競争戦略は、コストリーダーシップ、差別化および集中の三本の柱から成り立っています。それぞれの戦略について聞いたことはあるけれど、何が良くて、何が悪いのか分からない…という人も多いでしょう。ここでは、それぞれの戦略のメリット・デメリットを見ていきたいと思います。
1. コストリーダーシップ戦略のメリットとデメリット
コストリーダーシップとは、低価格で合理的な価値を提供する戦略のことです。企業が継続的に業務効率を向上させることが、この戦略のカギとなります。特に規模の経済を活用し、大量に買い付けることで原価を抑えることができるでしょう。コストリーダーシップ戦略のメリットは、低価格の製品を供給できることで、価格競争に強いことが挙げられます。
一方デメリットとしては、顧客の好みが変わることに鈍感になってしまい、多くの企業の競争の対象となってしまうことです。
2. 差別化戦略のメリットとデメリット
差別化戦略とは、他の誰よりも明らかに優れた製品やサービスを提供する戦略です。より速く、本当に顧客のメリットになる独自の製品やサービスを提供することで、他社との差別化を図ります。差別化戦略を有する企業は、他に無いものを提供することからプレミアム価格を設定することができます。
差別化戦略のメリットは、プレミアム価格を設定できる他に、顧客はその製品に忠義を図るようになり、その技術力で他社が参入するのに障壁を作ることができる点が挙げられるでしょう。これは、顧客が容易には代替品を得られない独自の製品、サービスに由来しています。
差別化戦略のデメリットは、顧客の視点からユニークな製品・サービスを供給し続けることの難しさや代替品が台頭してくることの脅威が挙げられるでしょう。競合他社がその製品やサービスを模倣し、競合となっていくことの脅威があります。
また、差別化戦略進めることは、独自の技術やブランドイメージを育てていく必要があるためコストがかかります。忠義が得られる強力なブランドイメージを確立するには、業種にもよりますが、何年もかかることでしょう。またその間も、消費者の嗜好が変化してしまう危険性に直面し続けます。また、その高いコストを相殺するに十分な顧客の需要が無い場合もあり、大きな損失につながる可能性があるのです。
3. 集中戦略のメリットとデメリット
集中戦略とは、ある特定の市場を真に理解し、製品・サービスをそこに集中する戦略です。多くの場合、大企業が入り込めていない小さなニッチ市場がその標的となります。
集中戦略のメリットは、顧客は製品・サービスを他からは得られないので、顧客の忠義が失われる脅威は少なく、売り手の力が強い状況にあることが挙げられるでしょう。デメリットとしては、変化や他社からの攻撃には弱いので、常にニッチ領域で活動する必要があることが考えられます。
以上、競争戦略として有名な3つの戦略のメリット・デメリットを見てきました。企業がどのような戦略をとるべきかは、それぞれ違いますが、戦略を打ち出していく前にまずはメリット・デメリットは理解しておくべきでしょう。
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