仕事の実力を測るために重要な要素が推理力です。未知のことに対してどれだけ推理力を働かせることができるかが、仕事のできる人とできない人の分かれ目にるのです。採用面接において潜在的な推理力を計るのは難しい作業ですが、質問を工夫することでより推理力を引き出すことが可能です。ここでは、採用面接で推理力を測定するための問題事例について紹介していきます。
フェルミ推定
グーグルの入社試験問題に使われたことで注目を集めたのが、フェルミ推定です。フェルミ推定とは、実際に確認したり調査したりするのが難しい量的な問題に対して論理的な推論で回答を求める問題です。
フェルミ推定の中でも有名な問題が「アメリカのシカゴには何人のピアノの調律師がいるか」という問題です。この問題は実際にシカゴにいるピアノの調律師の数を調査させることが目的ではなく、現在入手可能な情報からどのようにして問題の回答を導き出すのかという過程を見るための質問です。
必要な情報を推理する能力と、情報を論理的に組み合わせて回答を導く能力が無ければフェルミ推定を解くことは不可能です。フェルミ推定を採用面接の問題として出題することでその人の論理力や推理力を知ることが可能になります。
ストーリー性のある質問
ストーリー性のある質問をすることで質問に対する具体的なイメージがわき、推理力を活用しやすくなります。「100人の乗客が乗っている沈没船に積んである救命ボートの定員が20人だった場合、どのようにして救命ボートに乗船する人を決定するのか」という問題は、沈没する船と助かる人という絶対的なストーリーを提示することでより強いイメージを持つことが可能になり、その人の本質的な考え方や推理力に触れることのできる問題です。
このような問題に関しては、正解というものが存在しません。その人がどのような価値観を持ちどのような考え方をしているのかを知ることが採用面接の目的ですから、必ずしも正解のある質問だけが有効だとは限りません。
重要なのはどのような基準で回答を考え、どれだけ正確に意思を伝えられるかということです。一見荒唐無稽な回答であっても、そこに推理力や論理性があるような回答ならば、採用する価値のある人物ということになります。問題だけで推理力を向上させるのは難しくても、推理力を知るためのきっかけとしては十分機能しますね。
推理力を測定するのに大切なのは、問題に対してどのような答えを出すかということではなくどのように答えにたどり着いたのかというプロセスです。その人の推理力に触れることができるような問題を活用して、採用面接を有意義なものにして下さいね。
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう