ビジネスを進める中で、「返事の催促をしなければならない」シーンが出てきます。ある案件について判断や答えを求めた相手から、いつまでたっても返事がこない場合、返事を催促しなければならないでしょう。ビジネスなのですから、催促するのは当然のことです。
しかし、そこは人間関係。催促の仕方を誤ると、相手は不快感を抱いてしまい、その後の仕事や人間関係に悪い影響を及ぼしかねません。では、どのような返事の催促の仕方をすればいいか。催促する相手が社内の人のケースと、社外の人のケースに分けて説明していきます。
社内の人に返事の催促をするケース
部下や後輩なら、特に気を使う必要はありません。「あの件、どうなってる?そろそろ返事をもらわないと困るから」と伝えればいいでしょう。しかし、相手が上司や先輩の場合は、気づかいをする必要があります。
上司にいきなり「課長、あの件はどうなりましたか?ご返事をいただかないと、仕事が前に進みません」と催促してしまうと、上司の怒りを買うことに繋がりかねません。熟慮のために返事が遅れていることもありますし、また、上司がその案件のことを忘れていた場合、上司を焦らすことにもなってしまうでしょう。
おすすめの方法は、まず、他の話をして、その話が終了した後に、「そういえば、あの件については、いかがでしょうか。そろそろご返事を頂ければと思うのですが…」という催促の仕方です。「そういえば」と、思い出したようにその案件の話を持ち出すのがポイント。もし相手が忘れていても、「ああ、悪い。忘れてた」とにこやかに応じてくれるでしょう。
社外の人に返事の催促をするケース
返事の催促をするのが取引先など社外の人の場合は、さらに気づかいが必要です。催促の方法としては、電話、手紙、メールの3つがあります。一番良いのは、電話で直接話す方法。というのも、電話で話すと「ニュアンス」を表現しやすく、こちらの気づかい、心配りが伝わりやすくなるからです。
その場合も、いきなり「あの件はどうなりました?」と切り出すのではなく、「お忙しいところ、こちらの都合でこういったことを申し上げるのは、大変心苦しいのですが…」という前置きをした上で、「○○につきまして、ご返事をいただくわけにはいきませんでしょうか?」と、あくまでもへりくだった話し方をしましょう。「こちらの都合で勝手を言って、本当に申し訳ありません」という気持ちを、言葉で表現するのです。
手紙やメールの場合はきちんとしたビジネスレターの形式を守り、「時下ますますご清祥の御事と…」と書き出し、「さて、こちらの都合で大変勝手とは存じますが、○○につきまして、そろそろご返事を頂きたく、ご連絡させていただきました」というように、謙譲の意を表した言葉選びを心がけましょう。その謙譲の意を一番伝えやすいツールが電話、ということなのです。
「角を立てない」のが、上手な返事の催促のやり方。催促する際は、事前に話の段取りを頭の中で作ってから、話を持ちかけるようにするといいでしょう。
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう