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【弊社とは何なのか?】「弊社」の適切な使い方をシーン別にまとめてみた

Shingo Hirono

2014/05/24(最終更新日:2014/05/24)


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by ron ron
 自分の勤める会社について、様々な呼び方をビジネスシーンではします。当社、小社、自社、そして弊社。どれもビジネスシーン特有の呼び方ですので、社会人経験の浅い人には馴染みがないでしょう。

 しかし、実際には話し言葉でも文書でも、頻繁に使う言葉なのです。特に「弊社」は、どう使っていいのかわからない、と悩む人が多いと思います。ここでは「そもそも弊社とは?」を説明し、その使い方を話し言葉と文書に分けて話していきましょう。

弊社とは?

 弊社の「弊」の字は、日常で使う機会があまりないでしょう。中には「まったく使わない」という人もいるかもしれません。しかし、自分では使わなくても、日常会話やテレビなどで「弊害(へいがい)」という言葉は耳にしたことがあるはずです。

 「斬新なアイデアだけど、実行してみたら、こんな弊害があることがわかった」というように使われます。弊害は「害になること。悪いこと」の意味です。「弊」の字には「やぶれる、疲れる、よくない、悪い」といった意味があります。今、「疲弊」という言葉を思い出した人もいるでしょう。

 それでは「弊社」とは何でしょうか。日本人は自分のことをへりくだって表現するという意識の大変強い国民性を持っています。ですから、自分の会社に「弊」の字をつけることによって、謙遜して表現しているのです。別に「やぶれかけた会社です」とか「よくない会社です」と言っているのではありません。あくまでも謙譲表現で、あえて「弊」の字をつけていると理解すればいいでしょう。「弊社」とはつまり、自分の会社を謙遜した表現なのです。

話し言葉での「弊社」

 ですから、「弊社」は、相手が取引先など社外の人の場合に限って使われます。社内の人には絶対に使いません。上司や先輩に「弊社は働きやすい労働環境ですね」というようなことを言えば、100%笑われ、注意されます。社外の人に対して使う「弊社」ですが、特に話し言葉として使う場合は、TPOを選んだほうがいいでしょう。

 商談やプレゼンなどの正式な場では「弊社」を使います。しかし、取引先の人との飲食などのシーンでは「弊社」という表現は馴染みません。「わたしども」という表現で自分の会社を表したほうが自然でしょう。商談でも、「弊社」ばかりを繰り返すよりも、「わたくしども」という表現を併用するほうが、相手は聞きやすいはずです。

文書での「弊社」

 ビジネスレターで自分の会社を表現するときは、すべて「弊社」で統一すれば、不自然ではありません。弊社を使っておけば、文書では間違いないと考えていいでしょう。使い方のポイントは、文頭や行の最初に来ないようにすること。

 謙譲表現なのですから、行の始めに「弊社」が置かれるのは矛盾してしまいます。ですから、たとえば「弊社ではこの度、新商品を発売することとなりました」という文章なら、「さて、この度、弊社では…」という書き方をすれば、文頭や行の最初に「弊社」が来ることがなくなるわけです。


 企業人以外は使うことがなく、企業人にとっては毎日のように使う言葉が「弊社」です。くれぐれもまちがった使い方をしないよう、注意してください。

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