マネジメントスタッフにとって、部下を指導することは大切な仕事の一つです。特に、仕事について改善させるべきことがある場合は、必ず指導しなければなりませんし、指導方法をよく考えなければなりません。ここでは、その指導方法について、3つのステップで行う工夫を紹介します。
「どうして改善する必要があるのか」を具体的に説明する
話を分かりやすくするために、「タスク管理が苦手な部下に対する指導方法」を例にしましょう。よくないのは、「君はタスク管理が下手で、だから仕事のミスが人より多いのだ。改善しなさい」と叱ること。これでは指導になっていません。
まずは、「何を改善すべきなのか、どうして改善するのか」を、部下に説明するところから始める、これが指導方法の最初の工夫です。例に則して言えば、「タスク管理ができていない現状」をまず指摘し、認識させます。
次に、「タスク管理を怠ることによって生じる弊害」を、できるだけ具体的に説明しましょう。タスク管理ができていないと、仕事の効率が悪くなる、こういうミスが生じやすくなる、という説明をするのです。
そして、「改善されるとこれだけのメリットが生まれる」という話をし、それを部下に納得させる。改善はそこからスタートします。
どうやったら改善できるかを考えさせる
指導方法の工夫の2つ目は、改善策を自分で考えさせることです。最初から「こうすると改善できる」という答えを示すのではなく、まずは自分で考えさせる。そのことによって、部下はより真剣に「タスク管理の仕方」について考察するようになるのです。
部下が考えた改善方法を、たたき台にしてアドバイスしましょう。「ここはこうした方がいい」「このやり方を加えた方がより効果がある」といったアドバイスです。部下は自分で作った改善プランなのですから、真剣にアドバイスを聞くはずです。
「やらせてみせる」→「やってみせる」という指導方法
そのようにして、改善策が決まったら、部下に実際にそれを実行させましょう。最初からなかなか上手くいかないかもしれません。部下が苦戦しているようなら、そこで初めて、自分でやってみせるのです。
「タスク管理」の例に戻れば、自分が行っているタスク管理の方法を教えるのです。「このような手帳を使ってこのように管理しておけば、複数の仕事を同時に行っても、頭の中は混乱しない」ということを、自分を例に教えるという指導方法です。
最初からそうしておけば、手っ取り早く感じるかもしれません。しかし、それでは部下はただ、上司のやり方をそのままなぞるだけ。決して身につきません。自分で考えさせ、苦労させた後に、上司が最後に「自分のやり方」を示すのが、指導の際の大きな工夫、有効な方法なのです。
上記のような指導方法は時間がかかります。しかし、一度時間をかけて教え、身につけさせてしまえば、他の改善点が生じた場合に、速やかに改善できるでしょう。「急がば回れ」の意識をもって、指導方法を工夫することをおすすめします。
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