今回のテーマは、「中小企業が人材育成を行う際に陥りがちな課題」についてです。中小企業は、大企業と異なり、採用の中心は不定期での中途採用です。また、新卒を採用しない企業が半数近くもあり、将来的にも中小企業の多くが、新卒採用することを考えていません。
中小企業では、果たして中途採用者の人材育成は上手くいっているのでしょうか?中途採用者の教育方法はOJTがメインとなります。しかし、中小企業の半数近くが「人材が育っていない」と考えているため、人材育成はあまり上手くいっていないと考えるのが現実的です。そこで今回は、中小企業が人材育成を行う際に陥りがちな課題について、紹介します。
1. 中小企業の人材育成の特徴
中途採用者が中心となる中小企業の人材育成は、大企業の新卒採用の人材育成と異なり、OJTが基本となります。一方、集合研修や自己学習による人材育成は、中小企業ではあまりありません。
OJTは、初心者が経験者から技の伝承を学ぶ教育方法で、非常に実務的であり、ラーニングカーブの立ち上がりの時間が早いというメリットがあります。しかし、その一方で経験者の実務のスキルおよび他者に伝えるスキルが優れていない人もいる場合、OJTの成果にバラツキがあるのが特徴です。
また、OJTでは体系的な知識を学ぶには適した方法ではなく、OJTを補完する集合研修などが必要になります。また、中小企業では、人員が足りないのが常態であり、業務以外の時間を割くことが困難であるため、人材の計画的な中長期のキャリアプランに基づく育成が困難になっています。社員の定着率も、中小企業は大企業よりも悪い数値となっており、組織としてスキルが共有され、伝承していくことが難しくなってしまっているのです。
2. 中小企業の人材育成を行う際に陥りがちな課題
中小企業では、人材が育っていないと考えている企業が半数近くもあります。中途採用者の教育をOJTで行っており、教育研修を重視していないわけではないのですが、人材育成が上手くいっていないという非常に拙い状況となっているのです。
大企業では、中小企業との比較において、OJTとOJT以外の集合研修とのセットで、実務的かつ、体系的に知識を学べるため、OJTの成果に限界がありません。しかし、中小企業はリソースにも限りがあるため、OJTなどの育成にも限界があり、それが人材育成を行う上での大きな課題となっているのです。
中小企業の人材の定着率は大企業よりも低いですが、定着率の低さの要因は、人材育成がうまくいかず、期待に対して低いパフォーマンスにとどまることも挙げられるでしょう。したがって、OJTの限界を認識して、対処することが課題解決につながると考えられます。
以上、中小企業が人材育成を行う際に陥りがちな課題について説明してきました。大企業に比べてリソースに限りのある中小企業は、頭を使って育成方法を考えていかねばなりません。最小限のコストで最大限の成果を得られるようにするためにも、日々頭を動かし続けましょう。
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