ビジネスメールを書くことに苦手意識がある人も多いのではないでしょうか。また、上手にビジネスメールを書けている自信がない人も多いでしょう。
本記事では、ビジネスメールでやりがちな失敗についてご紹介します。
ビジネスメールで失敗したくないと思っている人は、ぜひ参考にしてください。
- 内容がわからない件名をつけないようにしよう
- 返信のときは、「Re:」を消さない
- To・CC・BCCの使い分けを知ろう
失敗例1.内容がわからない件名をつけてしまう
ビジネスメールでやってしまいがちな失敗例の1つ目は、内容がわからない件名をつけてしまうことです。
プライベートでメールを送る際、件名をつける人は少ないのではないでしょうか。
しかし、ビジネスメールでは無題のメールはNGです。件名がないとメールの内容がわからず、大量に届くメールの中に埋もれてしまい、開封を後回しにされる恐れがあるからです。相手次第では、迷惑メールだと思ってしまい、そのままゴミ箱行きということも十分ありえます。
しかし、件名をただ適当に付ければいいわけではありません。長すぎる件名は末尾が表示されずに中途半端になってしまいます。件名が短すぎる場合でも、相手に内容が伝わりません。
件名をつけるときには、一目見てどんな内容のメールなのか、相手にわかるようにしましょう。
例えば、取引先と打ち合わせをしたときの議事録を上司に送る場合を考えてみましょう。
議事録を送る際の件名が「議事録送付」だけだとしたら、上司は「いつの」「どんな」議事録なのかがさっぱりわかりません。社内の打ち合わせかもしれないし、社外かもしれないし、自分が出席していたものか、そうでないのかも不明です。
メールを受け取った人がその後の行動を起こしやすくするためにも、件名を読んだだけで内容がわかる必要があります。
例えば「○月○日:A社とのプロジェクトXに関する打ち合わせ議事録送付」とすれば、上司もどんなメールなのかひと目で分かります。日付を入れたり、会議のタイトルを入れたりといった工夫をしてみましょう。
失敗例2.返信のときに「Re:」を消してしまう
ビジネスメールでやってしまいがちな失敗例の2つ目は、返信のときに「Re:」を消してしまうことです。
ビジネス形式に沿ったメールをあまり送らない人は、「Re:」についてよく知らない人も多いのではないでしょうか。
「Re:」とは、よく「Reply」や「Response」の略であると思われがちです。しかし、「Re:」はラテン語で「〜に関して」という意味です。
つまり、「Re:」は「あなたが送ってくれたメールに関しての話題に触れます」という意味を持っています。
「Re:」を消してしまったら、どの案件についてのメールなのかわからなくなります。そのため、「Re:」は消さずに置いておきましょう。
何度もお互いに返信をし合うと、「Re:Re:Re:Re:Re:」のように「Re:」が並んで見にくくなる場合があるのではないでしょうか。
「Re:」が複数個並び、メールの件名が見にくくなる場合は、見苦しくない程度に「Re:」を消しましょう。
例外として、メールの要件が変わるときには、「Re:」を消して構いません。
「Re:」は要件が同じことを示す記号であると考えてください。
失敗例3.To・CC・BCCの使い分けを間違えてしまう
ビジネスメールでやってしまいがちな失敗例の3つ目は、To・CC・BCCの使い分けを間違えてしまうことです。
友人同士のコミュニケーションではほとんど使わないCCやBCCも、ビジネスメールでは頻繁に使うことになります。
To・CC・BCCの使い方を間違えれば、個人情報の漏洩など重大なトラブルを引き起こすこともあるため、それぞれの違いについて押さえておく必要があります。詳しく確認してみましょう。
Toとは
「To」には、メールを受け取って欲しい人のアドレスを入れます。
自分のメールの内容を確認して欲しい人、情報を基に作業や処理をして欲しい人など複数のアドレスを入れても問題ありません。
しかし、複数の人のアドレスを入れる際は、Toに指定されている全ての受信者が、宛先欄に表示されるメールアドレスを確認できることに気をつけましょう。
具体的に説明すると、To欄にAさん・Bさん・Cさんの名前を入れた場合は、Aさんは、BさんとCさんのアドレスを見れます。
