マーケティング戦略立案において重要な役割を担うのが競合分析です。市場における競争相手であるライバル社の製品と自社製品との差異を分析することで、長所や短所を明確に認識できるのが競合分析のメリットですが、その分析作業をより効率よく行うことができるツールが存在します。
今回は、その競合分析を行う上で押さえておきたい基本的なツールを紹介します。
4P分析
4P分析は、Product(製品)、Price(価格)、Promotion(宣伝)、Place(立地、流通)というマーケティングにおいて特に重要な意味を持つの4つのPについて分析を行う分析ツールです。
自社製品と競争相手となる他社製品について4Pそれぞれについての情報を書き出し、項目ごとに比較分析することで製品の違いを明らかにし、優れている点と改善すべき点を明らかにすることができるツールです。
4P分析の優れている点は、この4P分析で出た分析結果をもとにしてさらにマーケティング戦略の立案ができる点にあります。この分析で対象となる4つのPは、マーケティングの基本となる要素です。製品を取り巻く環境の中でも最も基本となる情報についての分析が行えるので、広範囲のマーケティングの基礎資料として活用することが可能です。
4P分析で明らかになるのは、市場における優位性です。他社製品と比較した場合、自社製品のどこに優位性があるのか。それがわからなければマーケティング戦略を最適化することはできません。
4P分析では常にライバルとなる他社製品との比較によって分析が行われますから、ライバル製品との競争という明確かつ具体的な目的をもってマーケティング戦略を策定することが可能になります。
3C分析
3C分析とは、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3点について競合分析を行うツールです。市場における具体的な項目を競合分析する4P分析とは異なり、3C分析では市場そのものを取り巻く環境について競合分析を行います。
もう少しわかりやすく説明すると、4P分析の分析対象となる項目が自社が自由に設定できる項目であるのに対し、3C分析で分析対象となる項目は、自社の判断で自由に変更することのできない項目です。
3C分析では製品に関する外部環境を分析することになりますから、企業は3C分析の結果をもとにして経営課題の発見や経営戦略の方向性を見つけ出すことが可能になります。
3C分析の結果から導き出せるのは製品の販売戦略ではなく、現在の状況ではどのような製品がマッチしているのかという開発に関する情報です。そのため製品の開発段階で競合分析を行う時に適した競合分析ツールです。
競合分析に用いるツールは分析の方向性や項目を枠組みとして提示するためのものです。分析作業そのものを補助するものではないため、もし分析作業にミスがあれば、競合分析の結果は誤ったものになってしまうので注意が必要となります。
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