公務員の給料がどのような基準で決められているか知っていますか?
2014年8月、人事院(国家公務員の利益の保護等に関する事務をつかさどる中立・第三者機関)によって公務員の給料を年収換算で7万9千円引き上げることが発表されました。
この増額は7年ぶりのことで、2008年に起きたリーマンショックによる景気低迷から続いていた公務員の給料の引き下げ、または据え置きという流れに終止符が打たれました。
以下、公務員の給料の決定の基準に関して説明します。
官民の給料のバランスを取っている
国家公務員の給料が引き上げられた理由として、民間企業の給料の水準が持ち直していることが挙げられます。この考えのベースとなっているのは「民間準拠」という方式です。
人事院はこの民間準拠の考えをベースに国家公務員の給料を引き上げました。ただ今回の給料の引き上げは、単純に国家公務員全員の給料が引き上げらるという簡単な話ではありません。公務員の給料は相対的に給料が上がっただけで、実は世代や地方によっては給料の据え置きまたは引き下げを行う勧告も出されています。世代間、さらには地方内での給料のギャップを埋めようしている動きも同時に進行しているのです。
世代間の格差解消
現状としては、民間のベテラン会社員(55歳以上)よりも同じ年代の国家公務員のほうがたくさん給料をもらっているという給与格差があります。ゆえに、下記引用にもあるとおり、民間企業よりも多くもらっている55歳以上の国家公務員の給料を据え置き、民間との給料のギャップを小さくすることで、官民の給料の格差を是正しようとする意図が見られます。
地方内での格差解消
地方によっては、国家公務員の給料が民間企業の給与を上回っている状況があります。したがって、その地域の民間給料の水準に合わせて国家公務員の給料を決定するという方針も打ち出されています。
このように、民間企業と国家公務員の給料の歩調を合わせることで、国家公務員の給料の水準に対する不満を解消し、官民の公平性を少しでも改善したいという狙いが人事院にはあります。
今回は、相対的に国家公務員の給料を上げようとしていますが、一方で年齢や仕事している場所によっては給料の引き下げもあり得ます。給料の引き下げは、少なからず仕事に対するモチベーションに左右すると考えられることを踏まえると、果たしてこの政策が功を奏するのか、今後の動向に注目です。
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