「悩み事は、朝やるといい」
これは、伊藤忠商事社長・岡藤正広氏の言葉です。夜にあれこれ悩んでも結局結論は出ず、睡眠時間がじわじわと削られてしまうだけであると、岡藤氏は述べています。
みなさんも、そんな経験をしたことはあるのではないでしょうか?悩み事を仕事終わりの時間にあれこれ考えてしまって睡眠不足、かといってその悩みは解決せずに負のスパイラルへ陥るといったことはしばしば起こりがちです。
しかし、朝に悩み事をするといっても、1日の始まりから暗い気持ちで過ごしたくありませんよね。では、どうして考え事や悩み事は朝にしたほうが良いのでしょうか?ここでは、悩み事を朝にしたほうが良い理由とメリットをご紹介します。
夜はとにかくネガティブになりがち
体には、日頃の生活で染み込んだ生活リズムというものがあります。それは、朝起きて日中から夜にかけて仕事をし、家に帰って寝るというある程度一定したものです。その中では、当然ながらテンションやモチベーションの上がり下がりは起きてきます。朝起きてから夜寝るまで、一日中テンションを高く保っていくことは不可能ですよね。
そのテンションが下がる時間帯というのが、夜の時間帯なのです。夜の暗さと仕事の疲れが重なり、心境としてはとにかくナイーブになります。そんな状態で悩み事をしても良い解決策など浮かぶはずもありません。
時間が無限にあると思いがち
夜は、自分の睡眠時間を削りさえすればいくらでも起きていることは可能です。そのため、悩むことができる時間がたくさんあると勘違いしてしまい、ぐだぐだと思いを巡らせて結論が出ないという始末になります。
夜の時間は無限に感じますが、睡眠時間を削って答えのない悩み事をするということは非常に非生産的なものであり、言ってしまえば無意味なことです。疲れを取るための睡眠は、本来削るべきものではありません。寝る時間をきちんと設定していれば、夜の時間は決して無限ではないのです。
限られた時間の中で思考できる
では、朝に悩み事をすることによって得られるメリットとは何なのでしょうか。その1つに、「朝=忙しい時間」ということが大きく関係してきます。
朝の時間帯は一般的にとても忙しいものだと言われています。しかし、その限られた時間だからこそ悩み事をすべきであるといえるのです。「ここまでに結論を出さなければいけない」というデッドラインを設けることで、だらだらとした思考プロセスから脱してはっきりと論理的に考えることが出来るようになります。
仕事においても、時間の指定がないとついだらだらやってしまいがちですよね。それと同様のことが、悩み事でも言えるのです。抽象度が高ければ高い悩みほど、限られた時間内に結論を出すと決めることが大事なのです。
意外と悩み事でもなかったと気付ける
もう1つのメリットとして、昨日まで真剣に悩んでいたはずのことがそこまで重要ではなかったと気付くことが多々あるということです。
クリエイティブな発想をする時の手段として、「アイディアは1日寝かせろ」という言葉があります。これは、そのアイディアを吟味する際にとても重要なプロセスです。悩み事も同様、その時にどれだけ真剣に悩んでいたとしても、一旦一晩寝かせることでそれが大した問題ではなかったということはよくあります。
考えるとはとても労力を使うことです。そうすることによって、悩み事をする時間も労力も使わずに済んで違うことにその時間を使うことが出来るようになります。
ここまでで朝に悩み事をすべき理由とメリットについてご紹介しましたが、いかがでしょうか。仕事が忙しい人ほど、時間の使い方をもっと真剣に考えればより有効的に時間を使うことが出来ます。ぜひ心がけてみてください。
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