アメリカ、カナダ、メキシコ、イギリス、ドイツと日本。日本が6カ国中で最も平均睡眠時間が短いって皆さんはご存知ですか?このことを受け、厚生労働省は11年ぶりに“健康づくりのための睡眠指針2014”を発表しました。その中で「午後の早い時刻に30 分以内の短い昼寝をすることが、眠気による作業能率の改善に効果的」と記載しています。そんなこと言われても会社で昼寝なんて現実的には無理...と思いきや、このような国の動きを受けてか、今「昼寝制度」を取り入れている企業が増え始めているのです。
■眠くなったらいつでも眠ってOK?!
増改築リフォームなどを手掛ける(株)OKUTAは、昼寝制度を取り入れている企業の1つです。オフィスの机上で堂々と熟睡している光景は日常茶飯事。眠くなったら自然の摂理に合わせ、気兼ねなく寝てOK。業務中のみならず、社員が一同に会する営業会議や全社員会議でも昼寝休憩が設けられているほどです。同社では昼寝は「パワーナップ」と呼ばれ、有効活用されています。
■昼寝OKの裏に隠された意味とは...
昼寝の容認と言われるとどうしてもそのユニークさにばかり目が行きがちですが、実はもっと深い意味があるのです。(株)OKUTAでの昼寝制度は完全自己責任制。時間は約20分、タイミングはいつでもOK、申請も不要という自由っぷり。ただ1つの最低限のルールは、「各自が納期通りきちんと業務を進めること」のみ。ルールは緩やかに、締めるところは締める、というメリハリのある会社です。このような制度を取り入れている裏には、社員各々の自己管理能力を養う狙いもあるようです。
■自立を促し、生産性を向上させる
本来社会人は自立した人間であるはず。ですが、会社は社員が枠をはみ出すことを恐れ、ルールを強化しますね。すると、社員の多くは雇われているという受け身な意識になりがちです。このような会社の環境が現代社会の「指示待ち人間増加の問題」の1つの原因にもなっているのではないでしょうか?そう考えると、完全自己責任制の昼寝制度は自己規制を緩和することができ、社員の自立心と生産性の向上に繋がっていると言えますね。
オフィスで昼寝と聞くとどうしても怠惰なイメージを抱いてしまいがちです。でも、生産性の面から考えると、眠気と戦いながらダラダラ仕事を続ける方がよっぽど効率が悪いのではないでしょうか?実際に昼寝制度により、業務効率の改善や経理ミスの減少も報告されています。このような実績から、今後ますます昼寝制度を取り入れる企業が増えるかもしれませんね。
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