国連安全保障理事会非常任理事国選挙が毎年行われていることを知っていますか?
実は日本は通算10回にわたり非常任理事国を務めています。来年2015年には、日本は通算11回目となる選挙に立候補しており、対抗馬にはバングラデシュがいました。
しかし、9月6日の安倍首相との会談で、バングラデシュが立候補を辞退し、事実上来年の選挙に立候補するのは日本のみとなりました。
背景にはバングラデシュのインフラ整備などに日本が投資することが挙げられます。
上記のように、日本は多額の資金を投入してまでも非常任理事国になりたいと考えていますが、そもそも非常任理事国選挙とはどういったものであるのか、そしてなぜ日本は非常任理事国に選ばれたいのかについて以下簡単に解説します。
非常任理事国選挙のしくみ
非常任理事国の議席数は、地域グループごとに以下のように割り振られています。ちなみに日本はアジア・太平洋枠に所属しております。
アジア・太平洋枠「議席数2、毎年1議席が改選」、アフリカ枠「議席数3、奇数年に2議席、偶数年に1議席が改選」、ラテンアメリカ枠「議席数2、毎年1議席が改選」、西欧その他枠「議席数2、偶数年に2議席が改選」、東欧枠「議席数1、奇数年に1議席が改選」。
議席数は全部で10席あり、当選すれば任期は2年で、毎年半数が改選される仕組みとなっていますが、連続での再選は認められていません。
なぜ非常任理事国に入りたいのか?
国際連合安全保障理事会で決議が有効となるためには、常任理事国5か国(米、英、仏、露、中)と非常任理事国10か国、計15か国のうち、常任理事国全てを含んだ9理事国(非常任国最低4か国)の賛成を必要とします。
言い換えれば、190か国以上が加盟している国連の中で,この計15か国が世界全体の平和と安全に関するさまざまな意思決定(安保理決議の採択など)を行なっているといると考えられ、理事国に入らなければ、国連における影響力の行使および世界秩序の形成にはほとんど関与できなくなります。
したがって、常任理事国が固定されている現状を踏まえ、決議権を得るための最低条件として、日本は非常任理事国に選出されたいのです(もちろん日本の最終的な目標は常任理事国になることです)。
以上が日本と非常任理事国に関する解説でした。2015年の非常任理事国選挙にアジア・太平洋枠で立候補した国は日本だけですので、日本の当選はほぼ確実となっていますが、来年日本がどれだけ国際的な舞台で影響力を行使し、国際社会をけん引していけるのか要注目です。
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