人とうまくコミュニケーションをとれない「コミュ障」。日常生活は切り抜けられても、仕事に支障をきたしてしまうこともあり「なんとか治したい」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では「コミュ障か診断したい」「コミュ障を克服したい」という人に向けて、コミュ障の特徴や診断、克服方法を紹介していきます。
- コミュ障とはどういうこと?コミュ障の種類
- コミュ障になりやすい人に共通する性格の5つの特徴と原因
- コミュ障を治す・克服する6つの方法
そもそも「コミュ障」とはどういうこと?
SNSをはじめ、「コミュ障」という言葉が使われるシーンを見かけるようになりました。
コミュ障は「コミュニケーション障害」の略語であり、同じ意味を持っていると思いがちですが、「コミュニケーション障害」と「コミュ障」は少し意味が異なります。
WEB百科事典のコトバンクでは以下のように定義されています。
1 視覚・聴覚の障害、発声・発語の障害、知的障害などによって、自分の意思を伝達したり、相手の意思を理解したりすることが困難な状態。脳卒中や頭部外傷による失語症、運動障害性構音障害、音声障害、聴覚障害など。コミュニケーション症。
2 俗に、人づきあいを避けたり、他人に無関心であったりすること。また、そのような人。コミュ障。
出典:コミュニケーション障害(コミュニケーションショウガイ)とは - コトバンク
つまり病気の症状として現れる「コミュニケーション障害」と、実際には病気ではない、スラングとしての「コミュ障」に分かれているのです。
掲示板やSNSから流行したネットスラング「コミュ障」
スラングとしての「コミュ障」とは、インターネットの掲示板やSNSから流行した言葉。コミュニケーションがうまく取れないこと、コミュニケーションが苦手なことを指しています。
「コミュ障」は、使い方によって自虐しているようにも、揶揄しているようにも捉えられる言葉でもあり、文脈によって様々な意味合いを含みます。
本記事では病気とスラングの区別を明確にするため、スラングとしてのコミュニケーション障害は「コミュ障」、病気の症状としてのコミュニケーション障害はそのまま「コミュニケーションの障害」と表記していきます。
「コミュ障」と「人見知り」との違い
「コミュ障」と初対面でコミュニケーションが苦手な「人見知り」は何が違うの?と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
「コミュ障」とは、初対面時に限定されずコミュニケーションを取ることが苦手ですが、「人見知り」は初対面のときに気を許せるまでに時間がかかるだけで、コミュニケーション能力はあることが違いです。
- コミュ障:コミュニケーションを取ることが苦手
- 人見知り:コミュニケーション能力はあるが、仲良くなるまでに時間がかかる
コミュ障かどうか診断する方法
「自分がもしかしたらコミュ障かもしれない……」という場合は、コミュ障かどうか診断することがおすすめです。
下記の診断は、心理テスト研究家の津田秀樹氏が監修している「コミュニケーション能力診断」。10個の質問に答えるだけで、簡単にコミュニケーション能力を測れる診断なので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
また、コミュニケーション能力が低い・自信がないという人は、グッドポイント診断で自分に備わった「強み」を把握することもおすすめです。
コミュニケーションが苦手だったとしても、人それぞれ、誰にでも「強み」「長所」があるものです。グッドポイント診断では、親密性や慎重性、現実思考などの18種類の性質の中から、自分の強みを5つ洗い出すことができます。
コミュニケーション能力に自信がないという人は、それ以外の自分の魅力を見つけて、自分の強みを生かして苦手なことをカバーすることもできるのです。
後ほど詳しく説明しますが、コミュ障は「自分に自信がない」ことが原因になっていることも多いもの。自分の長所について知ることで、コミュ障改善にも役立ちます。
コミュ障の種類
コミュニケーションが苦手なことを指すネットスラングとして広まった「コミュ障」。
他人と関わること自体が苦痛、他人と円滑な人間関係が築けない、他人に興味がない、仕事に影響が出る……など、コミュ障の程度は人によってさまざまです。
実は、コミュ障には2つの種類があることをご存知でしょうか。
「ダウナー系コミュ障」と「アッパー系コミュ障」
コミュ障には「ダウナー系コミュ障」と「アッパー系コミュ障」の2種類あります。それぞれの特徴を確認してみましょう。
