自分の所属する会社のことを言い表す場合「弊社」と「当社」という二つの言い方が思い浮かびます。実はこの二つは全く異なる用法で使われる言葉であり、場面によっても適切な使い方は異なります。
「弊社」と言うべき場面で「当社」といってしまっては言葉の使い方として、間違っていることになります。今回は「弊社」と「当社」の場面の適切な使い分けの例について解説します。
「弊社」と「当社」の違い
「弊社」と「当社」ともに同じ意味だと考えている人も多そうですが、この両者は全く異なる言葉です。社会人としては二つの言葉の違いに注意してきちんと使い分けをしたいものです。
「弊社」も「当社」も自分たちの会社を指す言葉として使われる言葉です。両者の大きな違いは敬意表現の違いです。「弊社」の方が「当社」よりもへりくだった表現となっています。
また「弊社」の方が「当社」よりもより丁寧な言い方になります。相手に敬意を払わなくてはいけない場面では「当社」ではなく「弊社」を使用したほうが適切な使い方となります。
「弊社」と「当社」の使い分け方
「弊社」と「当社」の違いが敬意表現にあることはわかりましたが、具体的にはどうやって使い分ければいいのでしょうか。日本のビジネスマナーでは、外部の相手に対してはへりくだった表現を用いて敬意を示すのが一般的なマナーです。
取引相手の企業や顧客とのやり取りの中で自社のことを指し示すときは、敬意表現である「弊社」を用いるのが適切な使用方法です。
それに対して「当社」は「弊社」よりも敬意が低くより日常的な言い方となっています。グループ企業とのやり取りや対等な立場での交渉の時は「当社」を用いるのが一般的です。
また、相手に対して強く出たいときも敬意表現を含まない「当社」を使うことが一般的です。クレームや講義の文書では、立場の違いに関わらずあえて敬意表現を含む「弊社」ではなくより強いニュアンスを含む「当社」を用いましょう。
「弊社」と「当社」は同じ意味なので使い分けの判断が難しい言葉です。ビジネスの中で使い分けの基準がわからないときは、とりあえず敬意表現を含んでいる「弊社」を使用しておきましょう。
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