社会人になると、配属や昇格、異動などで辞令交付式を行うことがあります。辞令交付式では具体的に何をするのかわからない人もいるのではないでしょうか。
本記事では、辞令交付式の意味や、手順、知っておきたいマナーなどをご紹介します。辞令交付式での挨拶例文も紹介するので、挨拶を考えるときの参考にしてください。
辞令交付式とは?何をするの?
辞令交付式という言葉を初めて聞く新社会人も多いのではないでしょうか。以下では、事例の意味や、辞令交付式の具体例などをご紹介します。
そもそも辞令とは?類語との違いも解説
そもそも辞令とは、会社の決定事項を伝える文書のことをいいます。昇進や昇格、異動などの決定は会社独自の判断で行われるものであり、辞令交付式でその内容を告げられます。
辞令の類語に「内示」「発令」「任命」などがあります。それぞれの意味は以下の通りです。
- 内示:内々(本人やその上司)に辞令内容を伝えること
- 発令:辞令などを公に示すこと(内示の対義語)
- 任命:ある立場・役職に就くことを命じること
辞令交付式とは
辞令交付式とは、配属や異動を伝える際に行われるフォーマルな場のことをいいます。
会社によっては辞令交付式が簡略化され、口頭で人事異動や配属を伝えられることもあります。
新入社員の辞令交付式は入社式
新入社員の場合の辞令交付式は「入社式」であることがほとんどです。社会人になると誰しも一度は入社式を体験するもの。マナーや挨拶文などを押さえておき、安心して参加できるようにしておきましょう。
公務員の場合も出勤初日のケースが多い
公務員の場合「入社」ではないため、新卒であっても入社式とはいわず「辞令交付式」という名称を使用します。辞令交付式では、部長や団長などからじきじきに辞令を渡されることもあるため、緊張しないようにイメージトレーニングをしておくことをおすすめします。
辞令交付式で辞令を受け取る手順・流れ
辞令交付式で辞令を受け取る手順を把握しておくことで、当日に不要な失敗することを防げます。以下では、辞令交付式の流れや、受け取り方についてご紹介します。
辞令交付式の流れ
高校や大学の卒業式や入学式のように、辞令交付式は、開会の挨拶や社長からの話など、数時間にわたって行われます。
以下では、辞令交付式の流れの一例をご紹介します。
- 辞令交付式の開会の挨拶
- 会社代表(社長)の挨拶
- 来賓の挨拶
- 辞令交付
- 役員の挨拶
- 部長紹介
- 閉会の挨拶
辞令の受け取り方
辞令交付式では、複数人が順番に辞令を受け取ります。上座に立っている社長や上司の向かい側に立ち、辞令を厳かに受け取りましょう。
受け取る手順は、以下の通りです。
【辞令交付式】辞令を受け取る6ステップ
- 1. 名前を呼ばれたら「はい」とはっきり返事をする。椅子に座っている場合は、すぐに立ち上がり直立する
- 2. 発令者のところまで歩いて近寄る。発令者から3歩ほど手前のところで立ち止まり、深く一礼する。そのまま直立
- 3. 発令者による辞令読み上げを、「気をつけ」の姿勢で清聴する
- 4. 読み上げが終わり、辞令が差し出されたら2歩ほど前へ進む。まず左手を、次に右手を差し出し、辞令書を両手で受け取る
- 5. 深く一礼する
- 6. 発令者と向かいあったまま2歩ほど後退。回れ右をして、もとの自分の位置(座っていた場合は椅子)まで戻る
辞令交付式の知っておきたいマナー
辞令交付式では、以下のようなマナーに気をつけましょう。
- 名前を呼ばれたら大きな声で返事をする
- 指示をしてくれる司会に注意を傾ける
- 私語をしない
ビジネスパーソンとして基本的な内容ではありますが、今一度確認して辞令交付式に臨むようにしてください。
辞令交付式での挨拶例文
辞令交付式で挨拶を任されている人は、何をいうべきか頭を悩ますのではないでしょうか。
以下では、辞令交付式で使用できる挨拶の例文をご紹介します。
新入社員
新入社員が挨拶をするときは、自己紹介に加え、会社への感謝や意気込みなどを伝えます。
- 本年度入社いたしました、山田太郎と申します。新入社員を代表して、誠に僭越ながら、私から挨拶を述べさせていただきます。
本日は、新入社員のために盛大な辞令交付式を開いていただき、心より御礼申し上げます。ご縁があり採用していただき、この場に立っていることに感謝し、株式会社〇〇に貢献できるよう常に尽力していく所存でございます。
先ほどのXX社長のお話にもあったように、先輩方が守ってきた歴史や伝統を大切にし、株式会社〇〇の一員として胸をはって業務に取り組みたいと思っております。
これからご迷惑をおかけすることも多々あるかと存じますが、1日でも早く業務に慣れるためにも、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
公務員
公務員は国や自治体のために働き、社会貢献していく仕事です。具体的にどのように国や自治体に働きかけたいのかを伝えると、よい挨拶文をつくれます。
-
本年度入庁いたしました、山田太郎と申します。新規採用職員を代表して、恐縮ながら、私からご挨拶をさせていただきます。
私は〇〇県出身であり、地元である〇〇を暮らしやすい街にするために働けること、感慨深い気持ちでいっぱいです。県民のみなさまが笑顔でさらに幸せに暮らせる社会を目指して、全力で尽力をいたしますので、どうぞご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
以上で私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
辞令交付式での受け取り方を練習しておこう
本記事では辞令交付式でのマナーと受け取る手順を紹介しました。
新卒採用などで入った新入社員も、すでに経験済みの入社式という辞令交付式。今回紹介したような服装マナーを守り、姿勢に気をつけ、緊張感をもった表情で挑みましょう。
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