学生起業や大企業からの起業など、最近耳にすることが増えてきた「起業」。人それぞれ、起業するまでのバックグラウンドは異なりますが、日本・海外で成功を手にしている起業家は一体どんな思いで起業したのでしょうか?
ここでは、日本と海外の起業家を代表する4名がどのようなきっかけで、どのタイミングで起業を決断したのかをみていきましょう。
藤田晋(サイバーエージェント)
サイバーエージェントの藤田晋氏の起業したきっかけは 一本の電話でした。しかし、電話をきっかけに起業したことになっていますが、藤田氏は高校時代から起業家になろうと志していました。
高校時代バンドをやっているときに、音楽の才能がある友人に出会い自分には音楽の才能がないことを痛感したのです。藤田氏はこのとき「おれは、レコード会社を作ってお前をデビューさせてやる」と口から出まかせで言いました。でも、のちにこの出来事が 藤田氏にとっては音楽を諦めて、起業家を志した決定的な瞬間だったのです。
その後、東京の大学を卒業しインテリジェンスに就職した藤田氏。将来会社を作ろうと思っていた藤田氏は、馬車馬のように働いていました。そんなときにオックスプランニングに勤めていた親友の中山から一本の電話がかかってきたのです。その内容は「オックスの経営陣で内紛が起きたぞ」「わからない。おれもこのまま会社にいるかわからない」というものでした。
その電話をきっかけに藤田氏は起業する決意を固めました。その後、1998年にサイバーエージェント設立。高校時代からの志を実現した瞬間でした。 藤田氏の場合は、高校時代の挫折から起業を志し、親友からの一本の電話が起業するきっかけとなったのです。
Amazon.co.jp: 渋谷ではたらく社長の告白 (幻冬舎文庫): 藤田 晋: 本
Amazon.co.jp: 渋谷ではたらく社長の告白 (幻冬舎文庫): 藤田 晋: 本
孫正義(ソフトバンク)
では、ベンチャー企業から1兆円を超える企業へ成長させた孫正義氏の起業のきっかけは、なんだったのでしょうか?
孫氏の起業のきっかけは、一冊の本を読んだことでした。この本の中で孫氏が影響を受けた内容は、坂本龍馬が下田屋に通い詰めている場面です。
下田屋は、当時では珍しく世界地図や多くの輸入品を扱っていました。外の世界への憧れを強く持っていた龍馬。そんな龍馬の生き方に共感を覚えて、 孫氏もまた外の世界への憧れを抱くようになりました。一冊の本がアメリカ留学のきっかけであり、起業家を目指したきっかけでもあったのです。
もう一つ孫氏が起業するにあたり影響を受けたことがあります。それは、 志を高く持つことです。坂本龍馬といえば、明治維新をはじめとした日本の歴史に大きな影響を与えた人物。孫氏も志を高く持っている人物としてよく知られています。有名なのがソフトバンク創業初日の演説です。
この演説からも孫氏は坂本龍馬の影響を受けていると言えるでしょう。打ち出したビジョンを次々と達成していく孫氏。 起業のきっかけと目標を高く設定する志は、一冊の本に描かれている坂本龍馬のストーリー・フレーズにありました。
司馬遼太郎『竜馬がゆく』 電子書籍 | 特設サイト - 本の話WEB
『竜馬がゆく』全8巻 司馬遼太郎作品 ついに電子書籍化!
イーロン・マスク(Tesla Motors)
次にスタートアップの聖地であるシリコンバレーの起業家であるイーロン・マスク氏はどのようなきっかけで起業したのでしょうか?
PayPal創業者にして現在はTesla Motorsを手がけるイーロンマスク氏の起業したきっかけは、インターネットが世界に与えるであろう衝撃でした。インターネットに衝撃を受けてPayPalを起業した訳ですが、イーロン・マスク氏の起業を志した出来事は、彼の幼少期のバックグラウンドにありました。
イーロン・マスク氏は、南アフリカに生まれ裕福な家庭に育ちました。10歳になったある日、サウスアフリカのお店でコモドールVIC-20(1980年発売の家庭用パソコン)を購入してもらったイーロンマスク氏。「こんなものは見たことがない!」と衝撃を受けたそうです。
パソコンでゲームを作ったり、プログラムを組んでみたりとゲームを作るときはいつもワクワクしていた。この出来事がきっかけとなり、テクノロジーや最先端の機械に興味を持ち始め、いつか物事の最先端の地アメリカに渡ろうと志したのです。
イーロン・マスク氏の起業のきっかけは、シリコンバレーを訪れた際のインターネットへの衝撃でしたが、 幼い頃からテクノロジーで世界を変えてやろうと心の奥底では思っていたことが伺えます。子供の頃に感じたワクワク感が起業するきっかけとなったのです。
イーロン・マスクの野望
スティーブ・ジョブズを超える、いま全米一有名な男。スタンフォード大を2日で辞めてペイパルを興し170億円を得て、ロケット会社(スペースX)、EV会社(テスラモータース)を立ち上げ、民間初の宇宙ロケッ…
マーク・ザッカーバーグ(Facebook)
全世界12億ユーザーの巨大SNS「Facebook」の創業者として知られるマーク・ザッカーバーグ氏の場合もみてみましょう。
マーク・ザッカーバーグ氏の
起業のきっかけは、彼女に振られたことでした。この彼女に振られた怒りから、ハーバード大学内の女子学生の顔を比べて、勝ち抜き投票させるゲームを一晩で開発しました。 この一晩で作成した「フェイスマッシュ」が、大学のサーバーをパンクさせたことが問題になり、ザッカーバーグ氏は大学側に処分されてしまいます。その後、2004年にFacebook設立。このエピソードは、映画ソーシャルネットワークでも描かれています。ザッカーバーク氏が起業したきっかけは、女の子に振られたことから始まりました。
『ソーシャル・ネットワーク (字幕版)』
『ソーシャル・ネットワーク (字幕版)』(2010) の予告編を iTunes で見る。
日本と世界を代表する4名の起業家が、起業したきっかけをまとめてみました。起業のきっかけは、一冊の本だったり、一本の電話だったりと様々です。一方で、世界や時代を変えたいという志を持っていた点では、共通するものがありました。成功するものは、ブレない志を持っているのかもしれません。
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう