会社の組織再編を行う場合、再編前よりも効率よく仕事ができる組織を作り上げなくてはいけません。組織再編をした結果、以前よりも業務効率が悪化してしまったら多大な労力をかけてまで組織再編をした意味が無いことになってしまいます。今回は、社会人なら知っておきたい会社の組織再編について紹介します。
1. 組織再編の種類
組織再編の種類は大きく分けると6つの種類に分けられます。その6種類とは 吸収合併、 新設合併、 吸収分割、 新設分割、 株式交換、 株式移転の6つです。この6つに更に組織変更と事業譲渡を加えた8つを組織再編の種類とする場合もありますが、後者の二つは組織の性質そのものが変わってしまうため、組織組み換えをおもなものとする前者とは区別されて考えられます。
この6つはさらに 合併型、 分割型、 所有権変更型の3つに分類されます。この中でも株式交換と株式移転型は組織の所有権である株式移転を伴う組織再編であり、組織そのものの変更ではなく組織の所有者や資本関係が変更される組織再編となっています。
どの形で組織再編が行われる場合でも、その目的は事業の合理化にあります。わざわざ無駄なコストを増やすために組織再編を実行することはありませんが、感情的な対立や経営方針のずれがもとで組織再編が行われることもあります。
2. 合併型組織再編
合併型の組織再編は、文字通り複数の会社が合併する形で行われる会社再編となります。 新設合併は、 合併のために新たな会社組織を設立し、複数の会社が新会社に移行して合併する形で行われる組織再編です。全く新しい会社を立ち上げて合併が行われますから会社名は変更され、合併前の会社とは全く関係のない新会社として出発することになります。
吸収合併は、 ある一つの会社に吸収される形で他の会社が合流する合併です。合併する会社同士の規模に大きな差があったり会社のブランド価値が高い場合等に、その会社の存続を重視して吸収合併が行われます。吸収合併では吸収する側の会社はそのまま引き継がれますが、吸収される会社はその時点で消滅することになります。
3. 分割型組織再編
分割型の組織再編は、現在の会社をいくつかに分割する組織再編です。 吸収分割は、 文字通り既存の会社に分割される形で行われる組織再編です。会社の部門ごとに別々の会社に吸収される場合などが吸収分割に当たります。複合会社などが会社を整理する時などによく行われる組織再編となります。
新設分割は、 新たに新会社を起こして会社を分割する方法です。規模が大きくなり過ぎて経営効率が悪化した場合などに行われます。我々になじみ深い新設分割の実例が、国鉄からJRへの分割再編です。日本全国の鉄道路線を7つの新会社に分割して民営化した国鉄は、肥大化しすぎた鉄道事業の効率化を目指して行われた新設分割です。
組織再編にはいくつかの種類がありますが、どの方法を選択するかはその時の条件によって異なります。案外、身近な組織も再編していたりすることがあります。社会人としての常識として、組織再編について理解を深めていきたいところですね。
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