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ユニクロ、スタバ、IKEAも! 非正規雇用を全員正社員にするワケ

Sakiko

2014/09/19(最終更新日:2014/09/19)


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ユニクロ、スタバ、IKEAも! 非正規雇用を全員正社員にするワケ 1番目の画像
by Håkan Dahlström
 派遣社員や契約社員など非正規雇用が年々増加し、「ブラック企業」という言葉も蔓延している現在。働き方は多様化しているとはいえ、正規雇用の優位性が強い日本では、未来の働き方に不安を抱えている人も多いのではないだろうか。

 そんな中、外資系企業や海外をフィールドとした企業を中心に、パートタイマーやアルバイトの多くを正社員に登用、というニュースがメディアを賑わせている。なぜ、企業は正社員を確保するのだろうか?

パートタイマーやアルバイトの多くを正社員にする企業

ユニクロ

 2014年3月、ユニクロは国内約850のユニクロ店舗で働く約3万人のパートタイマーやアルバイトのうち、学生アルバイトなどのごく短期に務める従業員を除く、約1万6000人を正社員に転換すると報じられた。

国内ユニクロ店舗で、販売員の主力となっている主婦などの1万6000人を対象に、転勤を伴わず長期にわたって働ける「R社員(地域限定正社員)」にするというもの。

出典: ユニクロ、"パート正社員化"へ2度目の挑戦 | 企業戦略 | 東洋経済 ...

スターバックスコーヒー

 2014年2月に、4月から約800人いる契約社員のほぼ全てを正社員にすると発表したのは、スターバックスコーヒー。

同社の契約社員は店長を補佐する業務を任されている。時給制で1年の有期契約だ。4月以降は月給制でボーナスも出るため「一般に給与の総額は増える」(同社)。正社員数は現在の1800人から2600人に増える見通し。

出典: スターバックス、契約社員800人を正社員に :日本経済新聞

IKEA

 世界26カ国で300店舗以上を展開するIKEA。その日本法人であるイケア・ジャパンは9月1日から順次、全パート従業員を正社員化している。

同社の従業員は約3400人で、その7割をパートが占める。パートの半分が6カ月契約の有期雇用。新制度では、パート全員が無期雇用になる。

出典: イケア、パート全員を無期雇用に 賃金体系も全面見直し:朝日新聞デジタル

なぜ、正社員化するのか?

人材の確保

 少子高齢化に伴い、労働人口の減少が懸念されている日本。優秀な労働力の確保は企
業にとって命題であろう。

ビジネスの成長に応じて土地や店舗への投資が必要なように、人への投資が何よりも重要だ。だから今回の制度を設けた。

出典: だから、イケアは人に投資する | 企業戦略 | 東洋経済オンライン | 新世代 ...

生産性の向上

短期的には、おそらくコスト増にはなるでしょう。ただし中長期的に見てみると、むしろ我々のパフォーマンスは改善していくと思います。
人の定着率が高まることで生産性が上がってくる。ここが一番大きいと思います。

出典: ユニクロ、パート・アルバイト正社員化の費用対効果は:日経ビジネス ...

採用・教育コストの削減

企業側にとっては、継続的に給与アップ分、社会保険料の負担が大きくなりますが、離職率が下がることによって、こまめに行ってきた採用や人材教育コストは減らすことができます。
また、長期的に働き続ける人が増えれば、仕事の習熟度やノウハウは高まり、生産性のアップが見込まれますし、働きやすい職場には「私も働きたい」と今後、優秀な人材が集まることが期待されます。

出典: NHK NEWS WEB 「全員正社員」で変わる働き方 - NHKオンライン

ライフステージにあわせた働き方

 正規雇用を増やすということは、人のライフステージにあった働き方ができないといけない。

安心してイケアとともに頑張っていけるように、同一賃金や福利厚生などの平等性を全従業員に与えていく。そして、多様な人材や考え方を強みとして、より一人ひとりの能力を発揮させていく。たとえば、育児を始めたり、家族の介護が必要になったり、人間の一生にはライフステージの変化がある。この制度を導入することで、個人の働き方をより選びやすくする。
私たちは2006年に日本に進出したときから、こうした制度を当たり前に始めるべきという考えがあった。

出典: 2 - 東洋経済オンライン

これまで我々は「全社員が海外に行くべきだ」と考えていました。けれども実際には、家族の都合や自分の人生設計の兼ね合いなどで、どうしても海外に行くことを肯定できない人もいる。であれば、そういう方はそういう方として、その人のキャリアパスを尊重しなくてはなりません。

出典: ユニクロ、パート・アルバイト正社員化の費用対効果は (2ページ目):日経 ...

パートタイマーの「103万円の壁」を取り払う

これまでパートタイムの従業員の多くが、配偶者控除が段階的に減っていく分岐点となる年収103万円を超えないような働き方、いわゆる「103万円の壁」を意識した働き方をしてきました。しかし、会社側は、「103万円の壁」が女性が働くことをみずから制限し、能力を発揮できない障壁になっていると感じていました。
このため、会社側は、先月、説明会を開き、正社員になっても時給が正社員並みに上がるので「103万円の壁」を超えて働いても手取り収入が減らないことや社会保険に加入するため、長期的に働くと、年金の支給額が変わりメリットがあることなどを説明しました。

出典: NHK NEWS WEB 「全員正社員」で変わる働き方 - NHKオンライン


人は宝であるべきだ

 今後、優秀な人材の争奪戦は熾烈になるだろう。企業は優秀な人材を確保するために、多くの金額を投資しなければいけない。しかし、時間とお金をかけて雇った人材がすぐに辞めてしまっては意味がない。

 どれだけテクノロジーや広告ネットワークが発展しても、商品やサービスを作り、それを売買したり広めたりするのは人の力である。企業と働く側に信頼関係があるからこそ、すばらしい商品やサービスが生まれる。非正規雇用の全員正社員化は、その信頼関係のあらわれのひとつではないだろうか。

 今後、外資系企業だけでなく、日本企業でもこのような取り組みがどんどん進んでいくことを願う。

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