ビジネスの意思決定の上でリスク分析を行う事が一つの要素になってきますが、リスク分析手法の一つとしてディシジョンツリー分析があります。ディシジョンツリー分析を簡単に説明すると、人間が意思決定する内容と不確定要素に対し、論理的かつ時系列的につなげていく手法です。起こりうる選択肢をいくつか挙げて分類し、各選択肢の価値を算出していきます。その上で、今後どのような意思決定が発生するかを整理し時系列的につなげて、将来発生するシナリオ全体を理解し意思決定を行う事が可能となります。ここでは、ディシジョンツリー分析を行うにあたり既存システムを用いてMocrosoft Excelを活用する方法につきご紹介したいと思います。
1. Presition Treeを用いたエクセル活用
Palisade社が提供しているリスク分析システム@RISKシリーズのPresicion Treeを用いてディシジョンツリー分析を行うと、Microsoft Excelのアドイン機能を使ってリスク分析を行う事が可能となります。具体的には、Excelのスプレッドシート上に意思決定のオプション及び確率的に起こりうるイベントからなるディシジョンツリーを作成し、論理的かつ時系列につなげていきます。
すると、システムが各選択肢で発生するコストやリターンの数値やイベント部分の起こりうる確率を算出してくれます。更に、構築されたツリーに対し、期待値が最大または最少になるような意思決定オプションを自動的に判断し、それを選択した場合の価値のばらつき及び起こりうる確率をグラフ化してくれます。また、特定の項目の数値が変化した場合にそれが事業にどのような影響を与えるかを分析してくれます。
2. Microsoft ディシジョンツリーアルゴリズムを用いたエクセル活用
Microsoft社が提供しているディシジョンツリー分析用システムのディシジョンツリーアルゴリズムは、様々なツリー作成手法が組み込まれた複合アルゴリズムで、線形回帰や分類といった複数の分析タスクが準備されており、スコアリング方法と他のパラメータによってツリーの形状と深さが決定されます。具体的には、使用可能な入力値をセットすると、feature selectionを実行してもっとも多くの情報を提供する属性と値を特定し、頻度の低い値は除外していきます。入力値と対象の結果との相関関係を調べる事によりツリーが作成され、全ての属性が関連づけられたら情報利得を計算する式で測定され、結果を最も明確に区別する属性がアルゴリズムにより識別されます。
こうして選択された属性がグループ化され、同様の方法で再帰的分析を実行し、ツリーを分割できなくなるまで繰り返し行います。このシステムを用いたExcel活用法としては、Microsoft Exce2007用データマイニングアドインを使用して、ディシジョンツリーアルゴリズムにより算出された分析結果を管理し、データ検索、グループ化、ラベル変更などを行う事が可能となります。
意思決定や交渉における目標設定にディシジョンツリー分析は力を発揮します。特に分析力が試される分野の方は身につけておきたいスキルですね。ぜひ、試してみてはいかがでしょうか。
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