新聞やニュースでは、ごく当たり前のように「集団的自衛権」「集団安全保障」といった言葉を耳にしますね。しかし、この二つの言葉はいまいち分からない、混合されがちな用語です。では、ここでその両者の単語をしっかりと理解してしまいましょう。
集団的自衛権って?
集団的自衛権とは、自国と親密な関係(同盟関係等)にある国が他国によって攻撃された場合に、自国が攻撃されていないにも関わらず反撃をする権利のことを指します。自分の仲間である国に対する攻撃を自分の国にされた攻撃であると考えて、攻撃をするのです。
今までの日本はこの権利を保持してはいるものの行使はしないという立場をとってきました。しかし、2014年7月1日に集団的自衛権の行使を認めるとの閣議決定がされました。この問題は日本の憲法に関わる重要な問題であるため、今後も興味を持つことが必要です。
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集団安全保障って?
では、集団的自衛権と似ていてよく知られていない、集団安全保障の意味を確認していきましょう。
集団安全保障とは、現代の国際社会においてとても大事なシステムです。これは、複数の国家で集団を作り、その中でその平和を脅かすような行為(例えばA国がB国に対して攻撃をする)に対して他の国(B,C,D…国)がその攻撃を行なった国(A国)に対して制裁を行なうというものです。
目的が違う!
集団的自衛権と集団安全保障をそれぞれ理解することは出来ましたか?それぞれを個別に理解することが出来たら、次は両者の違いをしっかりと理解していきましょう。集団的自衛権と集団安全保障の最も大きな違いは二つあります。
一つ目は、 目的に関する違いです。集団的自衛権は、あくまでも「自衛権」です。自国の安全を守るために、他国への攻撃が巡り巡って自分の国に人的な被害や経済的な被害を引き起こすために行使するのです。それとは別に、集団安全保障はあくまでも国際社会やその体制の平和や安全を守るための行動です。
つまり、集団的自衛権は防衛が第一の目的で、集団安全保障は平和と安全の維持が第一の目的なのです。
関係性が違う!
二つ目は、 内と外の関係の違いです。集団的自衛権の攻撃は、その密接な関係とは別の第三国からの攻撃を想定しています。しかし、集団安全保障は同盟を組んだ体制の中でその中の国に対して行なわれる、言わば内での攻撃を想定しているのです。
ここで、学校のクラスを想像してみてください。クラスの中では、それぞれにグループが存在していますね。自分のいるグループのAさんが他のグループのBさんにいじめられたとします。その時にあなたがAさんへのいじめに対してBさんに注意する。これが集団的自衛権です。Aさんへの攻撃を自分への攻撃であると受けて防衛をするのです。
それとは別に、クラス全体が国際社会であると想定してみてください。その時に、クラス内でいじめが発生しました。それはクラスの輪を乱す行為である、としてクラス全員が注意をしたり、辞めさせたりするのが集団安全保障です。
上記のことから分かるように、集団的自衛権と集団安全保障とは深く関係しているものの、異なった概念です。これをしっかりと理解しておけば、なんとなく腑に落ちなかった新聞やニュースが手に取るように分かるようになります。
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