 「インベスター」タイプ。ビジネスの現場において、 ハイリスク・ハイリターンな選択肢を多く選び、 リスクを自分自身でコントロールすることが、他社とは異なるプレゼンスを発揮することに繋がります。投資は、 長期的な視点で富を出し続けられるか人が信頼できるかの2点で判断すること。将来を見据えて、苦境にある人にこそ投資は必要となるのです。



 人材のコモディティ化から身を守るためには、4つの「スペシャリティ」を使い分けることが大切のようですね。個人の価値が伝わりにくい現代社会、何かの分野において突出した存在になることが求められます。上記4タイプの考え方を念頭に、日々の仕事に取り組んでみてください!


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