ビジネスマンにとって、人事異動は厄介な問題です。その人事異動が自分の希望に沿った前向きなものであれば喜ばしいですが、中には自分の希望に沿わない人事異動を言い渡されることもあるでしょう。
人事異動は、絶対に従わなければいけないものなのでしょうか。今回は、人事異動を拒否した場合に生じる問題点について解説します。
会社側に悪い印象をもたれる
やむを得ない事情がある場合は、人事異動を拒否することができるかもしれません。ただし、拒否の意向が採用された場合でも、会社側の指示に従わない問題人物として認識されてしまう危険性があることは覚えておきましょう。
あなたにとっては不本意な人事異動であっても、会社側には人事異動という判断を下した合理的な理由があるはずです。会社側にしてみれば、人事異動を拒否する社員というのは、業務改善を妨害しているに等しい厄介な存在ということになります。
もし人事異動を拒否した場合、会社側から聞き取り調査が行われることになるでしょう。その場で会社側を納得させられるような拒否理由を提示することができなければ、会社に反抗する社員として睨まれてしまうことになってしまいます。最悪の場合は懲戒処分の対象になってしまうこともあるので、もし人事異動を拒否するのであれば、それなりの覚悟を持っておくべきでしょう。
業務効率の悪化
もし社員が人事異動を拒否した場合、会社側の視点に立って考えればそれは経営戦略を妨げる行為に他なりません。経営者は、労働効率を最適化するために人材を配置しています。人事異動を実行することは、経験を積んだ社員を全く別の仕事に就かせるわけですから、会社側にとってもそれなりのリスクを伴う行為なのです。
それにも関わらず人事異動を実行するということは、その決定にそれなりの理由があるからに他なりません。会社は人事異動が最適な判断だと考えたからこそ、社員に対して移動命令を出しているのです。つまり人事異動の拒否は、会社の判断に異を唱える行動ということになります。
人事異動を拒否する社員が出た場合、その穴埋めをするために他の社員を異動させなければなりません。事前の計画と異なる人材配置をすることになるわけですから、当初の予定よりも業務効率が悪化してしまうことになるでしょう。
人間関係の悪化
仮に人事異動の拒否が認められたとしても、人事異動を計画した人間との関係悪化は避けられません。その人事異動案の提案者が直属の上司であった場合、上司から見れば人事異動の拒否によって管理能力に疑問をもたれた上に、メンツを潰されたことになってしまいます。
たとえ正当性のある理由で人事異動を拒否したとしても、その後の感情的なトラブルを防ぐことはできません。人事異動を拒否するのであれば、人間関係の悪化を覚悟しておくか、関係修復に最善を尽くして良好な関係を維持する必要があります。
もし人事異動の拒否が認められたとすれば、それは会社側が配慮してくれた証拠。その気遣いに報いるためにも、今まで以上に働いて成果を上げる必要があります。
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