わかりにくい複雑な話を上手に相手に伝えたいときに効果的なのが、たとえ話です。たとえ話を効果的に使用することで理解しづらい内容でも身近に考えることが可能になり、よりスムーズに理解してもらうことが期待できます。たとえ話を上手に行うためには、どのようなコツを押さえればよいのでしょうか。今回は、ビジネストークがうまくいくたとえ話をするためのコツを紹介します。
1.相手の身近なものでたとえる
たとえ話は相手に理解してもらうために使うテクニックですから、相手の立場に立ってふさわしいたとえをしなくてはいけません。相手が興味を持っているものに上手にたとえれば話の食いつきが良くなりますし、関心事に例えればより理解しやすくなるでしょう。
中年男性にたとえ話をするときは、野球にたとえるのが効果的です。野球に興味のある人にとっては、野球でたとえてもらうのが一番理解しやすい話し方になります。野球に興味のある人はある年齢以上の男性に限ればかなりの人数になりますから、上手に野球にたとえましょう。
反対に、女性相手に話すときに野球にたとえても、そもそも野球の知識が無いわけですからよけい混乱を招いてしまいます。流行のドラマやファッション業界事情などを利用してたとえ話ができれば、一気に理解してもらうチャンスが生まれます。もっと平易で一般的な事情にたとえるのも効果的な方法です。
国際関係を近所づきあいに例えるのはよくみられるたとえ話ですし、大きな規模のビジネスを小規模なたとえ話で話すことでより理解しやすくなることもあります。最初から何にたとえるのかを決めておかずに、相手に合わせてふさわしいたとえ話をするのがスムーズな理解を得るためのコツになります。
2.共通点を見つける
たとえ話を成立させるためには、たとえるものとたとえられるものに共通点があるのが理想的です。似た者同士を利用してたとえ話をするのは基本であり、知識のないものを知識のあるものに例えればより直感的に理解できるようになります。
共通点がイメージしやすい物であればあるほど理解しやすくなりますから、最も目立つ共通点を見つけて上手にたとえるのがコツです。ある業界を他の業界に例えて話をする場合、まったく共通点が無ければそもそもたとえ話として成立しません。共通点をフックにして話を広げていくことで、たとえ話の導入部を見つけやすくなり、相手を強く引き込むようなたとえ話ができます。
3.有名な人や物でたとえる
「千駄ヶ谷のアランドロン」「和声ジェームスディーン」「埼玉のイチロー」等のように、有名人を利用して人物を例えれば、その人がどんな人物なのかを直感的にイメージできるようになり、複雑な説明をしなくても一発で理解することができます。人物以外の場合でも、皆が知識としてもっている物を利用すれば、複雑な内容をシンプルに解説できます。
飛行機の形状を説明する場合「前方が大きめの曲線で後部に行くにつれてだんだん細くなり最後尾はやや大きい…」と長々と説明するよりも「クジラのような」とたとえ話で説明したほうが、聞く人も簡単にイメージできるでしょう。
たとえ話を活用すれば、アウトプットのすべてを自分で行う必要が無くなり、それぞれの頭の中にある知識をイメージのデータベースとして活用することができるのです。
たとえ話が上手にできる人は、説明上手で相手に好感をもたれます。コツさえ覚えれば、たとえ話は難しいものではありません。相手に伝わる話し方を身に着けるためにも、たとえ話を習得していきましょう。
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう