7月14日の夜、面白法人カヤックの会社説明会が行われた。しかしそこは「面白法人」を名乗るカヤック、普通の会社説明会ではない。涙活プロデューサーの寺井広樹氏とコラボレーションし、「カヤックCEO柳澤大輔の《 涙の会社説明会 》 リクルートじゃなくてナクルート(T^T) feat.涙活プロデューサー寺井広樹」と銘打つ説明会だ。「ナクルート」の響きに惹かれ、会場に潜入した。
「涙活」は、感動的な本や漫画、映画などを見て意識的に涙を流し、ストレスを解消する活動のこと。寺井氏が2013年から個人的に始めたこの活動がどんどん広がり、今回初めて企業とコラボレーションすることになったそうだ。
「 涙を流すと、自分をさらけ出すことができます。実際、涙活イベントに来ていた就活生と人事担当者が、イベント終了後に意気投合しているのを見たことがあります。その時、泣きながら会社説明会をやったら、今までにないよいものになるんじゃないかと思ったんです」(寺井氏)
まずは涙を流そう
イベントは、噺家による「泣語(泣ける落語)」の披露から始まった。泣語には噺家が先に泣くというルールがある。就活をテーマにした噺を披露しながら泣く噺家に、涙を誘われる人がちらほら。しかし、柳澤氏の涙腺は堅いのか、まだちっとも緩まないという事態に。
次に「泣ける動画鑑賞」の時間。ここ数年で話題になった泣けるミュージックビデオやCMを7本繋げた、30分程度の動画が流された。その中には、 先日放送打ち切りとなった東京ガスのCMがあった。就活に奔走する女子大生とそれを見守る母の優しさにグッときた参加者が多かったのか、会場のあちこちからすすり泣く音が聞こえた。
柳澤氏の涙腺のツボは?
動画の上映が終わり、感傷的なムードになる会場。寺井氏が感想を聞くと、柳澤氏は「娘系(父と娘の関係がテーマの作品)は結構きますね。私、娘がいるのでね」「いいですね、やっぱり……何の会ですかね、これ?」と涙ひとつ流さずに語る。その淡々とした口調と、会場の雰囲気とのギャップに、会場は笑いに包まれた。
ちなみに、柳澤氏のツボ「娘系」の動画は以下の2つが流された。
涙の(?)会社説明会
そして会社説明会が始まった。先ほどまで泣いていた参加者は、真剣に柳澤氏の説明に聞き入る。
「面白法人と名乗ったら、『面白い 会社』の検索ワードで1位になりました。言葉は時代を作るんですね」
「会社は経営者が考える会社になっていくんです。私は『カヤックに入った人が自信がつくといいな』と思った。そういう会社にしたかった」
「『面白い』と『経営』を両立したかったんです。日本のトレンドも、せっかく1日8時間も働くんだから、面白いほうがいいということになってきた」
と、真剣な言葉をたくさん聞くことができた。カヤックといえば、「ぶっ飛んだ採用活動やユニークな社内制度の会社」というイメージが強いが、その裏には 柳澤氏の会社や経営に対する強い思いがあったのだ。ここでは、涙はなかった。
こんな質疑応答、見たことない
次は質疑応答の時間。最初に手を挙げた男性からこんな質問が飛び出した。
「カヤックには美人の女性が多いですが、顔採用はありますか?」
これには会場中が大笑い。寺井氏も「普通の会社説明会ではこんな質問は出ないですよね。 泣いたことによって皆さんが素の自分になっているんじゃないでしょうか」と関心していた。
それ以外にも「カヤックの エイプリルフール採用(経歴詐称OKの採用)の面接で落とされたのですが、何がよくなかったのか」「鎌倉で車夫(人力車を引く人)をしているので、カヤックのお抱え運転手として雇ってほしい」といった、ユニークな質問が相次ぐ。
これからは「フランク企業」の時代だ!
最後にこんな質問があった。「ブラック企業と言われないように気をつけていることは?」。
この質問に柳澤氏が答えた後の、寺井氏の言葉が印象的だった。
「今、ブラック企業が話題になっていますが、これからは『 フランク企業』の時代だと思うんですよ。就職活動の時に、学生も企業も自分を偽ってしまうから、『こんなはずじゃなかった』となるんじゃないか。面接の時にお互いに腹を割って、フランクに話せたら、何か変わってくるのではと思います」
面白法人カヤックは、間違いなくフランク企業だ。日本にこんな会社が増えたら、働くことが楽しいと感じる人が増えて、みんなが幸せに働ける社会になるのではないだろうか。
柳澤大輔氏プロフィール
面白法人カヤック
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寺井広樹氏プロフィール
寺井氏は「離婚式プロデューサー」としても活躍している。離婚式で男性がよく泣くことに着目し、涙活を始めたそうだ。
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