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【休日に仕事の電話がかかってきたら?】多くのビジネスマンがやっている対処法を教えます

U-NOTE編集部

2018/08/21(最終更新日:2020/05/15)


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月曜日から金曜日まで働き、待ちに待った休日——にも関わらず、仕事の電話がかかってきた経験がある人もいらっしゃるのではないでしょうか。

「仕事の電話だから出ないと……」と思いつつも、休日まで仕事の対応はできるだけ避けたいもの。では、休日にかかってくる仕事の電話はどのように対応したらいいのでしょうか。

本記事では、労働基準法もふまえたうえで、休日の電話対応を避けるための対処法を紹介します。

本記事の内容をざっくり説明
  • 休日の仕事対応は、法律として義務付けられていない
  • 休日の電話対応は、緊急の電話のみでOK
  • 休日の電話対応が多い場合は、上司に相談する

 

休日の仕事電話は対応するのは義務?

休日ぐらい上司の声を聞かずに休んでいたいですよね。「でも電話に出なかったら何言われるかわからないし……」と不安になる気持ちもわかります。

本当に休日の仕事の電話は出なくてはいけないのでしょうか?実際に見ていきましょう。

 

休日に仕事の電話対応をする義務はない

休日に仕事の電話をかける人の中には、「少しの電話なら、時間外・休日労働には当てはまらない」と考える人も少なからずいます。

しかし、労働基準法に休日とは、労働者が労働義務を負わない日とされています。

電話1本だったとしても、もちろん労働とみなされるため、休日に電話対応する義務は法律上ないといえるのです。

 

休日の電話・メッセージの対応を強要するのは労働基準法に違反する

労働基準法第37条1項を見てみましょう。

使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

引用:電子政府の労働窓口 労働基準法
 

このように、労働基準法からみても休日の労働は明確に違法です。

また、休日の電話に出ることを無理に要求することは、パワハラになる可能性があります。

2020年6月1日から職場におけるハラスメント防止対策が強化され、以下の通りです。

職場におけるパワーハラスメントとは、以下の3つの要素をすべて満たすものです。
① 優越的な関係を背景とした
② 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により
③ 就業環境を害すること(身体的若しくは精神的な苦痛を与えること)
※客観的に見て、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導
については、該当しません。

参考:厚生労働省 東京労働局
 

休日の電話やメッセージの対応は、法律違反になるだけでなく、強要した場合はパワーハラスメントにもあたる可能性があることを覚えておきましょう。

 

休日の仕事電話は無視してもいい?出ないための3つの対処法

休日は仕事の電話に出ないようにしていても、上司から電話に出るように指示される人もいらっしゃるでしょう。

無視したいけれど、電話に出ないと上司から送られてくる怒りのメッセージ……休日にかかってきた電話に対して、ビジネスパーソンはどのように対応しているのでしょうか。

 

1.1回目は電話に出ない

これまでに紹介したように休日に電話がかかってきたとしても、対応する義務はありません。そのため、電話がかかってきても1回目は電話に出ないことがおすすめです。

もし急用の場合はメッセージでも連絡が来るでしょうし、再度電話がかかってくるでしょう。

いつも1回目の電話を受けていると「休日でも電話をすれば対応してもらえる」と思われてしまいます。休日の電話は基本受けないためにも、1回目の電話にすぐ出ることは避けるといいでしょう。

 

複数回かかってくる仕事電話は緊急の連絡の可能性が高い

休日の電話はなるべく出ないように……といっても、何度もかかってきた電話を無視し続けると、後々大変な事態に陥ってしまうことも。

複数回、電話がかかってくる場合は急を要する用件であると考えられます。

休日であっても対応をしたほうがいい場合もあるため、休日の電話は基本無視しつつも、複数回かかってきた場合は要件を伺うといいでしょう。

 

2.退社後は会社用携帯の電源を落とす

ビジネスパーソンの中には、個人の携帯ではなく、会社支給の携帯を持ち歩いている人もいるでしょう。

休日、会社用の携帯に電話がかかってくることに悩んでる方は「携帯電話の電源を切りたい……」と思いながらも、「もしかしたら重要な電話がかかってくるかも」と電源をつけたままにしていることが多いものです。

営業時間が過ぎたら基本的に顧客対応は終了と考え、普段から退社後には社用携帯の電源を落とすようにしておくことがおすすめです。

 

休日の仕事電話に対応することに「手当」を要求する

会社から携帯を支給されているビジネスパーソンで、休日も社用携帯の対応を要求された場合は、「待機手当、もしくは何らかの金銭の支払い」を要求することも一案です。

私も似たようなことがありました。休日の電話対応に対して、「待機手当など、なんらかの金銭を払って欲しい」と要求したら、その出費が惜しいのか、休日の電話対応は無しになりました。

