フェルミ推定とは、調査困難な膨大な量に対し幾つかの手掛かりを基に推理し概算する事を言い、科学的な思考能力を養成するための方法論として活用されています。フェルミ推定の名は、原子力の父として知られノーベル物理学賞受賞者であるエンリコ・フェルミがその種の問題をよく提示した事が由来であり、具体的な理論や定理があるわけではなくあくまで発想の柔軟さを試すものであります。
インターネットからどんな情報でも引き出せる現代だからこそ求められるのが、膨大な情報を正しく選択し付加価値をつけていく思考力であり、フェルミ推定による思考方法を理解しておくと、自分の「考える力」を鍛え、ひらめきを生むためのツールの一つとして活かせると思います。ですので、今回はフェルミ推定を学ぶための本をいくつか紹介していきたいと思います。
1.地頭力を鍛える問題解決に活かす「フェルミ推定」
細谷功著、東洋経済新報社より出版。この本は、外資系コンサルティング会社でコンサルティングディレクターをしている著者が雑誌に寄稿した内容が大きな反響を呼び全面的に書き下ろしたもので、自分で考える能力を「地頭力」と名付け、フェルミ推定を活用し思考能力を鍛えていこうという内容の一冊です。フェルミ推定による考え方を紹介しながら、それを生かした思考方法について書かれています。
Amazon.co.jp: 地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」: 細谷 功: 本
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2.サイエンス脳のためのフェルミ推定力養成ドリル
ローレンス・ワインシュタイン著、日経BP社より出版。この本では、フェルミ推定の問題を集めたパズル本であり、エネルギーや化学、天文等を題材にした問題から問題の解き方や大きな数の扱い方についての解説が書かれています。このドリルにある問題を解いていく事で、フェルミ推定とはどのような思考方法であるのか、どのように物事を捉えどのように複数のものの見方が出来るのか、といった事が分かってくる一冊です。
Amazon.co.jp: サイエンス脳のための フェルミ推定力養成ドリル: ローレンス・ワインシュタイン, ジョン・A・アダム, 山下 優子, 生田 りえ子: 本
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3.現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノートー「6パターン・5ステップ」でどんな問題もスラスラ解ける!
東大ケーススタディ研究会著。この本では、1000以上のフェルミ推定問題を解いてトップ外資系企業に内定した東大生達が、フェルミ推定のパターン及び解答ステップをまとめてわかりやすく説明している一冊で、もっとも難易度の高い「解答のとっかかり」を体系化し誰にでも気軽にフェルミ推定問題に取り組めるように内容が工夫されています。フェルミ推定問題を解いたことのない人にはお勧めの一冊です。
Amazon.co.jp: 現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート――「6パターン・5ステップ」でどんな難問もスラスラ解ける!: 東大ケーススタディ研究会: 本
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4.数学脳で考えるフェルミ推定的日常生活のすすめ
グレアム・タタソール著、武田ランダムハウスジャパンより出版。この本では、フェルミ推定による思考力を中心に、日常の出来事ですぐには解答出来ない数学的問題を面白おかしく解説しています。例えば、「ハエ何匹で車一台を動かせるのか」、「人間の脳とパソコンはどちらが高性能なのか?」、「1都市にピアノ調律師は一体何人いるの?」といったような問題です。日常の風景を題材に取り入れる事でフェルミ推定が身近に感じ理解しやすい一冊です。
Amazon.co.jp: 数学脳で考える フェルミ推定的日常生活のすすめ: グレアム タタソール, 竹林 卓(監訳), さかい なおみ: 本
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以上4冊の本を紹介しましたが、大切なのはただフェミル推定の定義を丸暗記するのではなく、フェミル推定で得られる思考力を普段の生活や仕事に活かしていくことです。ですので、紹介した本を元に自分なりの思考力を養成していってください。
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