- ダウナー系コミュ障:人見知りやあがり症で、人との会話が苦手
- アッパー系コミュ障:場の空気を読むことができず、自己中心的
人との関わり自体を避けてしまう「ダウナー系コミュ障」の特徴
「ダウナー系コミュ障」とは、人見知りやあがり症で会話が苦手な人が多く、人との関わり自体を避けてしまう特徴があります。
以下の項目が3つ以上当てはまる場合は、ダウナー系コミュ障の可能性が高いと考えられます。
- 声が小さく、ボソボソ話す
- 自分に自信がない
- 話を振られるとパニックになってしまう
- あがり症で、会話をするときに咄嗟に言葉が出てこない
- 決断力に欠ける
- 人見知り
会話を繋げることや、意見を伝えることを苦手とするダウナー系コミュ障は、ビジネスシーンでも自己主張を控えてしまい「意見がない人」と思われてしまうことも。
また、ダウナー系コミュ障は初対面の人に対して緊張してしまい、なかなか良い第一印象を与えることができないというケースも多いものです。コミュニケーションに関することが原因で、仕事に影響をきたしてしまうことも多いといえるでしょう。
ダウナー系コミュ障が重度化すると「営業で初対面の人に会うのがつらい」「会議で意見を求められても答えられない……」など、仕事を辞めてしまったり、引きこもってしまったり、最悪のケースでうつ病になる……なんてことにも繋がりかねません。
自覚なしの迷惑コミュ障! 「アッパー系コミュ障」の特徴
一方、「アッパー系コミュ障」とはダウナー系コミュ障と真逆の性質を持っています。
アッパー系コミュ障の大多数は、コミュニケーション自体に苦手意識を感じていない「無自覚なコミュ障」のパターンがほとんどです。
- 空気が読めない
- 対話よりも、「自分ひとり」で話すことが好き
- 他人に自分の価値観を押し付けてしまいがち
- 自己主張が激しい
- 他人のいうことを聞かない
アッパー系コミュ障の人は周りの空気が読めず、自分の話したいことだけを話し続けます。他人を気遣うことができず、自分のことにしか興味がないアッパー系コミュ障は、「自己中心的な人」と思われ、他人に敬遠されてしまうことも。自分の意見ばかり主張して他人の話を聞かないため、周りを呆れさせてしまうのです。
ビジネスシーンでは、空気を読めないことや、価値観を押し付けることで、クライアントの関係性を悪化させてしまうことも。「どうせ言っても聞かないから」と間違いを指摘してもらえなくなったり、アドバイスをもらえなくなるなど、職場でも周りに避けられてしまうケースもあります。
ダウナー系コミュ障と比較して、アッパー系コミュ障は、本人が気づいていない分やっかいなタイプだといえるでしょう。
病気の症状として現れるコミュニケーションの障害
コミュ障はスラングとして使われている言葉ですが、一方「コミュニケーション障害」は病気なのでしょうか。
実は、「コミュニケーション障害」という病気は存在しません。
しかし、精神疾患や身体障害の中で「コミュニケーションに関わる障害」はいくつかあります。
【精神疾患の場合】コミュニケーションが困難になる症状
精神疾患とは、精神的にコミュニケーションをとることが困難になる症状です。
人の話を理解できなかったり、人を怖いと思ってしまうことが症状として挙げられます。
【身体障害の場合】コミュニケーションが困難になる症状
一方、身体障害とは、話すことや聞き取ることが物理的に困難になる症状です。
話したくても言葉を発することが難しくなったり、耳が聞こえなくなることが症状として挙げられます。
コミュ障になりやすい人に共通する性格の5つの特徴と原因
実は、コミュ障になりやすい人には共通する特徴があります。
「もしかしたらコミュ障かもしれない……」と悩んでいる方は、以下の特徴に当てはまっていないか確認してみましょう。
1.周りを気にしすぎてしまうor気にしなさすぎる
ダウナー系コミュ障になりやすい人の典型的な性格の特徴は「周りを気にしすぎてしまう」ことです。
「周りに嫌われていないか」「自分が話すことで相手がつまらないと思わないか」など、自分が主張することで他人に嫌われることを恐れているのです。人と関わることを怖いと感じ、仕事でもプライベートでもコミュニケーションが苦手になってしまうのは、ダウナー系のコミュ障の特徴だといえるでしょう。
一方、アッパー系コミュ障になりやすい人は「周りを気にしなさすぎる」ことが特徴です。基本的に自分にしか興味がないため、周囲の人の気持ちを考えたり、空気を読むことが苦手な傾向にあります。
空気を読まず、自分の話したいことだけを話し続けていると、周りの人は「この人は自分の話しかしない」と呆れてしまうでしょう。そんな状態が続いてしまったら、だんだんと周りから人が離れていくのは当然のこと。
