昨今日本でも、海外の企業を見習って積極的に成果主義を導入する動きが見られるようになってきました。もちろん成果主義にはメリットとデメリットがある訳ですが、実際に成果主義を導入した会社はどのような結果を生み出したのでしょうか。ここでは、成果主義を導入し、失敗の末路を辿ってしまった企業の例を紹介していきます。
成果はなにか?を定義し損ねた「富士通」
富士通は、成果主義を導入したことで失敗した会社として代表的なものの一つです。それは、富士通の失敗に関する書籍が出版されるほどでした。
富士通が成果主義を導入して失敗してしまった原因としては、そのシステムにありました。富士通は、それぞれの従業員に自ら目標を設定させて、その価値と達成度によって評価するというシステムを採用していました。その結果、従業員は簡単な目標を設定し始めてしまい、成果主義の導入で期待される従業員のモチベーションやスキルのアップを達成することが出来なかったのです。
Amazon.co.jp: 内側から見た富士通「成果主義」の崩壊 (ペーパーバックス): 城 繁幸: 本
Amazon.co.jp: 内側から見た富士通「成果主義」の崩壊 (ペーパーバックス): 城 繁幸: 本
三井物産
また日本を代表する総合商社である三井物産も、成果主義の導入に失敗し、現在はその制度を撤廃しています。なぜ三井物産の成果主義が失敗にしてしまったのかというと、完全に仕事の結果のみで給与査定するという行き過ぎた成果主義を行なってしまったことが原因でした。
そもそも、三井物産は「人材」を強みにしており、「人の三井」と呼ばれるほどの会社です。それはマニュアル化することの出来ないノウハウを、上司から部下へと世代を超えて伝承することで人を育てていたのです。
しかし、成果主義では個人がいかに結果を出すかということが目標になってしまい、ノウハウを継承するという行為は自分の強みを他人に引き渡してしまうことになるため、行なわれなくなってしまいました。それが三井物産の失敗だったのです。
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう