企業経営において人材は必要不可欠な要素の一つです。もし必要なだけの人材が確保できない場合、企業は経営に必要な労働力が不足することになり、十分な生産活動ができなくなってしまうでしょう。
人材不足は経営の悪化に直結する問題ですから、人材不足に陥ってしまった時には早急に対策をとる必要があります。今回は、会社における人材不足を補うための施策例について解説します。
1. 賃金の引き上げ
経済学的に最もスタンダードな人材不足の解決法が、支払賃金の引き上げです。労働力市場において労働者が自由な選択を実現している場合、労働者はより賃金の高い会社で働こうと考えるため、賃金の引き上げは人材不足を解消する最も効果的な手段になるでしょう。
賃金の引き上げには、人材コストが増加するという欠点がありますが、施策の実施自体にはコストがかからず、すぐにでも実行できる方法となっています。
ただし、賃金の引き上げが有効なのは人材の流動性が十分に確保されているような状態に市場がある時のみに限られるため、労働慣行の問題などで人材の流動性が低い場合にはたとえ賃金を引き上げたとしても、人材不足の解消にはあまり効果を発揮しません。
また、高い賃金によって確保した人材はより高い賃金の会社に転職してしまう可能性も高くなります。単に賃金を上げるだけではなく、職場環境や待遇の改善とセットにしなければ継続的な雇用には繋がらないことに注意してください。
2. 女性の登用
現在、労働力市場においてもっとの活用が遅れているのが、女性の人材です。結婚や出産などで退職してしまった女性が働きやすいような職場環境を提供すれば、休職中の人材を再び現役復帰させることができ、新たな労働力として人材不足の解消に効果を発揮するでしょう。女性の社会復帰を支援するためには、企業側の様々な取り組みが求められます。
託児所の設置や時短勤務などの育児サポート、業務研修や資格取得支援などの能力開発、フレックスタイム制や有給取得の促進などの職場環境改善などが挙げられるでしょう。このように、様々な方向からの取り組みを実施することで女性が働きやすい職場が実現し、安心して働きたいと考えているような女性の登用が可能になります。
人材不足の状態を解消するには、魅力的な職場環境や待遇を提供することで新たな人材を確保するか、少ない人数も仕事ができるような状態を実現するしか方法はないでしょう。
どちらの方法を選択するにしても、今いる人材を軽視しているようでは時間が経つと、また人材不足に陥るのは必至です。人を大事にするような経営が、長期的な安定につながっていくのではないでしょうか。
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