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「課題」と「問題」の意味の違いとは?解決のためのアプローチ方法

U-NOTE編集部

2018/09/03(最終更新日:2024/06/30)


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ビジネスシーンでは「課題」「問題」といった言葉が使われますが、両者に違いはあるのでしょうか。

本記事では「課題」と「問題」の意味や使い分けについて徹底解説。両者の言葉の意味の違いを理解したうえで、仕事を解決するためのアプローチ方法をご紹介します。

本記事の内容をざっくり説明
  • 「課題」と「問題」の意味
  • ビジネスシーンにおける「問題」の定義
  • 「課題」と「問題」の違いを具体例をもとにチェック
  • 問題を解決するためのアプローチ方法

 

課題解決をするために知っておきたい「問題」の意味

ビジネスシーンにおける「問題」とは、どのような意味を持つのでしょうか。

まずは、課題解決の前に知っておきたい「問題」の意味や定義を解説します。

 

仕事における「問題」とは?

ビジネスシーンにおける「問題」とは、現在起こっている観測可能な事実を指します。「観測可能」と聞くと難しく感じますが、マイナスの影響を与えうる要素と捉えるとわかりやすいでしょう。

<仕事における「問題」例>

  • 社員のケアレスミスが多い
  • パソコンやサーバーの故障や停止が頻繫に生じる
  • 商品開発が進まず、停滞している
  • 社員の士気が低く、社内の雰囲気が悪い
  • 特定の職種の内製化が進んでおらず、コストがかかる

 

「問題」として認識することが仕事における前提条件

ご紹介したように、ビジネスシーンにおける「問題」は、現時点で会社側にマイナスの影響をもたらす事実そのものを指します。問題を解決するためには目標達成やトラブル解決の手立てを考えなければなりません。

会社全体として成長するためには、社員や会社が抱えている「問題」を認識することが仕事と向き合う前提条件となるのです。

仕事における「問題」とは
  • 「問題」は現時点で生じている会社や社員にマイナスな影響を与える事実のこと(=観測可能な客観的事実)
  • 仕事と向き合うためには、「問題」を認識したうえで解決策を検討する

 

「課題」とは問題解決への取り組み

前述したように、ビジネスシーンでは観測可能な客観的事実を「問題」といいます。では、ビジネスシーンにおける「課題」とは、どのような意味を持つのでしょうか。

次は、仕事上の「課題」の意味や「問題と課題の違い」を解説します。

 

「問題」を解決するための「課題」

「問題」は、現状が理想的な状態ではないことの原因そのものです。ビジネスシーンでは問題を解決することによって、理想的な状態となり、仕事や業績が改善されていきます。

「課題」とは、「問題」を解決するための理想と現状とのギャップのこと。「どのような点を改善すれば理想に近付けるのか」と考えていくうちに、具体的な課題を見つけられるのです。

 

「問題」と「課題」の違い

同じ意味を持つ言葉のように思えますが、ビジネスシーンでは「問題」と「課題」は使い分けが必要です。

「問題」は現状が理想的な状態ではないことの要因を指す言葉ですが、「課題」はその理想的な状態と現状とのギャップを埋めるための取り組みを指しています。

「問題」は原因そのもの、「課題」は原因を改善するための取り組み

前述したように、ビジネスシーンでの「問題」は原因自体を指す言葉、「課題」は問題を改善するための取り組みのこと。問題の発見と課題の解決こそが仕事の本質なのです。

誤った使い方をしないように、「問題=客観的事実」「課題=具体的に行う行動や目標設定」と認識しておきましょう。

ビジネスシーンでの「課題」と「問題」
  • 「問題」は会社に悪い影響を与える原因
  • 「課題」は、悪影響を及ぼす原因を改善するための取り組み

 

「問題」と「課題」を使い分ける必要性

「問題」と「課題」は混同して使われることも多いですが、それぞれの意味を把握して使い分けることが大切です。

混同して使用することで、問題と課題の垣根がわからなくなり、課題解決の方向性がずれてしまう可能性があります。

言葉の意味を正しく使い分けることで、適切に問題を分析できるようになり、課題を考えやすくなります。問題と課題の意味のすり合わせをチーム全体で行うことで、問題と課題との意味の違いが明らかになり、よりスムーズに対策を思考できるようになるでしょう。

 

「問題」と「課題」を使い分け方

「問題」と「課題」の使い分け方は一度理解すれば、難しいものではありません。

問題とは、現在生じているマイナスな影響を与える事実であり、課題とは問題を解決する取り組みを指します。

具体例をチェックし、自分の中で違いを落とし込んでみましょう。

「問題」と「課題」を使い分け方
  • 問題:誤字脱字がある書類を取引先に提出してしまった
  • 課題:書類を提出する際のマニュアル作成を行う

「問題」と「課題」の具体例

ビジネスでは、会社やチーム、クライアントが抱えている「問題」を解決することによって、現状と理想とのギャップが埋まり目標達成が叶います。ビジネススキル向上のためにも、問題と課題の具体例をチェックしたうえで問題解決のプロセスをイメージしてみましょう。

<具体例>
たとえば、会社のサーバーシステムが頻繫に故障するという「問題」が生じた場合、問題視するだけでは当然解決には繋がりません。「なぜ故障が頻発するのか」「故障が発生しないようには、どこを改善すべきか」など、故障が発生しないような改善策こそが「課題」に当たるのです。

つまり、サーバーシステムの故障原因が誤った操作によるものであれば「操作ミスを防止すること」、システム自体の不具合であれば「システム再構築を実施すること」が課題となります。

 

「問題」「課題」を解決するためのアプローチ方法

ビジネススキル向上のためには、自分自身が抱えている「問題」を把握し、自ら解決する能力を身に付けていかなければなりません。

最後に、問題を課題にアップデートして解決するまでのアプローチ方法を解説します。できるビジネスパーソンになるためにも、問題を解決するフローを確認していきましょう。

 

STEP1.何が問題なのかを把握する

まずは、会社やプロジェクトの抱えている問題点を把握していきましょう。問題を把握するためには、ひとつの視点からの問題提起を確認するだけでは不十分です。様々な視点に立って考え、時には他部署や立場の異なるポジションの意見を集めていきましょう。

問題点を洗い出すときには、可視化しやすいように箇条書きやロジックツリーなどを活用するのがおすすめです。

 

STEP2.問題を客観的に分析し、課題を検討する

問題点が明確になったら、次にピックアップされた「問題」を客観的に分析しましょう。

<問題点の分析例>
問題:会社のサーバーシステムが頻繫に故障する
分析1:システムが止まってしまうと、作業が停滞してしまう
分析2:操作ミスは見られず、システム自体の不具合だと推測される
分析3:クライアントや顧客からの問い合わせに対応できない
分析4:不具合解消のために、都度コストがかかってしまう

なぜそれが「問題」として挙げられたのかを多方面から分析したうえで、解決に繋がる糸口を探していくことが重要。課題を明確にするために、理想と現実の状態を比較してギャップを明示していきましょう。

 

STEP3.対策を行う

「課題」を設定したら、次に具体的な対策を行いましょう。

実施可能な対策をひとつひとつ試していると、会社や社員にとって大きな負担がかかり、結果的に問題解決までに長い時間がかかってしまうこともしばしば。具体的な対策を行う前に、得られる成果・かかるコスト・成果が出るまでの期間などを細かくイメージしておくことが重要です。

コストは少なくても、大きな成果が得られる対策から順に行っていきましょう。

 

STEP4.対策の結果を検証する

実施した対策の成果を確認するためにも、「結果の検証」を行いましょう。

問題解決へのアプローチは、課題を設定することがゴールではありません。当初推測していた成果や目標が達成できているのか確認するためにも、結果を検証する時間を設けましょう。

効果的に検証するためには、ゴールの前に目標を定量的に示した「KPI」を細かく設定しておくのがおすすめです。目標を数値で見える化することで、進捗が一目瞭然になり、目標達成ための新たな対策を設定するためにも役立ちます。

 

STEP5.解決できなかったものについて理由を検討し、新しい対策を行う

ビジネスシーンでは、問題解決に向けて対策を行ったからといって必ずしも解決に繋がるとは限りません。実践した課題では成果がでない場合には、新しい対策を行いましょう。

<問題解決までのアプローチ例>
STEP1(問題):新しいレストランをオープンしたが、客が増えない
STEP2(分析):知名度が低い
STEP3(課題):新聞広告の打ち出しとクーポンの発行
STEP4(検証):来客数は予想の3割ほどしか伸びなかった、新規来店でもクーポンを使用するユーザーが少なかった
STEP5(対策):クーポンの内容を変更

ここまで紹介した、プランを立て、対策を行い、結果を検証し、次のアクションを行うことは「PDCA」とも呼ばれます。

 

問題や課題を解決するために知っておきたいフレームワーク

問題や課題を解決するために知っておきたいフレームワークを覚えておくと、問題の発見・課題解決に役立ちます。

フレームワークには、

  • PDCAサイクル
  • ロジックツリー
  • SWOT分析
  • 3C
  • 4P

などが一般的に使用されます。

PDCAサイクルとは、Plan・Do・Check・Actionの頭文字をとったマネジメントサイクル理論のことをいいます。計画を考え、実行し、目標達成度などを確認し、問題点の改善を行うことをPDCAと呼び、何度も繰り返すことで、より優れた事業に繋がると考えられています。

他のフレームワークについて勉強をしたい人は「MECE(ミーシー)とは?やり方や具体例、フレームワーク、注意点などを紹介」を参考にしてくださいね。

 

問題に気づき、課題解決できるためのスキルをつけよう

本記事のまとめ
  • 「問題」は、マイナスな影響を与える事実のこと
  • 「課題」は、悪影響を及ぼす問題を改善するための取り組みや目標
  • 理想と現実のギャップを埋める行為が「課題」となる
  • 「問題提起→問題を分析→課題の設定→結果を検証」を繰り返しながら、問題解決に繋がる対策をみつける

 

本記事でご紹介したように、ビジネスシーンでは「問題」と「課題」は別の意味で用いられています。明確になった悪影響を及ぼす問題点や要因を解決するために、課題が必要になるのです。

課題を把握した後は、PDCAを回しながら、課題解決を行います。

ビジネスパーソンとして成長していくために、「問題に気付く力」と「課題解決のための力」を身に付けていきましょう。

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