今回のテーマは、「数字に強い人がビジネスで重宝される理由」についてです。「数字に強い人であるならば、ビジネスで重宝される。」の対偶は、「ビジネスで重宝されない人であるならば、数字に強くはない。」です。これは、イメージ的に、多くの人が納得できるのではないでしょうか。
ビジネスと数字とは、非常に強く繋がっているのです。また、組織の中で、階層が上がれば、上がるほど、例えば、部長、本部長、役員、社長と、経営指標で評価される度合いが強くなりますので、数字が強くなければ、役職が務まらないとも言えます。数字が強い人がビジネスで重宝される理由について、紹介していきます。
1.形容詞では不十分であり数字が必要
例えば、A社の株主である個人投資家のBさんが、A社の株を買い増すか、株を売却するかの判断をおこなうとします。A社の株価が今後上がっていきそうか、下がりそうかの予測でBさんは判断するでしょう。
A社の株価が上がるか、下がるかは、株式市場の環境にもよりますが、A社の一株当たりの利益(EPS: Earning per Share)と高い相関があると考えられます。A社のEPSは、例えば、今期1000円で、来期は1200円が見込まれるとすると、株価は20%伸びていくと考えるのが投資家のコンセンサスとなることでしょう。
A社のC製品の売上が伸びていきそうなので、A社の株価が上がるというのとは、大違いです。このように、一方は数字で事象をとらえているのに対して、もう一方は大きいとか小さいというような形容詞で事象をとらえており、精緻に量的に把握し、対処するには、数字が必要なのです。投資家の例を出しましたが、会社内でも、ビジネスの現状をとらえたり、将来の事業計画を立案するにも、形容詞では不十分であり、数字が必要になります。
2.上位階層では経営指標で業績が評価される
一般社員から管理職へ。管理職の中でも、課長、部長、本部長、役員、社長と、組織の中の階層を上がっていくほど、売上、利益、キャッシュフローなど経営指標の数字により業績が評価されます。そのため、数字に強い人がビジネスで重宝されますし、数字に強くないと職務が務まりません。
数字に強いとは、売上、利益、キャッシュフロー、前年比の数値、来期予想などを量的に把握し、予測できることですので、数字が強いのと数学が強いのとは、あまり関係しません。逆に、数学に強いのが拙いということもありません。
数字に強いと言っても、量的にモノゴトを把握する力が強いということであり、数学は、使ったとしても四則演算の計算の類です。会社の業績を伸ばすとは、経営指標の数字を伸ばすこととイコールですので、数字に強い人がビジネスで重宝されることは必然とも言えます。
以上のように、数字に強いということはそれだけで武器になります。ですので、今まで数字関係はお手上げだった人は是非、これから経営で使う数字を読めるように、またそれを使っていけるようになっていきましょう。
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