他人から「関わりづらい……」と思われていることに無自覚なのは、仕事をしていく上で致命的だといえます。しかし、アッパー系コミュ障の場合は、コミュ障を自覚していないことが多いことも特徴なのです。
2.自分に自信がない
ダウナー系コミュ障になりやすい人は、容姿にコンプレックスがあったり、「自分はつまらない人間だ」といったように、性格・人格に自信が持てなかったりすることも特徴です。
実際にそんなことはなくても、自分に自信を持てないが故に、「嫌われている」「避けられている」と感じてコミュニケーションをするのが怖くなったり、苦手になったりしてしまうのです。
自分に自信が持てない人の特徴として、「人と目を合わせることが苦手」や「無意識に会話を避けてしまう」などが挙げられます。これらが原因で、他人や仕事の同僚に「コミュニケーションを取りづらい相手」と認識されてしまうこともあるのです。
3.完璧主義者
ダウナー系コミュ障になりやすい人は「完璧主義者」という特徴もあります。
コミュニケーションに正解はありませんが、「嫌われないようにうまく会話しないといけない」「相手の求めている答えを言わないといけない」といったように、完璧な答えを出そうとして、スムーズにコミュニケーションを取ることが難しくなっているケースもあります。
4.他人を見下している
他人を見下しているような性格は、ダウナー系コミュ障とアッパー系コミュ障のどちらも持ちうる性格のひとつです。
他人の行動を「低レベルだ」「全く理解できない」と上から目線で捉えている人は、話していても伝わってしまうもの。自分のことを見下している相手に自ら関わろうという人は少ないでしょう。周囲から避けられても当然だといえます。
また、他人を見下すような性格を持った人は、自分がコミュ障であることを認めたくない傾向にあります。コミュニケーションが上手くいかない原因を自分以外に押しつけることで、相手を見下していることが多いのです。
もちろん、このような状況が続けば、仕事上のコミュニケーションにも支障をきたしてしまいます。仕事の同僚や知人と壁が厚くなるだけでなく、コミュ障も治りにくくなるような厄介な性格だといえるでしょう。
5.悲観的・ネガティブに決めつけをする
ダウナー系コミュ障の特徴として「悲観的・ネガティブに決めつけをする」ことも挙げられます。
ちょっとしたことでも大げさにネガティブにとらえてしまい、「どうせ私が話しても楽しくないし」「みんなに馬鹿にされているんだ」と決めつけてしまうことも。
他の人が「そんなことないよ」と否定したとしても、自分の中ですでに決めつけたことを信じていて、なかなか意見を変えないケースも多く、被害者妄想のようになっているケースもみられます。
コミュ障を治す・克服する6つの方法
コミュ障の原因や性格の特徴で、当てはまっているものはありましたか?コミュ障を治すためには、原因になっていることを把握することも大切です。
コミュ障は、プライベートだけでなく仕事にも支障が出てしまうもの。コミュ障だと自覚があるビジネスパーソンのほとんどは、コミュ障を克服したいと思っているのではないでしょうか。
コミュ障を克服するには、いきなり「円滑なコミュニケーション」「場の盛り上げ役」を目指すのではなく、着手しやすい小さなことから改善し、徐々にコミュニケーションへの苦手意識を薄めていくことが大切です。
では、次にコミュ障を克服するための6つの方法を確認してみましょう。
克服方法1.コミュ障を治すために「話そう」と強く思わない
コミュ障を治すための1つ目の方法は無理をしてまで「話そう」と強く思わないことです。
コミュ障を直そうと思ったとき、最初から「積極的に会話をしよう」と考える人も少なくありません。しかし、「話そう!」と意識することはかえって緊張を生んでしまい、コミュ障を悪化させてしまう恐れがあるのです。
最初から無理をしてまで積極的に会話をしようとする必要はありません。「話すこと」が難しい場合は、まずはメールやメッセンジャーなど「話すこと以外のコミュニケーションを円滑にすること」から始めてみましょう。
テキストコミュニケーションに慣れてきたタイミングで、徐々に会話の機会を増やしていくといいでしょう。
コミュ障を治すとなると「芸人のようにおもしろ楽しく話しをする」「場を盛り上げて会話の中心にいる」ことを目標にしてしまう方も多いのですが、まずはできる範囲で少しずつ会話を増やしていくことが得策です。
克服方法2.話せないコミュ障は「聞く側」に回る
話すのが苦手なコミュ障の人は、聞き役に徹するという方法もあります。