ちなみに、同様な仕事をやっていた上司も平日、「定時を過ぎた。今日の営業(顧客対応)は終わり!」と言って、会社支給の携帯のパワーを落としていましたね。

出典: [Q&A] 休日に仕事の電話が鳴る・・・ 【OKWave】
 

法律的にも、業務時間外で仕事の電話に出る義務はありません。休日の電話対応の手当を上層部に要求するのは、至極正当な交渉といえます。

金曜日の仕事が終わったら、会社支給の携帯は電源を切ってしまうのも一つの手。電話がかかってくると気になりますが、電源を落としていると気づくこともありません。余計な気遣いをせずに済みますよ。

もし休日に電話がつながらないことに嫌な顔をする上司がいる場合は、上述したように手当の交渉をしてみるのも検討してみてはいかがでしょうか。

 

3.折り返し電話をかけるのではなく、メールを出す

電話がかかってきたことを知ると、要件が気になってしまう方も多いでしょう。

もし、電話に出なかった場合、緊急の内容であれば直後にメッセージで要件が伝えられるケースがほとんど。そのため、電話があってしばらくしてもメッセージがない場合は、急用ではないと考えられます。

折り返し電話をかけると「対応する時間がある」と思われてしまいますし、断りにくくなってしまうことも。折り返し電話をかけるのではなく、メールで要件を尋ねることがおすすめです。

 

休日の仕事電話に対するメールの書き方

では、休日に電話がかかってきた場合、要件を尋ねるためにはどのように連絡したらいいのでしょうか。以下のテンプレートを参考にしてみてください。

<【例文】休日の仕事電話へのメールの書き方>
お疲れ様です。

先ほどはお電話を頂きましたのに、出ることができずに申し訳ありませんでした。
あいにく現在電話に出られない状況です。
どういったご用件でしょうか?

 

<【例文】休日の仕事電話へのメールの書き方>
◎お疲れ様です。

先ほどはお電話を頂きましたのに、出ることができずに申し訳ありませんでした。
あいにく現在電話に出られない状況ですので、後ほど折り返しお電話させてください。

どうぞよろしくお願いします。

 

休日の電話が多いのはどの職業?

実は、休日に電話が多い職業はある程度限定されるもの。事前に知っておくと、その仕事を避けたり、心構えができたりするかもしれません。

では実際に休日の電話が多い仕事は、どのようなものがあるのでしょうか。

 

休日にお客様からの電話がかかってくることが多い「営業」「サービス業」

休日に仕事の電話がかかってくることに嘆いているビジネスパーソンの職業を見てみると、営業職やアパレルやコンビニなどのサービス業が圧倒的に多いことが特徴です。

特に営業や、サービス業のマネージャー職の場合、自分が取引をしている企業や責任者を務める店が、自分の休日にも営業していることが多いでしょう。

そのため、営業やサービス業の仕事に携わっている人は、休日に電話がかかってくることも念頭においておくことがおすすめです。

とはいえ、営業やサービス業の場合は休日にも電話対応が必須というわけではありません。休日にかかってくる電話に悩み過ぎてしまう前に、会社側で改善できないか交渉してみましょう。

仕事の電話が原因で精神的に病んでしまったり、体を壊してしまったりしては元も子もありません。もし、交渉しても休日の電話が鳴り止まない場合や、仕事の電話に怯えながら休日を過ごしているのであれば、転職を考えるのも一案です。

労働基準監督署に違法行為の是正申告を行ったり、弁護士に相談したりするなどの方法もあります。自分にとっての最適な方法を選んで適切な対処をしてください。

 

世界と比較すると恐ろしい? 日本の労働環境

仕事が残っていても「休む」ことを優先させるドイツ、休める環境づくりを最優先にするデンマークなどは、そもそも休日に仕事の電話がかかってくることがないようです。

ドイツでは仮にビジネス関係の電話がかかってきたとしても、休暇中は対応する必要はないとのこと。

ドイツでは多くの人々が少なくとも2週間の休暇を取る。しかも、休暇中は会社のメールを見たり電話に出たりする必要は一切ない。

出典:残業がほとんどないのに、生産性の高い働き方 - 『ドイツ人はなぜ、1年に150日休んでも仕事が回るのか』

一方で、日本は休日だったとしても仕事の電話をしてしまうこともあるもの。海外の企業と仕事をする際には、時差のことも考慮して、相手の休日の時間帯には連絡しないようにすることがマナーです。

 

休日の電話対応が頻繁に発生した場合は会社に相談しよう

本記事のまとめ
  • 休日の電話対応は法律上対応する義務はない
  • 1回目の電話には出ないようにする
  • 要件が気になる場合はメッセージを送る

休日に仕事の電話がかかってくることに悩まされる方は、「法律上対応をする義務はない」ことを念頭におき、1回目の電話で対応しないようにしましょう。

急用の場合は、メッセージでも要件を伝えられたり、電話が再度かかってくるはず。どうしても対応が必要なときのみ対応するだけでも十分です。

休日の電話があまりにも多い場合には、上司や労働基準監督署に相談し、どうしても改善されない場合は転職も検討してみることが一案です。

本記事を参考に、休日の電話対応をできるだけしなくてもよい環境を作っていきましょう。

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