部下が使える人材に育たないというのは、いつの時代でも会社が抱えている悩みの一つではないでしょうか。部下の育て方は時代によって様々な方法がありますが、テキスト通りの指導方法で、うまく部下が育てられるというものでもありません。
では逆に、どのような指導方法をとると部下は育たないものなのでしょうか。部下を育てるつもりで行っているのに効果が表れない、残念な指導方法について紹介します。
失敗の原因を考えさせる
部下に一通り仕事を教えた後で、「自分でやってみろ」というケースはよくあるでしょう。熱心にメモを取り、返事もしっかりしているのに、部下はミスをしてしまう。そのときに「なぜ失敗したのか、自分で考えろ」と言ってしまうことはないでしょうか。
冷静に考えればどこでミスをしたのか気が付くはず、気が付けば次からは失敗しないはず、そう思っての指導かもしれませんが、部下としては何がいけなくて失敗したのか分かっていない場合が多いのです。
分かっていないから、同じミスを繰り返す可能性もあります。そうすると次からは萎縮してしまい、ミスを隠す方向に心理が働くかもしれません。仕事を覚えて応用させる方向ではなく、仕事をしないことでミスをしない方向に行ってしまう可能性もあります。
「言わなくてもわかるだろう」というのは仕事を知っている人の思い込みであり、何もわからない状態の人に行うべき指導方法ではありません。どこでミスをしたのか、一緒にきちんと検討し、教える必要があるのです。
厳しく接する
上司は部下に厳しく接するものだ、という雰囲気の会社は少なくないでしょう。これも体育会系の空気に慣れている人間であれば、馴染めるかもしれませんが、そうでない場合は部下の精神状態を追いつめることになりかねません。
仕事のやり方だけではなく、コツといったものも教えず、やる気や根性だけで問題を乗り越えるよう指導したり、大小どんなミスでも人前でそれを注意したりすることは部下本人にとって気持ちのいいものではありません。ですから、この指導方法で効果が上がるかといえば必ずしも「YES」とは言えないでしょう。
また、上司として部下に威厳を見せるために仕事以外の話をしない、という姿勢も部下とのコミュニケーションが十分に取れているとは言いにくく、信頼関係は築けていません。信頼できない人から、あれこれ指図されても部下は素直に受け入れてはくれないでしょう。
部下に一通り仕事は教えたから、これくらいは知っていて当たり前だから、と問題を丸投げし、部下本人に解決方法を探らせることは指導方法としては正しくありません。自分で考えてこそ意味がある、という考えは部下を育てる際に陥りがちな悪い例です。
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