ファシリテーターは「誰もが出来る」という人もいれば「効果的なファシリテーションを行うには専門的な勉強が必要だ」という人もいます。しかし今まで多くは、会議などでファシリテーターを務める人は、専門的な勉強はしてこなかった事でしょう。
というよりも、そもそもファシリテーターという呼び方もしてこなかったのではないでしょうか。ただ、最近になって注目され始めたファシリテーションを効果的に行い、ファシリテーターとしてのスキルを上げていくためには、独学でも構いませんのでそれなりの知識と努力が必要だと言われます。そこで、ファシリテーターとしてのスキルを上げるのに役に立つ本を紹介しましょう。
「ファシリテーション・グラフィック―議論を「見える化」する技法」
会議の場などで行われる話し合いは、基本的には口と口で行われるものです。記録者が議事録をとっているとしても、それはただの話された事に対する記録であって、話されている事柄をある方向性に向けて建設的に導いていけるようなものではありません。そのように導いていくには、何が必要なのでしょうか。
話し合いとは言ってみれば空中戦の様なものです。空中で戦わなければならないので、自分の立ち位置や方向も定まりにくく、また何がどこに浮かんでいってしまっているのかを掴みにくい特徴もあります。では、これを地上戦にかえる事が出来るとしたらどうでしょう。
もちろん、言葉通りの地上戦ではありませんが、話し合いを視覚化出来る様に、枠組みを拾い出して皆で共有し、その事を議論するようにすれば、枠組みの中での議論ですからフワフワと飛んでいってしまう事も少なくなります。
このようにするには、話し合いの中でのキーワードを抽出したり、または要約したりする技能、またグラフィックの描き方を工夫するなどのテクニックが必要です。この本は、それらのファシリテーターとしてのスキルを体系的に解説してあります。
入門書としても役立ちますが、ミーティングやワークショップなどを効果的に進行する必須スキルから始まり、会議の進行と記録を両立させるという高いテクニックが必要なスキルまで紹介されていますので、スキルアップにも役立つのです。また、実践に役立つ事例も多く紹介されているのも魅力的ですね。
Amazon.co.jp: ファシリテーション・グラフィック―議論を「見える化」する技法 (ファシリテーション・スキルズ): 堀 公俊, 加藤 彰: 本
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「ファシリテーター完全教本 最強のプロが教える理論・技術・実践のすべて」
この本は、ファシリテーションの入門書ではなく、基本的な理論や技術、そしてテクニックをある程度押さえている人が読まないと分かりにくい本と言えます。実際の現場で使えるスキルと理論を、著者の豊富な経験から導かれたコンセプトとして紹介し、ファシリテーターのスキルを一層高めるための本です。
ファシリテーションの基礎を「推察」と「介入」に分類し、これを効果的に使うために「9つのルール」を定め、これでもかっという程に解説しています。そして、グループのメンバーの心理や感情まで考察し、その事によって起こりうるミスを事前に防いでいく方法まで解説。まさに、ファシリテーションスキルを磨くためにうってつけの一冊と言えるでしょう。
Amazon.co.jp: ファシリテーター完全教本 最強のプロが教える理論・技術・実践のすべて: ロジャー・シュワーツ, 寺村 真美, 松浦 良高: 本
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以上2冊の本を紹介しましたが、大事なのは常にどのような仕事ができるか、自分の役割を把握し、スキルアップしていくことです。ですので、ファシリテーターとしてのスキルを磨き、会社の会議などでしっかりと役割をまっとうできるように、頑張っていきましょう。
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