仕事をしていて自分の力が足りない、失敗してしまった、そんなときに心が折れそうになることは誰にでもあります。むしろ、そういう経験がない人の方が少ないといえるでしょう。でも、そこで本当に折れてしまうか、折れずに踏みとどまれるかでその後が変わっていきます。ここでは心が折れそうなときに、踏みとどまるための名言を紹介します。
1. 加藤嘉明
加藤嘉明は豊臣秀吉配下の武将で、信長の死後秀吉と柴田勝家が覇権を争った賤ヶ岳の合戦で功をあげ、「賤ヶ岳七本槍」の一人として称せられました。また、秀吉死後は家康について関が原の戦いでも活躍しています。その嘉明がこのような家訓を残しています。
「常に不巧者なりと思えば仕そこないなきものなり巧者ぶりを致せば必ず違うものなり」
大意は、いつも自分が巧者ではない、つまり未熟者であると思って真剣に事に当たれば失敗はない。巧者だと思って油断して行えば失敗する、となります。自分に技量が足りないために仕事がうまくいかず、心が折れそうというときは、自分はまだまだ未熟者なのだとすっぱり思い切り、自分の技量を超えることをやろうとせず、自分の技量でできることを精一杯真剣に行うのです。
2. トーマス・エジソン
発明王エジソンが、電球を光らせるためのフィラメントづくりに何度も失敗し、やっと京都の竹が最適であると発見して白熱電球を完成させたというエピソードはエジソンの成功に日本のものが役立ったとして有名です。しかし、エジソン自身は成功までの失敗を失敗とは思っていませんでした。
「わたしは今までに一度も失敗をしたことがない。 電球が光らないという発見を、今まで二万回したのだ。」
何かに失敗してしまって心が折れそうになることはあると思います。しかし、その失敗は二万回に達しているでしょうか?二万回の失敗をものともせず、成功のための発見の連続にすぎないと言い切ってしまえるマインド。人間は失敗して当然であり、最後に成功すればいいのだという思い切り。これこそがエジソンを発明王たらしめているところかもしれません。
3. リンカーン
「人民の、人民による、人民のための政治」という名言で知られるリンカーン。しかし彼は、次男・三男・四男を相次いで病気で亡くし、何度も選挙で落選を経験しました。そんな挫折続きの彼がこう言っています。
「成功とは、情熱を失わずに失敗を重ね続けることである」
やはりエジソンと同じで、リンカーンも失敗しても心が折れませんでした。失敗して心が折れそうになっても、そこで何とか踏みとどまり、失敗してもそこから何かを学び取って、最終的な成功を諦めるべきではありません。
4. 『菜根譚』
『菜根譚』は中国・明の時代の文人・洪自誠が著した儒教・仏教・道教の思想をまとめた書です。人生哲学の書として、日本でも武士や僧侶に愛読されました。そこにこういう一説があります。
「恩裏由来生害 故快意時須回頭 敗後或反成功 故払心処莫便放手」
何かの恩恵を受けているようなときには、そこから失敗が生まれることがある。だから得意なときは必ず振り返って自分を省みなさい。失敗した後にはそこから成功を得られるかもしれない。だから投げ出してしまいたいときも手を放してはいけない。というような意味です。中国人は、何事も表裏一体で、いいことがあればその裏には悪いことが潜み、悪いことがあっても、その裏にはいいことが待っていると考えます。
仕事が上手くいかず心が折れそうなときでも、そこで諦めてしまわず、ちょっと見方を変えれば、そこに成功のヒントが隠されているかもしれません。
以上、心が折れそうなときに、踏みとどまるための名言を紹介してきました。迷った時、心の羅針盤になるようなヒントは過去から学べるもの。未来ばかりに目を向けるのではなく、時には過去や歴史から人生のヒントを得てみるのも良いのではないでしょうか。
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