進捗管理という言葉は、ビジネスにおけるプロジェクト管理の一手法として知られていますが、その詳しい内容まで理解している人は少数にとどまるでしょう。進捗管理の本質は、プロジェクト全体の進捗状況を管理することで作業効率を改善し、計画通りにプロジェクトが進むような体制を作り上げることになります。
進捗管理に求められることは、一体どのようなことなのでしょうか。今回は、進捗管理を行う上で見落としてはいけない注意点について解説します。
タスクを分割する
進捗管理を行う際は、プロジェクト全体をいくつかのタスクに分割し、それぞれのタスクごとの進捗状況を管理することになります。この時、適切な形でタスク分割が行われていなければ、進捗状況の把握が曖昧なものになってしまい、適正な進捗管理を実行できなくなってしまうでしょう。
一つのタスクの大きさが大きすぎてしまうと、細かい工程を把握することができず、効率の最適化に問題が発生してしまいます。適正な大きさにタスクを分割して管理することで、それぞれのタスクについての業務改善が実行可能となり、より適正な形でプロジェクトを進行させることができるでしょう。
また、タスクを細分化すればするほど、個々の進捗状況の管理はわかりやすいものになります。完成までに10の工程が必要なタスクの場合、進捗状況は十段階で表されることになりますが、そのタスクを10個に分割して管理すれば、個々のタスクの進捗状況は「完了/未完了」という2つの状態で管理可能になるでしょう。すると、どのタスクで進捗状況に遅れが出たとしても問題の早期発見ができます。
曖昧な報告に注意
進捗管理を分担して行う場合、それぞれの担当者の報告を統括して全体の進捗管理を行います。この時、寄せられる個々のタスクの進捗状況の報告が曖昧なものだった場合、全体の進捗管理に支障をきたしてしまいます。「進捗状況80%」という報告があった場合、事前に基準を明確にしていなければ、その報告内容の解釈において報告者と統括責任者の間で齟齬が生まれてしまうのです。
自動車100台組み立てる作業の進捗管理で 「進捗状況80%」という報告があるとします。この「進捗状況80%」というのは、100台のうち80台の組み立てが完了したのか、それとも100台すべての完成度が80%に達したのか、両方の意味が考えられるでしょう。
前者の内容の報告であれば、完成済みの自動車から順に出荷することで全体の進捗状況を早めることができますが、後者の内容の報告であった場合はまだ1台も完成していないのですから、作業が終了するまでは次の肯定に進むことができません。
進捗率というのは、常に報告内容に曖昧な部分が含まれている可能性があります。トラブルを防ぐ意味でも、報告の形式は事前に確認し、進捗状況についての意識の統一をしておくことが重要になるでしょう。
進捗管理は全体の管理に注目しすぎても、細部にばかりこだわりすぎても失敗してしまいます。全体の管理と個別の管理のバランスを考えることが、進捗管理の成功につながるでしょう。
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