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【書評】ビートたけしに学ぶコミュニケーション術!「間抜けの構造」

Yudai Imamura

2014/07/21(最終更新日:2014/07/21)


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【書評】ビートたけしに学ぶコミュニケーション術!「間抜けの構造」 1番目の画像
by PhotoAtelier
 ビジネスシーンや日常生活において他者とコミュニケーションをとっていると、「間が持たないな」「話が噛み合っていないな」などと感じること、ありますよね?コミュニケーションを円滑に進めるために、どんなことに気を配ればいいのか…そんな悩みを持つ方は多いはず。

 その答えを、あのお笑いや映画で有名なビートたけしが一冊の本を通して教えてくれました。 「間抜けの構造」。聞くからに面白そうなタイトルですが、そこに書かれていたのは ”「間」の大切さ”という、現代を生きるビジネスマンにとっても見逃せないものでした。

ビートたけしの「間」の定義

 ビートたけしのことを知らない、という方はいないのではないでしょうか?芸人、映画監督など、様々な顔を持っていますよね。本書は彼の芸人生活や映画監督、また政治やスポーツなどといった様々な観点から見た間のとり方、間合いといったタイミングのとり方について、色々な事例を基に説明してあります。

 タイトルにもある「間抜け」という言葉、私達は単なる人をバカにする言葉として捉えていると思います。しかし本書でビートたけしが言う「間抜け」とは、 間のタイミングのとり方が下手か、タイミングが外れてしまうということを指しています。

 彼が挙げる「間抜け」な人の紹介に思わず吹き出してしまいましたが、最後の結論を見て、思わずハッとさせられてしまいました。自分は他者とコミュニケーションをとるとき、周りを 客観視できているだろうか、と見直すきっかけをもらった気がします。

なんでこんなに間抜けな失言をするかというと、自分がどういう立場にいる人間かがわかっていないからだ。自分を客観視する能力がないからこういうことになる。グーッとカメラを弾いて、自分のことを俯瞰で見下ろして、周りの状況を把握していれば、絶対こんな異ならない。

出典: ビートたけし(2012)『間抜けの構造』新潮社

対話をコントロールするのは「間」

 お笑い芸人として大活躍しているビートたけしにしてみれば、「間」が大切ということは当たり前かもしれませんね。ですが日常生活でも「間」に気を配るシーンはあります。例えば彼は、会社などでもよく行われる討論の場面を引き合いに出しました。

討論のときにどこで話に入っていくかというのは、縄跳びに入っていくタイミングを見極めるのと同じで、上手い下手がある。上手い人は相手が呼吸するタイミングで入ってくる。相手が息を吸った瞬間に「いやあ、だけどさ」と入ってこられると「ウッ」となって、話をとられる。そうやって相手がしゃべるのをつぶす。人気のあるキャスターやアナウンサーは、このあたりの間合いを熟知してる。息継ぎのタイミングをちゃんと研究してるから、みんな上手い。

出典: ビートたけし(2012)『間抜けの構造』新潮社
 トークにおける「間」というのは「トークを上手く聞かせる技術」だけだと思われているかもしれませんが、 「会話を上手く進める技術」でもあるんですね。それが討論となれば主導権を握れてしまうのです。確かに人と話していてもうまくリズムが合わないときがあります。この場合は話の内容そのものよりも、お互いの「間」が違うからギクシャクしてしまうんですね。

 仕事をしていても、上司や取引先とコミュニケーションを撮る場面は多いです。そんなとき、その場における 「間」を自分でコントロールできたら…意思疎通もこれまで以上にスムーズにいくことでしょう。

 
 コミュニケーション能力が必須とされているビジネスマンにとっても、「間」のとり方は非常に大切。あなたもBIG3と称されるビートたけしから、「間」に対する意識の仕方を学んでみてはいかがでしょうか?


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