米軍の事件多発!誰が賠償金を支払うの?
米軍機の墜落や米軍人・軍属による交通事故や強盗、性犯罪などの米軍が関係する事件・事故はここ10年間で多発しており、特に米軍基地の数が全国で一番の沖縄県では、公的な賠償となるものだけでも9962件発生しています。
そして、ここ10年の公的賠償のうち、日本の負担額は3.8億円にも上っています。それは、日米地位協定の規定によって、(1)米軍が公務中であり、米軍だけが事件に対して責任がある場合には日本は25%負担し、(2)米軍が公務中であり、日米双方が事件に対して責任がある場合は日本が50%負担することとなっているからです。
つまり、米軍絡みの事故が日本で起きた場合、「公務中」ならいかなる場合でも日本がお金を出す仕組みが出来上がっているのです。
一方で、日本が負担しなければならないというのはおかしいとの声も上がっています。
なぜ日本が負担を強いられているのかを理解するために、次は、日本国内で米軍が事件を起こした際のルールが規定されている日米地位協定とはいかなるものなのかを説明していきます。
「思いやり予算」で日本の負担が増えた!
日米地位協定の特徴は、「思いやり予算」にあります。
簡単に説明すると、思いやり予算とは、米軍が日本の安全保障のために特別に駐留しているからこそ、日本はお金の面でもっと米国の負担を減らしていこうとの意図のもと、1978年から日本の税金を使って米軍のために組まれている予算のことです。当時アメリカが、財政危機やドルの価値の下落に直面していたということが背景としてありました。
この思いやり予算の存在によって、日本は米軍に対して負担を強いられていますが、近年の日本の財政状況を考慮すると、「思いやり」を続けるのは道理に合わないとの声が与野党双方や防衛官僚から出ています。しかし、予算の減額に関しての米国との話し合いは、ほぼ平行線をたどっているのが現状です。
日本政府が「思いやり予算」に対して何も手を打たないまま米軍による事件がこのまま続けば、日本の負担額が増える一方です。今後、日本政府がアメリカ政府に対してどのくらい強気な姿勢をみせることが出来るのかがこの問題の焦点となってくるでしょう。
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