質の高い仕事をするためには客観視することが重要ですが、中には全く客観視できない人も存在します。客観視できない人は、自分のこだわりや思い込みを基準にして仕事をしてしまうため、必ずしも顧客の望むものを提供することができず、仕事の成果も上がってこないでしょう。
客観視できない人とは、一体どのようなタイプの人なのでしょうか。今回は、仕事において客観視できない人に共通する特徴について解説します。
こだわりが強い
仕事に責任や自覚を持つことは大変重要ですが、あまりにも仕事に対するこだわりが強い人は自分の仕事の進め方に強い思い入れを持ってしまうため、仕事において客観視できない人になってしまうのです。
一種の職人気質のタイプは客観視を苦手としており、自分の理想とする仕事を実現することに情熱を傾けてしまいます。そのこだわりが、仕事の質や成果に結びつくようなものであれば良いのですが、客観視すればどうでもいいようなことにも、こだわりを見せる人が存在するのです。
新人に仕事の指導をするときにも、このタイプの人は自分のやり方を押し付けようとします。線は定規でまっすぐ引け、メモはボールペンでとれなど、本来自由なはずのものにまで自分のやり方を押し付けようとするので、客観視できないことのしわ寄せが周囲に来てしまい、迷惑してしまいます。
このタイプの人には、いくら客観視の重要性を説いても効果は期待できません。このタイプの人にとって、理想の仕事とは自分のこだわりや思い入れを具現化するものであり、顧客や周囲の気持ちは本質的に仕事の対象にはならないのです。
このタイプの人に客観視の意識を持たせるためには、尊敬する人物の存在をうまく利用しましょう。職人的な上下関係に強いこだわりを持っていますから、無関係の人間の言葉には耳を貸さなくても尊敬する人物の言葉には素直に従います。師匠と崇める人から客観視について説かれれば、必ずその言葉に従うでしょう。
勝ち負けにこだわる
仕事を一種の勝負事と考えて、あらゆる場面で勝ち負けにこだわるような人は、仕事において客観視ができない人です。このタイプの人は、仕事の成果や出来栄えを何よりも重視するので、本来は客観視が得意なタイプです。
自分の好みやこだわりよりも結果を重視して仕事をしますから、顧客満足度を高めて成果を上げるような仕事ぶりを発揮してくれます。しかし、勝ち負けにこだわるあまり、上手に負けるということができません。仕事は必ずうまくいくとは限りませんし、時には負けることが将来の利益につながることもあるのです。
目先の損失が将来的な利益につながる場合、客観視ができなればただの敗北になってしまいます。客観視できない人は、目の前にある敗北に強い拒否反応を示すあまり、将来的な利益を客観視することができなくなってしまうのです。
このタイプの人に客観視の意識を持たせるためには、常に仕事の最終目標を意識させておくことが有効です。直近の損失に目を奪われないように仕事を大きな枠組みで捉えれば、局所的な勝ち負けにこだわらず、全体の成功を客観視して仕事ができるようになるでしょう。
客観視できない人は仕事への意識が希薄なのではなく、仕事に思い入れがあるがゆえに客観視できないのです。その人のことを理解することが、客観視という意識を持たせる結果に繋がります。
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