物事には何事も表と裏があります。言葉についても同じで、同じことを表現するにも否定的な言葉と肯定的な言葉があります。意図的に肯定的な言葉を使うようにすることで、職場にメリットももたらすことができるのです。
職場にほどよい緊張感をもたらす
例えば部下が失敗したときに「なんでこんな失敗をしたんだ!バカもの!」というような否定的な言葉を使うと、言われた本人が萎縮するだけではなく周囲も緊張します。仕事に適度な緊張感は必要かもしれませんが、ビクビク上司の顔色を覗うような緊張感は仕事に対して何のプラスにもなりません。
しかし「次に失敗しないようにする方法を考えよう」というような肯定的な言葉を使えば、失敗した部下は後ろ向きな後悔ではなく、前向きな気持ちで上司の言葉に耳を傾けられます。職場にもいやな緊張感は漂いません。上司に対する無駄な緊張がなくなれば、それぞれが自分の仕事に集中できます。
心に余裕ができる
何かのプロジェクトの期限が迫っているときに「もう期限が少ないのに何やってるんだ!」という否定的な言葉を浴びせればその場に焦りを生みます。しかし、「期限までに○○だけ時間があるからがんばろう!」という肯定的な言葉をかければ、焦らず落ち着いて作業ができます。
同じことをするのでも、焦ってするのと落ち着いてするのでは効率がまったく違ってきます。大きなプロジェクトに挑むときに、「社運がかかったプロジェクトだから失敗は許されない」と言うよりも「大きなチャンスを得たから成功できるように協力しよう」と肯定的な言葉で言ったほうが心に余裕ができます。
職場全体をポジティブにできる
例えば金曜日。「明日休みだというのに、なにやってるんだ!休みたかったら残業して終わらせろ!」と言うと明日から休みなのに残業のことを考えてネガティブな雰囲気を生み出してしまいます。
それを「今日しっかり仕事を終わらせて、明日から楽しく休もう!」と肯定的な言葉に変えれば、たとえ残業が必要になっても休みのためにがんばろうというポジティブな雰囲気を生み出すことができます。
仮に会社の業績が落ちているときでも「このままでは業績が落ちる一方だ」と言うのではなく「業績は落ちたけれど、これからまたがんばっていこう」と言ったほうが前向きです。
職場がネガティブになったら最悪耐え切れない社員が続々と離職することにもなりかねません。職場はポジティブであったほうが雰囲気に流されてうまく回るものです。
やってはいけないこと
とはいえ、肯定的な言葉にも使いようというものがあります。やってはいけないのは「根拠無きポジティブ」です。上記の例で言えば失敗した部下に対して「もう失敗することはないだろう」と根拠なく言って改善策を提示しなければまた同じ失敗が起こります。
大きなプロジェクトに挑むときに、根拠なく「大丈夫できるできる」と言っているだけではプロジェクトの成功はおぼつきません。「業績は悪くなったけど、そのうち上向きになるさ」では職場はポジティブというより緩んだ雰囲気になってしまいます。このように、無責任にただ「肯定的っぽい」言葉を使うのは否定的な言葉を使うよりデメリットとなりますので、肯定的な言葉を有効に使うには、あくまで現実と照らし合わせながら考えましょう。
以上が肯定的な言葉を使用するメリットになります。ただ最後に書いたとおり根拠のない言葉を使ってしまうと逆効果を生んでしまいます。肯定的な言葉を使うときは注意して使いましょう。
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