もしも、Aさんが、BさんやCさんと知り合いではなかった場合、勝手にBさんやCさんにアドレスを送られたことになります。
アドレスは立派な個人情報です。取り扱いは慎重に行いましょう。To欄に複数人入れる場合は、全員知り合いである場合が好ましいです。
CCとは
CCとは「カーボン・コピー(Carbon Copy)」、すなわち「複写」という意味です。
CCにメールアドレスが入っている人には、Toに入っている人と同じ内容のメールが届きます。
CCは、「Toの人に下記のメールを送ったので念のため見て欲しい」というときに使います。
CCもまた、Toと同様に、宛先欄に表示されるメールアドレスを確認できるので、個人情報の扱いに気をつけましょう。
BCCとは
BCCは「ブラインド・カーボン・コピー(Blind Carbon Copy)」の略です。
CCと同様に、送ったメールと全く同じメールをBCC欄に入れた相手に送れます。
しかし、CCと違って、BCCに入力されたメールアドレスは、ほかの受信者に見られることはありません。ほかに受信者がいることを知られたくないときや、受信者の個人情報保護のために使われます。
失敗例4.社名・名前を間違ってしまう
ビジネスメールでやってしまいがちな失敗例の4つ目は、社名・名前を間違ってしまうことです。
自分の名前を覚えてもらえなかったことや、間違えられたことがある人もいるのではないでしょうか。
怒ることはなかったとしても嫌な気持ちになる人がほとんどでしょう。
社名や名前は、相手にとって大切なものです。あまりにも社名や名前が違っていた場合は、迷惑メールだと思われてしまい、メールが読まれない恐れもあります。
送る前に、名前を間違ってないか確認する癖をつけましょう。
失敗例5.添付ファイルをつけ忘れてしまう
ビジネスメールでやってしまいがちな失敗例の5つ目は、添付ファイルをつけ忘れてしまうことです。
メールを書き終えた満足感や、最後に添付ファイルをつけようとしたせいで、添付ファイルをつけ忘れるケースが少なくありません。
受け取った相手に指摘してもらい、再度メールすることになるため、二度手間になるだけでなく、確認してもらうまでに時間が生じてしまいます。
添付ファイルを送る際は、最後に添付ファイルが送れるように準備されているか確認しましょう。
また、添付ファイルを送る際は、ファイルをメールに添付したことを書き入れましょう。
エラーで添付ファイルが遅れてない場合の添付漏れを防ぐためです。
失敗例6.親しい相手に顔文字や絵文字を使ってしまう
ビジネスメールでやってしまいがちな失敗例の6つ目は、親しい相手に顔文字や絵文字を使ってしまうことです。
ビジネスメールは媒体が違うだけで、取り扱いとしては紙媒体の正式なビジネス文書と変わりません。そのため同僚へのメールであっても、顔文字や絵文字は避けましょう。
携帯電話やスマートフォンでのやりとりに慣れていると、文字だけの文面だと味気ないと感じる人もいるのではないでしょうか。
文字だけ使うよりも「ありがとうございます(∀)」「すみませんでした(>_<)」のように、顔文字があれば自分の感情が伝えやすく、相手とのコミュニケーションも円滑にいくと考える人もいるでしょう。
しかし、社内のメールアドレスを使っている以上、そのメールが誰の目に入るかわからないという自覚は持つべきです。例え同僚は気にしなくても、それを見た上司の中には「ふざけているのか」と思う人がいるかもしれません。
社外へのメールの場合は、なおさら顔文字や絵文字を使うことは辞めましょう。
ビジネスメールの場合、誰が見ても不愉快のない、当たり障りのない内容を意識する必要があります。
例外として、会員向けのメールマガジンのように親密感を出すために顔文字を使う場面もあります。しかしこれはあくまでサービスの一環であって、本来使うべきではない場面で「あえて」使っているのだということを理解しおきましょう。
一方、SlackやChatWorkなどのチャットツールを利用している場合は、スタンプの使用が推奨されていることもあります。臨機応変に使い分けるといいでしょう。
失敗例7.あいまいな表現を使ってしまう
ビジネスメールでやってしまいがちな失敗例の7つ目は、あいまいな表現を使ってしまうことです。
日常的にはよく使う表現でも、ビジネスメールでは避けた方がいい表現もあります。例えば「なるべく早く」「終わり次第」のような曖昧な表現は避けた方がいいでしょう。
