基本的なビジネスマナーのひとつがお礼状の書き方です。特に、出張や視察で訪れた会社やお世話になった方へのお礼状は欠かすことができません。しかし中には、「お礼状の書き方がまったくわからない」という人も少なくないでしょう。ここでは、特に若いビジネスパーソンのために、基本的なお礼状の書き方を文例を示しながらお話しします。
まず書くべきなのが、マナーに沿った前文
お礼状の書き方で、まず押さえておかなければならないのは「頭語」と「結語」、そして「前文」についてです。「頭語」と「結語」とは、手紙の書き出しと結びに添える言葉のことで「前略~草々」などがそれにあたります。
ただ、ビジネス上のお礼状の場合「前略~草々」では礼を省略した印象になってしまいますので、頭語は「拝啓」、結語は「敬具」を使うようにしましょう。「前文」については、時候の挨拶から書くこともありますが、出張などのお礼状の場合は、帰社してからすぐに出すもの。ですからあらためて「晩秋の候」などと書くのはあまりそぐいません。時候の挨拶は略して、 「時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。」とすれば十分です。
お礼の言葉をしっかりと書き記す
さて、本文です。お礼状なのですから、手紙のテーマはいうまでもなく「お礼」。余計な前置きはせずに、お礼の気持ちをダイレクトに表現しましょう。
文例
この度の御地訪問にあたりましては、ご多忙中にもかかわらず、○○様をはじめ、貴社営業部の皆様にひとかたならぬお世話になりましたこと、真にありがたく、心より御礼申し上げます。
仕事の成果、訪問時の感想などを添えると良い
次に、その方のおかげでどんな成果を上げられたのかを、訪問の際の思い出などを交えながら綴ります。
文例
おかげさまで、当初の任務を完遂できました上に、思いもかけない成果を得ることができました。特に、A社のB様をご紹介いただき面談の機会を得ましたことは、望外の喜びでございます。
お礼の言葉と今後についてのお願い
その後の文章では、お礼の言葉を繰り返し、さらに今後についてのお願いを書くのが、常識的なお礼状の書き方です。
文例
ご高配並びにご協力、誠にありがとうございました。
今後ともお世話になることが多々あるかと存じますが、いっそうのご厚誼(こうぎ)のほど、お願い申し上げます。
末文を書き、首尾よく締める
上記の文までで終わったとしても手紙としては成立しますが、お礼状としては、さらに末文をつけるのが、マナーとなります。
文例
末筆ではございますが、○○様のますますのご健勝、貴社いよいよのご発展を、心よりお祈り申し上げます。
書面にて略儀ながら、取り急ぎ御礼まで。
以上が、誠意を相手に伝えるためのお礼状の書き方です。しっかりとビジネスマナーを守り、相手に感謝やお礼の意が伝わるようなお礼状を作成しましょう。
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう