英語のビジネス文書をどう書いたらいいのか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
英語であっても日本語であっても、ビジネス文書は形式や書き方に特徴があるので、基本に沿って書けば誰でも作成できるようになります。
本記事ではビジネス文書を書く上で押さえておきたい基本、英語ビジネス文書を書く際の例文について紹介します。
- 英語のビジネス文書を書く上で押さえておきたい基本
- 英語ビジネス文書の書き方の例
- シーン別で使える「まごころ」の伝え方
- 英語のビジネス文書での注意点
英語のビジネス文書を書く上で押さえておきたい基本
ビジネス文書では、伝えたいことをわかりやすく明確に相手に伝えなければいけません。
曖昧な表現を避けること、起承転結といった作文を書く際の技法は避けること、初めの段落に文書で伝えたい内容の概要を書くこと、段落ごとにポイントを絞って書くこと、全体の流れが分かりやすいように文章を書くことなどの基本を押さえることが大事です。
つまり、 ビジネス文書を読んだ相手が概要をすぐに理解できるようにし、 段落ごとに内容を分ける事で、相手が必要とすべき内容や情報を取捨選択しやすいようにすることが大切です。
上記のポイントは、日本語・英語共に共通する内容です。
しかし、英語圏の人達は文章を書く際に段落を意識する事が徹底しているので、英語のビジネス文書を書く際には特に意識しながら作ってみるといいでしょう。
日本語のビジネスメールの基本的な形式
まずは、日本語のビジネスメールの基本的な形式から確認してみましょう。
- ①件名
- ②宛名
- ③挨拶
- ④要旨
- ⑤詳細
- ⑥結びの挨拶
- ⑦署名
形式に則ったうえで、丁寧で適切な敬語を使い、わかりやすく簡潔な文章で用件を書くのが日本語のビジネスメールにおけるマナーです。
とりわけ件名については、そのメールが何についてのメールであるかを読み手が一目で見てわかるように、簡潔かつ率直に書かなければなりません。
また、宛名や署名については、会社名・所属部署・役職を正確に記入することを忘れないように注意してください。
英語のビジネスメールの基本的な形式
英語でのビジネスメールは、基本的には以下の形式で書かれます。
- ①件名
- ②宛名
- ③用件
- ④結びの挨拶
- ⑤署名
日本語の場合との形式の違いは、冒頭に挨拶が不要なことです。英語でのビジネスメールにおいては、最初の段階からいきなり用件に入るほうが好ましいです。
宛名に関しても、会社名・部署名・役職などを書き込むことは不要で、“to/dear ◯◯(相手の名前)”程度で問題ないです。
しかし署名については日本語の場合と同じく、会社名・部署名・役職と同様に、自分の連絡先を記入する必要があります。
文章そのものに関しては、簡潔にわかりやすくという点では共通するものの、英語には敬語がないという点で大きな違いがあります。
しかし、英語においても単語や言い回しの違いによって丁寧さに差が生じるので、その点に関しては注意しながら書きましょう。
【構成別】 英語ビジネス文書の書き方例
次は、英語ビジネス文書の書き方の例をご紹介します。
具体例を参考に英語ビジネス文書を作成してください。
件名・書き出し
メールを受け取った相手が一番最初に目にする部分は「件名」です。内容を的確に表す件名をつける必要があります。
日本語の場合は「◯◯の件について」のような定型パターンがあります。
しかし、英語の場合は、スパムメールと間違われないように短く端的に件名を書くことに気をつけなければなりません。
例えば、第2回のミーティングの予定確認としたい場合は「Schedule confirmation for the second meeting」、ランチミーティングの招待の内容であれば「Invitation for the lunch meeting」と書きます。
基本的には「~for ~」 といった文章パターンはシンプルなため、初心者の方には使いやすいでしょう。
日付や曜日などを入れておくと、内容がよりわかりやすくなります。
また、緊急性のあるものや、重要な内容のため相手に特にしっかりと伝えたい場合は以下のように書きましょう。
- 「Important: room change for the interview」(重要:面接の部屋変更)
- 「Urgent: application deadline for customer service training」 (緊急:カスタマーサービス研修の申し込み期限)
英語のビジネス文書の基本構成
文書を送る相手が決まっている場合には、冒頭にDear Mr/Mrs/Ms (名前)と書き、誰に対する文書であるかを記載します。
不特定多数に対する文書であれば、例えばCompany health plan(会社の健康保険プランについて)といったタイトルを冒頭に書くと概要が分かりやすいでしょう。メール文書の場合にはタイトル部分に概要を記載します。
そして、最初の段落にまず伝えたい内容を書き、2つ目以降の段落からそれに関する説明書きを追加していきます。
- First of all(まず初めに)
- Secondaly(第2に)
- Finally(最後に)
- 追加:furthemoreやin addition(更に)
- 逆説:however(しかしながら)、yet(まだ~)、on the contrary(逆に)
- 比較:on the other hand(別の方法では)
- 要約:in shortやthat is(端的に言えば、つまり)
- 結果:thereforeやthus(それ故に、だから)
段落を変える際にはこういった接続詞を、段落の文頭に書き前後の段落とのつながりを作ると、読みやすく流れが理解しやすくなります。文書の最後の締めくくりは、Sincerely yours, Best regards, Regards, といった言葉の後に、文書の書き手の名前(例:Taro Suzuki)と職業や役職があれば(例:Corporate Director)職業や役職も記しましょう。
締めるときのポイント
件名や本文がしっかり書けていても、締めの言葉が適当だと、竜頭蛇尾になってしまい、もったいないメールになってしまいます。
最後に、英語メールの結び部分を、どう締めるかについて紹介します。特にビジネスメールでは、結びに関する一定のフォーマットがあるため、しっかりおさえておきましょう。
まずは、ビジネス上の関係にある相手に初めて送るメールにも使えるような、最もフォーマルなフレーズから紹介します。
メール本文で相手に何か依頼をした時や、単純に返信が欲しいという意思表示をしたいシーンは多いでしょう。そんな返信が必要な場合は、「お返事をお待ちしております。」という意味の「I am looking forward to hearing from you.」が使えます。
次に、実際に近々会う予定がある場合は、「お会いできるのを楽しみにしております。」という意味で「I am looking forward to seeing you soon.」というこのフレーズがおすすめです。またこれは、予定は無いけれども是非会いたい、という意思表示の表現としても使えるため便利です。
また、共通の知人や友人がいる場合に使えるのは、「~さんによろしくお伝えください」という意味の「Please give my best regards to ~」というフレーズがあります。ビジネスシーンでは人脈も大事なため、よく使われる表現です。
最後に、「ご自愛ください」という意味で「Please take care of yourself.」というフレーズがあります。これは最後に相手を気遣う表現として使え、目上の人に対しても、そして特に健康上問題なくとも使える万能フレーズなのでぜひ参考にしてください。
【シーン別】英語のビジネス文書での「まごころ」の伝え方
ビジネスメールにおける基本的な形式・マナーを紹介したところで、ビジネスメールの中に「まごころ」を込めることに関してご紹介します。
相手への誠実さや思いやり、謙遜心など、自分の「まごころ」を知ってもらうことで、ビジネス相手との信頼関係を構築することは、ビジネスマンとしての重要なスキルのひとつです。
「まごころ」をメールの中にも込められれば、ビジネスメールは連絡手段としてだけでなく、相手との信頼関係を構築するためのツールとしても非常に有効なものになるでしょう。
以下ではビジネスメールに「まごころを込める術」に着目しながら、場面ごとに分けて、ビジネスメールの書き方を紹介します。
お礼の場面
日本語でお礼のメールを書く際のまごころを伝えるポイントは、相手にしていただいたことを具体的に記すことです。「◯◯の件、ありがとうございました。」や「本日はありがとうございました。」と簡単に書くよりも、相手のどのような行動に対して感謝しているのかを具体的に示したほうが、感謝の意がより強く伝わるでしょう。
- ◯◯の件、非常に真摯な対応をしていただき、まことにありがとうございました。
- 本日はご多忙の中、遠方からご足労くださり、まことにありがとうございました。
英語で書く際のまごころを伝えるポイントは、「thank you」や「appreciate」という表現を使うことです。英語で感謝の念を伝える際には、「appreciate」を使用したほうが、「thank you」よりもへりくだった丁寧な表現として伝わります。
- I really appreciate your contribution.(ご貢献いただき、非常に感謝しています。)
- Thank you for 〜ing.(〜していただいてありがとうございます。)
お詫びの場面
次に、お詫びの場面について確認しましょう。
まごころを伝えるポイントは、こちら側の不手際を具体的に記すことです。問題点を正確に把握していることを示せば、より丁寧な謝罪となります。
また、今後の改善策についても言及することで、失敗に対して真摯に対応していることを伝えるのも重要です。
- ◯◯について、当方に発注数の確認のミスがありました。
- お詫びの言葉もございません。
- 今後二度とこのようなことがないよう、システムの改善に早急に取りかからせていただきます。
英語では、「I'm sorry」よりも「apologize」というかしこまった表現を使うことで、よりまごころを示せます。
- I apologize for my mistake.(私の間違いについて謝罪いたします。)
依頼の場面
依頼する際は、「お忙しいところ大変恐縮ですが」のように、相手方を気遣う表現を加えることで、こちら側の謙虚な姿勢を伝えれます。
また、「していただくことは可能でしょうか?」という伺いを立てるような表現を使えば、こちら側の一方的な都合による依頼をする際にもまごころある物腰柔らかな印象を与えれます。
- お忙しいところ大変恐縮ですが、◯◯の資料をお送りいただけますでしょうか。
- ◯◯していただくことは可能でしょうか?
英語では、単純な命令文で依頼を書いてしまうことは、威圧的で礼儀を欠いてしまうことに注意しましょう。
さらに、「Please」という言葉を文頭に置くだけでは少しフランクです。
相手に敬意を払った依頼のメールにするためには、上記のように疑問形で書いたりと、相手に「No」と言わせる余地を少しだけ残しましょう。
- Would/Could you please send it?(それを送っていただけますか?)
- I wonder if I could ask you to check it by Friday.(金曜日までにチェックをしていただけないでしょうか?)
それは失礼な表現?注意しておきたい英語のビジネス文書の落とし穴!
ネイティブではないからこそ、うっかりとやってしまいがちなミスを最後にいくつかチェックしておきましょう。
1つ目は、「Please」を使ってお願いをするというミスです。初めて英語を学んだ中学校の英語の授業を思い出すと、お願い事をする時には命令形の前に「Please」 を付ければいいと習った人は多いのではないでしょうか。
例えば職場の上司へ、メールの転送をお願いする際に、「Please forward the email to me.」を使うと、一般的には失礼に当たります。
本来「Pleas+命令形」は丁寧な言い回しではありますが、結果的には上司に向かって丁寧に命令しているのと変わりません。
日本語の場合「メールを転送して頂けますか?」というように伺いを立てると丁寧であるように、英語でも同じことが言えます。
お願いをする場合は「could you ~?」や「would you ~?」といった表現を使うと、より丁寧な伝え方になるため、おすすめです。
2つ目は、「what」や「who」を使って質問するというミスです。
話している相手の名前やメールアドレス、また電話番号などを聞きたい時に、「What’s your name?」「Who are you?」「What’s your phone number?」というように聞いてしまっていると、これはいきなり取引先やお客さんに対して、「あなたは誰?」「名前は何?」「電話番号は何番?」と少し失礼な聞き方をしていることになります。
日本語で考えれば、「お名前やご連絡先を伺ってもよろしいですか?」というような言い回しをするはずなので、英語でも同じように「Could I ~?」や、「May I ~?」「Can I ~?」という聞き方をするほうが丁寧です。
ただし、「May I ~?」はすごく堅い言い回しなので、基本あまり耳にすることはなく、場合によっては丁寧過ぎる表現になってしまうこともあるため注意が必要です。
3つ目は、「Yes」や「No」のみで答えるというミスです。
何かしらの質問をされた時、多くの日本人は「Yes」や「No」だけで返事をしてしまいがちなのだが、実は英語圏の家庭や学校においては「Yes・Noだけで答えるのはよくないこと」と厳しく躾を受けるほどの、コミュニケーションの基本です。ネイティブの人たちが注意しているポイントは、しっかり気を配りましょう。
英語でのビジネス文書の書き方をマスターしよう
- 英語のビジネスメールは簡潔に件名・宛先・要件・結びの挨拶・署名を書く
- 件名は、短く端的に文章全体を表す
- CouldやWouldを使ってより丁寧に伺う
ビジネスメールの基本的な形式・ルールと、まごころの込もった書き方を場面別に、日本語と英語に分けて紹介しました。
英語のビジネス文書では、簡潔にわかりやすく丁寧な表現を使って書くことが大切です。
接続詞を、段落の文頭に書き、文章の前後の繋がりをわかりやすくしたり、CouldやWouldを使って丁寧に気持ちを伝えたりするようにしましょう。
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