「相続税」と聞いて何を思いますか?お金持ちにしか関係のない話と思う人も多いでしょう。確かに、今まではその考えは正解でした。しかし、2015年からはあなたにも関係ある重要な話になってきます。
2015年の1月から、相続税の課税対象者が大幅に増加します。現在では相続税を申告しなくてはならない人の割合は4%のみでした。しかし、来年からはその2倍以上の人が対象者となり、さらに土地の値段が高い都心での課税対象者は44.5%にも上ると言われています。
今回の変化で最も重要な項目は、「基礎控除額の減額」です。基礎控除額とは、税金がかからずに相続出来るお金のことを指していて、この額が少なくなればなるほど課税対象となる人が増加するという仕組みです。
少し分かりづらいので、具体的な数字で解説していきましょう。
今まで、基礎控除額は「5000万円+1000万円×法定相続人数」で計算されてきました。相続する人が妻1人と子供2人の合計3人であった場合は、5000万円+3000万円(1000万円×3)=8000万円です。つまり、相続する金額が8000万円までであれば相続税はかかりません。
2015年からは、「3000万円+600万円×法定相続人数」になります。上記と同じように相続する人が妻1人と子供2人の合計3人の場合、基礎控除額は3000万円+1800万円(600万円×3)=4800万円です。つまり、相続する金額が4800万円までであれば相続税はかかりません。
上記から、とても大きな変化が起こることがわかります。土地の値段が高い都市部に住むいわゆる「普通のサラリーマン」にも相続税が大きく関係するようになってきます。その中で注目が集まるのが生前贈与。
生前贈与とは、生きている内に子供や孫に財産をあらかじめ送っておくことを指します。そうすることで、相続税の対象となる金額を抑えることができるのです。1年に110万円までであれば税金がかからないため、もしもの時に備えてあらかじめ財産を分与することが行なわれています。
対象者が大幅に増加する来年からの相続税増税。多くの人が関係するようになるからこそ、今後を考えて生前贈与についても考える必要があるかもしれません。
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