コミュニケーションが上手な人とは、おしゃべりが上手な人のことだけを指すのではありません。実は、会話のとき、相手の話を聞いている時間と自分が話している時間の割合が「8:2(聞く:話す)」だと、相手から好感を得やすいといわれています。
コミュ障の中には、「つまらないと思われるのが怖くて話せない」と考えている人も多いでしょう。話すことに恐怖感を覚えるという人は、まずは聞き役に徹することを心がけてみましょう。「そうだね」「それで?」「なるほど」など、簡単な相槌を打ってみることからはじめてみてはいかがでしょうか。
コミュ障克服におすすめの「オウム返し」
相槌をうつことになれてきたら、「オウム返し」のテクニックを活用してみることもおすすめです。
オウム返しとは、相手の発した言葉を繰り返すこと。特に心境に共感するようなオウム返しを行うことで、相手は「この人は私に共感してくれている」と感じやすくなります。
しかし、100%オウム返ししてしまうと、機械的で不自然な会話になってしまいます。オウム返しのテクニックを使う場合は、相手の話したことの20〜30%程度をオウム返しするように心がけよう。
また、オウム返しに質問を加えれば、相槌から会話を広げることもできます。話しを広げられそうな場合は、オウム返しに質問をプラスして、会話を続けるように挑戦してみましょう。
「オウム返し」の例
<オウム返しの例_1>
相手「納期が急に変更になって、大変なんだよね」
自分「納期が変更になったんですか。それは大変ですね。」
<おうむ返しの例_2>
相手「取引先が無茶なことを言ってきたんだよね……」
自分「無茶なことですか。どんな内容ですか?」
克服方法3.どうしても克服できないコミュ障は「挨拶」から
「いきなり会話を増やすのは難易度が高すぎる……」という方におすすめなのは、「挨拶」です。
挨拶はコミュニケーションの基本。声が小さいコミュ障は、挨拶をしてもまったく人に聞こえていないというケースも多いもの。「自分では挨拶をしたはずなのに無視された……」とネガティブになる人も多いのですが、実は相手に声が届いていないだけのケースが多いのです。
「おはようございます」「お疲れ様でした」と、相手に人に聞こえる声の大きさで明るく言ってみましょう。人に伝えることを意識して、前を向いて挨拶することが大切です。
もちろん、目を合わせて挨拶をすることが理想的ですが、人と目を合わせることが苦手な場合は、相手の眉間や鼻などを見て挨拶することを心がけるのもおすすめです。
克服方法4.相手が喜ぶことを考える
「相手に嫌われたらどうしよう」と考えるのは典型的なコミュ障の思考だといえます。実はこのマイナス思考が、コミュニケーションを邪魔している可能性があるのです。
コミュ障特有のマイナス思考に囚われている場合、「相手の話に共感する」「見た目の変化に気づき、褒める」など、「相手が喜ぶこと」を考えてみましょう。
「周りを気にしがち」なことはコミュ障の弱みでもありますが、その反面、強みでもあります。細かな点まで気にしてしまうコミュ障だからこそ、相手の喜ぶことを考えたり些細な変化に気づくのに上手な人も多いのです。
コミュ障の強みである「観察力」を生かして、積極的に相手の変化や、喜ぶことを探してみましょう。
克服方法5.相手の長所を見つける
つい他人を見下してしまうアッパー系コミュ障には、相手の長所を見つけることを心がけることがおすすめです。
他人を見下すアッパー系コミュ障のままでは、いつまで経っても周囲と友好な関係を築くことはできません。円滑なコミュニケーションをとるためには、お互いのことを尊重する気持ちが必要です。
相手の長所を見つけ、「この人の○○なところが素敵」などと感じることが、相手を尊重するための第一歩となるだろう。
克服方法6.コミュニケーションに「完璧さ」を求めない
失敗を極度に恐れる傾向のある完璧主義者は、徹底した準備を行った後でなければ行動に移すことができないことも多いでしょう。
コミュニケーションでも完璧さを求める完璧主義者は、「絶対に人に嫌われない」という確信が持てない限り、人と話すことができずにコミュ障になってしまっているケースも多いもの。
しかし、常に完璧なコミュニケーションをとる必要はありませんし、過度に「嫌われないようにしよう」と気を張る必要もありません。自然体の自分で、気楽にコミュニケーションを図ってみましょう。
「とはいっても、やっぱり考えてしまう……」という方は、家族や友達なども身近な人に対して、「自分の思ったことをそのまま伝える」ことから始めてみてはいかがでしょうか。
「美味しいね」「◯◯がおもしろかった」など、自分の感想を伝えることには、正解も不正解もありません。まずは気軽に思ったことを口に出すことからスタートしてみてください。
そのコミュ障、もしかしたら病気の可能性あり?
