就職面接の自己PRを「行動力」にする人は多いでしょう。行動力のない人よりも行動力のある人を採用したい、と企業は当然考えます。ですから、アピールポイントとしては有効です。
しかし、実際には「行動力」を履き違えて面接でアピールしてしまうケースも少なくありません。面接で「行動力」をどのように自己PRすればいいか、説明します。
ピントがボケやすい「行動力」
「私は行動力には自信があります」と、自己PRする人の中には、「話を聞いてみたら、行動力とは直接関係のないことだった」というケースがよくあります。
たとえば、「アルバイト先で、売り上げを伸ばすために、このようなアイデアを考え、チーフに提案しました。チーフとの話し合い、それを実現できました。すると、実際に売り上げが伸びたのです」と説明したとしましょう。それは「アイデアの提案力」のアピールであって、行動力のアピールにはなっていません。
あるいは、「部活動でリーダーを務めました。有言実行をモットーに、チームをまとめ、大会準優勝という実績をあげることができました」と説明すれば、リーダーシップの自己PRになってしまいます。「私は行動力には自信があります」と言いながらその説明をしたのでは、「ピンボケ」の印象は否めません。「この人は、行動力の意味がよくわかっていない」と面接官は判断するでしょう。
行動力は「速やかに行動に移すことができる能力」
行動力は文字通り「行動する能力」です。「頭の中で考えていることを、適時決断して、速やかに行動に移すことができる能力」、これが行動力です。注意しなければばらないのは、「よく考えないで、とにかく行動してしまう人」は「行動力がある」とは言わないこと。しっかり考え、きっちり決断し、行動する。この3つが揃って初めて「行動力がある」と言えるのです。
以上、「ピンボケにならないこと」と「ほんとうの行動力」を認識した上で、面接の自己PRをするようにしましょう。例を1つ紹介しておきます。この例は、「少し意外な行動力のアピール」になっています。変化球ではありますが、「これも行動力の自己PR方法の1つ」と考えて、読んでみてください。
例文
「私は行動力があると自負しております。私は友人から『引っ越しエージェント』と呼ばれることがあります。と言いますのも、これまで数多くの友人知人、さらにはそのまた友人の引っ越しを手伝ってきたからです。手伝って、と言うより、私が手配した引越ばかりなのです。大学に入ったとき、最初の引っ越しを経験し、『これはおもしろい』と思いました。その時もほとんど自分一人で手配しました。
そして、引っ越し業者との折衝、役所の手続きなど、1つ1つを自分で行う楽しさ、充足感を実感したのです。自分で考え、自分で決断し、そして行動する。その『行動する楽しさ』に魅せられた私は、友人の引越しでも、不動産屋回りからつきあって、『小さな引っ越しプロジェクト』をたびたび成功させてきたのです」
これは、「考察、決断、行動」の3つのポイントを押さえれば「引っ越し」でも行動力を自己PRできる、という例です。これを参考に、自分では行動力をアピールしているつもりなのに、面接官には違ったイメージが伝わっていた…という事態を防いで下さい。
以上、面接で行動力をきちんとアピールする方法を紹介してきました。意外と多くの人がアピールしたがる「行動力」ですが、安易に「行動力」をアピールするとかえってマイナスの評価になってしまうかもしれません。きちんと相手に伝わるよう、ここで紹介したことを参考に、自己PRの内容を練って下さい。
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