HOMEビジネス 【これは接待交際費なの?会議費なの?】曖昧になりがちな経費の区別をはっきりさせてみた

【これは接待交際費なの?会議費なの?】曖昧になりがちな経費の区別をはっきりさせてみた

hotaka

2018/04/02(最終更新日:2018/04/02)


このエントリーをはてなブックマークに追加

【これは接待交際費なの?会議費なの?】曖昧になりがちな経費の区別をはっきりさせてみた 1番目の画像
 取引先や営業先の人を接待する機会というのは、ビジネスマンであれば何度か経験があるでしょう。接待にかかった費用は経費で落とせるのかどうか、気になると思いますが、接待にかかった費用は接待交際費なのか、それとも福利厚生費なのか、はたまた会議費なのかも気になるのではないでしょうか。

 接待にかかった費用が、どの費用として該当するのか分からない…という人が多いと思うので、曖昧になりがちな接待交際費、福利厚生費、会議費の区別をはっきりさせてみました。

接待交際費と福利厚生費の違い

 まずは接待交際費と福利厚生費の違いについて見ていきましょう。

交際費等とは、原則として得意先や仕入先その他事業に関係のある者に対する接待、供応、慰安、贈答などの行為のために支出する費用をいいます。

 ただし、専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行などのために通常要する費用については交際費等から除かれ、福利厚生費などとされます。

出典:No.5261 交際費等と福利厚生費との区分 - 国税庁ホームページ

 この2つの違いは相手が社内の人間であるか、または社外の人間であるか、ということです。

 例えば、ベンチャー企業がオフィスを移転した際に社内で行うパーティーなどは交際費ではなく、福利厚生費として取り扱われます。

 この2つに関しては、そこまで難しく考えなくても良いでしょう。それ以上の混同しやすいのが接待交際費と会議費の違いです。次では、その違いについて見ていきます。

会議費とは何なのか?

【これは接待交際費なの?会議費なの?】曖昧になりがちな経費の区別をはっきりさせてみた 2番目の画像
 接待交際費と会議費の違いを説明する前に、まずは会議費とは何なのか、見ていきたいと思います。

会議費の概要

 会議費とは、取引先との商談など業務に関係する会議や打ち合わせを行う時にかかる費用であるとされています。

 また会議費は、「会議や商談が目的であること」「会議を行うのにふさわしい場所」「昼食程度の費用であること」が会議費として認められるための条件です。

会議費が適用される場所とは?

「通常会議を行う場所」ですが、貸し会議室、喫茶店などが想定されています。レストランなども含めてよいと考えられますが、酒食を提供する料理店は、グレーゾンなので注意が必要です。また、夜に営業をすることを前提としているスナック、バー、クラブなどは論外とされています。

出典: 会議費 - 123会社の経理・税金・財務~法人税・消費税・源泉所得税
 アルコールが提供されているか飲食店かどうかが、会議費として認められるかの境界線となっているそうなので、カフェ等であれば問題ないでしょう。

会議費として認められる範囲の金額とは?

会議費に該当するものであれば、その費用の額がたとえ1人当たり5,000円超であっても、その費用が通常要する費用として認められるものであれば、交際費等としては取り扱われません。

出典: 交際費と会議費の区分 - 接待交際費相談室
 5,000円以下のものは一般的に会議費として扱われ、5,000円を超える場合は接待交際費と扱われるのですが、会議費の要件を満たしていれば、5,000円を超えても会議のままだそうですね。意外と知らなかった人も多いのではないでしょうか?

5000円未満の飲食費を「会議費」として処理する際の注意点

(1)飲食のあった年月日
(2)飲食費の金額
(3)飲食店の名称及び所在
(4)飲食に参加した者の氏名・会社名
(5)飲食に参加した人数

出典: 交際費と会議費の違いを御存知ですか? - ライブドアブログ - Livedoor
 5,000円未満の食事を会議費として処理するためには、上記の5つの項目を領収書に記入しなければならないので、注意が必要です。

接待交際費と会議費の区別は「目的と内容」にある

 接待交際費と会議費の区別は、「目的と内容」にあるとされています。

会議に関連して、通常要する飲食費は会議費として、交際費に該当する。会議としての実態を備えていることがポイントである。会議としての実態を備えていることが後で説明できるように議事録などを残しておくといいだろう。

出典: 交際費の取扱いが税制改正で変わる!覆面税理士が詳しく解説 | 経理通信
 上記のように、一見接待交際費として処理できそうなものでも、会議の内容が妥当であったかどうかが分かる議事録があれば、会議費として処理することができます。

 この2つの違いは、とても曖昧ですが取引先や営業先の人と合った目的が「会議・打ち合わせ」であることを証明でき、金額もそこまで高くなり過ぎないこと。そうすれば、接待交際費ではなく、会議費として認めてもらえるでしょう。


「会議費」5つの条件を頭に入れておけば良いかもしれない

【これは接待交際費なの?会議費なの?】曖昧になりがちな経費の区別をはっきりさせてみた 3番目の画像

1. 場所の妥当性
2. 時間の妥当性
3. 人の妥当性
4. 内容の妥当性
5. 金額の妥当性

出典: 「接待交際費と混同しやすい経費について:会議費」:副所長:中野敏彦
 結局、よく分からなかった…という人は、会議費かどうかの判断基準とされる5つの条件だけを頭に入れておけば良いかもしれません。これを知っておくだけでも、だいぶ違うはずです。



 曖昧になってしまいがちな接待交際費、福利厚生費、会議費ですが調べてみると、目的や内容によって区別されているのですね。接待交際費に詳しくなったから、仕事で役に立つということは少ないでしょうが、接待を行う機会が多い営業マンは頭の片隅にでも入れておくと良いでしょう。

hatenaはてブ


この記事の関連キーワード