「どうしても、コミュ障を克服することができない」「努力したけど、人が怖くて仕方ない」といった場合、もしかすると病気の可能性も考えられます。
病気だった場合は、治療を始めないと完治することは難しいもの。これから紹介するケースに当てはまっていそうな場合は、一人で悩まず、病院やカウンセリングを受けてみることも検討しましょう。
コミュニケーションの障害が現れる病気
これまでに説明したように「コミュニケーション障害」という名前の病気はありません。しかし、コミュニケーション能力に問題が生じる病気は数多くあります。
例えば、自閉症やアスペルガー障害などといった、自閉スペクトラム(ASD)という診断基準に分類される病気などがあります。ASDに分類される病気は、社会的コミュニケーションの障害が現れます。
社会的コミュニケーションの障害とは、「人の話を理解することができない」や「言葉を上手く発することができない」などといった症状です。
自閉症やアスペルガー障害以外にも、コミュニケーションの障害が現れる病気は数多くあるため、例を確認してみましょう。
コミュニケーションの障害が現れる病気の例
コミュニケーションの障害が現れる病気は以下のようなものが挙げられます。
- 自閉性障害:先天的な脳の障害。社会性や知能の発達が著しく遅い
- アスペルガー症候群:知的障害を伴わない自閉性障害。社会性の発達が著しく遅い
- 社会不安障害:人に嫌われるのを極端に嫌がり、人前に出ると極端に緊張する
- 人格障害:考え方や対人関係などのパーソナリティ機能が著しく偏っている
- 音韻障害:脳や器官に問題はないが、年齢相応の発音ができない
- 吃音症:どもり。発音が詰まったり、反復したりする
もちろん、上記以外にもコミュニケーションの障害が現れる病気はあります。明らかなコミュニケーション障害を覚えたら、一度病院でカウンセリングを受けてみるのもいいかもしれません。
コミュニケーションの障害診断
「コミュニケーションの障害をともなう病気かもしれないが、病院に行くのは怖い」という人は、まずWeb上で簡単にできる診断を試してみることもおすすめです。
しかし、Web上の診断は絶対に合っているというわけではないため、鵜呑みにせず、あくまで参考程度に活用してください。
下記の診断は、AQ(日本語版自閉症スペクトラム指数)を参考に作成されていて、無料でアスペルガー症候群の診断が可能です。
また、下記の診断では、LSAS(社会不安障害の症状を評価する尺度)を参考にして作成された、社会不安障害診断が無料で行えます。
>>社会不安障害診断
コミュ障だと思う場合、おすすめの仕事の選び方
コミュ障だと自覚がある人は、クライアントと面会したり、プレゼンテーションを任されたり、人前で話す仕事に対してストレスを感じることも多いでしょう。
話すことを得意とせずに悩んでいたり、会社に行くことが苦痛になっている場合は、自分の適職を探し、転職を検討することも一案です。
コミュ障を克服して、今の仕事を続けることも一案ですが、あまりにもストレスを感じる場合、そのままストレスをためて会社に行くのが辛くなったり、体調を崩してしまっては復帰することが難しくなります。「コミュニケーションが苦手だから転職するのは逃げている気がする……」と考えすぎず、自分にあった仕事をすることも大切です。
営業職に向いていないと感じる場合は、事務や経理などの内勤が多い職種を考えるものおすすめ。また、できるだけ一人で働きたいという場合は、独立してフリーランスとして活躍することも視野にいれてもいいかもしれません。
「自分にはどんな仕事があっているのかわからない……」という場合は、転職サイトや転職エージェントに相談に乗ってもらうのもいいでしょう。
直接会ってコミュニケーションを取るのは緊張する、という方はWebで相談したり、メッセージでやりとりをしたりして、対面以外の方法で進めてみてはいかがでしょうか。
コミュ障の原因を把握して克服しよう
- コミュ障とはスラングで、コミュニケーションが苦手なことを指す
- コミュ障とはダウナー系コミュ障・アッパー系コミュ障の2種類がある
- コミュ障になっている原因を把握し、自分にあったスピードで克服していくことがポイント
- コミュニケーション能力に問題が生じる病気の場合は、受診して治療することがおすすめ
ビジネスシーンでは、コミュニケーションをとらなければいけない場面が多いもの。営業職など、他人と積極的に関わる職種ならなおさら、他人との関わり方が重要です。
自分のことを「コミュ障だ」「他人とどうやって会話したらいいのかわからない」と感じている場合、どうにかしてコミュ障を治したいと切望している人も多いでしょう。
コミュ障を治す一番のポイントは「気負わないこと」です。本記事で紹介した、コミュ障の原因や対処法をもとに、自分でできることから少しずつ行動にうつしてみてはいかがでしょうか。
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