「遠慮」というのは日本人の美徳であり、遠慮がちな性格と言うのは決してマイナスの属性ではありません。ですから、プライベートなシーンでは「好人物」という評価を得ることも珍しくないでしょう。
しかし、仕事においては、遠慮がちな性格は多くの場合、マイナスに作用してしまいます。ここでは、遠慮がちな人が意識を変え、行動を改革する方法を説明しましょう。
「過度な配慮は無用」という意識
遠慮がちな性格の人は仕事に関して意見や質問、提案があったとしても、なかなかそれを口にすることができません。それはなぜか。性格上、つい、過度な配慮をしてしまうからです。
例えば、上司に報告しなければならないことがあっても、「今、上司は忙しそうに仕事をしている。こんなタイミングで声をかけるのは失礼だ」と上司に配慮し、報告を先延ばしにする。その結果、タイミングを逃がして報告そのものをパスしてしまう。このようなケースが多いのではないでしょうか。
あるいは、チームやセクションで進めている仕事について、「ここはこうした方がいいのではないか」という意見や提案を持っていても、「こんな提案をすると、仕事のやり方を変えなくてはならなくなってしまう。他のスタッフに迷惑がかかるかもしれない」と考え、意見の発表を躊躇してしまうのです。
こうした例をあげて考えてみると、その遠慮や躊躇がいかに「無用」なことであるかわかるでしょう。仕事は、「より良い成果を上げること」を目標に進められるもの。遠慮して報告をやめてしまったり、意見や提案を発表しなかったことは、その目標達成のために、マイナスにしか作用しないのです。
そのことを客観的にしっかり認識しましょう。そして、「自分はいつも、他の人に対して、過度な配慮をしてしまう。しかし、それは無用な配慮であり、仕事にはマイナスにしかならない」という意識を持つ。その意識が、あなたの行動を変えてくれるのです。
小さなところから、行動改革を進める
そうした意識を持った上で、実際の行動を変える努力、工夫をしてみましょう。
小さなところ、簡単にできそうなことから始めるのがコツです。やはり「報告、連絡、相談」が一番簡単に実行できるのではないでしょうか。これまで上司に配慮して躊躇していた報告や連絡を、余計なことは考えず、まず実行してみましょう。
上司は決して、「何で報告するんだ」と叱ることはありません。上司の反応を見れば、「報告してよかった」と感じられるはず。小さいけれど、これは確かな成功体験になります。そしてそれが、「自信」につながるのです。
そうしたきっかけさえ掴めれば、あとは少しずつそれを積み重ねていけば、それが「身についた行動パターン」になることでしょう。
人間の性格はなかなか変更、改革できないものです。ですから、遠慮がちな性格はそのままにして、小さな行動改革から始めることを、おすすめします。
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