他にも「今日(本日)中に」という文面は、一見すると問題がないように見えますが、「今日中」というのが果たして定時までという意味なのか、それとも日付が変わる瞬間までなのかが曖昧です。明確に、「○月○日○時までに」と示せば誤解を生むこともなく、やりとりがスムーズになるでしょう。
また、メールはテキストだけなので、自分にそのつもりはなくても相手に失礼だと思われてしまうことがあります。
例えば「締め切り厳守」「大至急」といった表現は、言いたいことは伝わりますが、表現がストレートすぎてキツく見えることもあるので、使う際は注意しましょう。
あるいは「してください」といった指示表現は、へりくだっているように見えて高圧的な印象を与えかねません。
何かを依頼するときには「恐縮ですが」「お手数おかけしますが」といったようなクッション言葉を織り交ぜ、丁寧な表現になるように心がけましょう。そういった小さな気遣いを重ねていくことで、好印象なビジネスパーソンになれます。
失敗例8.テキスト形式とHTML形式の使い分けができていない
ビジネスメールでやってしまいがちな失敗例の8つ目は、テキスト形式とHTML形式の使い分けができていないことです。
メールを作成するときには「テキスト形式」と「HTML形式」のふたつがあります。
テキスト形式とは、文字コードのみで構成されるメールのことです。
「HTML」はインターネット言語の一つで、この形式のメールには画像やプログラムを埋め込めます。
HTML形式はさまざまな表現をすることができるので便利ですが、ウィルス混入の危険性があり、ビジネスメールではあまり推奨されません。
また、HTML形式のメールは、対応したメールソフトでなければ見れないため、受信者の使っているメールソフトがわからない場合はテキスト形式で送るのがベターです。
失敗例9.大切な内容をメールだけで済ましてしまう
ビジネスメールでやってしまいがちな失敗例の9つ目は、大切な内容をメールだけで済ましてしまうことです。
日頃からメールでのやりとりが多いと、どんな連絡でもメールで済ませられるという勘違いをしてしまうことがあります。
メールだけで済ませられるというのは大きな間違いで、内容次第ではメール+αの連絡が必要になることがあります。
例えば、謝罪の連絡を入れるときは、メールだけでは済ませられません。
自分に落ち度があって相手に謝意を伝えたいとき、メールだけでは自分の気持ちが伝わりきらないことがあります。
伝わらないどころか「こんな大事な連絡をメールで済ませるなんて!」と、相手を怒らせてしまう可能性もあるので、自分の誠意を示すためにも、直接会いに行くか、最低でも電話をかけて許しを請う姿勢が重要です。
また、緊急時の連絡もメールだけで済ませるのは危険です。
メールはいつでも送れるので便利ですが、受信者が果たしてメールを読んだのかどうかというのは、送りっぱなしではわかりません。相手がメールを開いたら開封確認メールが届くシステムもありますが、メールを開いたからといって内容をしっかり読んでいるとは限りません。
「急ぎで!」というこちらの意図をきちんとわかってもらうためには、電話などで自分の口から伝えた方が無難でしょう。
ビジネスメールで間違いは厳禁!送信前に必ず確認しよう
- 社名や名前・添付ファイルは、メールを送る前にもう一度確認する
- いくら相手と仲がよくても、絵文字や顔文字などのフランクな表現は使わない
- 大切な内容は、メールだけではなく、電話や対面で話をする
ビジネスメールの失敗例からビジネスメールを送る際に、気をつける内容をご紹介しました。
ビジネスメールにはさまざまなマナーがあり、ないがしろにしていると相手に悪い印象を与えてしまう可能性があります。
メールは、相手の都合にかかわらず送りたいときに送れる便利な連絡ツールですが、相手に「見てもらう手間」と「返信してもらう手間」があることは忘れてはいけません。
相手の負担を少しでも軽くするため、ビジネスメールのマナーがあるともいえます。適切にビジネスメールのマナーを利用できれば、業務の効率アップも期待できるので、ぜひビジネスメールのマナーは覚えておきましょう。
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