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安易な社内教育は危険かも!?「社内英語公用語化」を推し進めることのメリット・デメリット

Shingo Hirono

2014/05/19(最終更新日:2014/05/19)


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by USACE Europe District
 現代の社会はグローバル化の進展の影響を受け、一定レベルの英語が活用できることはビジネスマンにとって必要不可欠となっています。こうした英語の重要性の高まりを受け、社内の公用語を英語にした、という企業も数多く登場しているのです。例えば、有名どころでは楽天やユニクロ、日産、シャープといった名立たる大企業は、社内英語公用語化を一部または完全に実施しています。

 他方、社内英語公用語化を実施することに対して、否定的な見方をしている企業が少なくないというのも事実です。そこで、以下では企業が社内英語公用語化を進めることのメリット・デメリットについて紹介していきたいと思います。

1. メリット

 社内英語公用語化を進めることの最大のメリットは、グローバル化に自然と対抗できる企業としての力が身に付くという点にあります。現在でも海外と取引や関係のある企業は、必ずと言っていいほど英語を専門に扱える人材を確保していますが、在籍している人材の大半が英語でコミュニケーションを取れるようになれば、海外企業との距離感は縮まり、関係性も対等になるでしょう。

 また、今まで日本語しか扱うことが出来なかった人が、多言語を扱えるようになるということは、言語能力を始めとした能力にも著しいプラス効果があり、社員一人ひとりの思考力や記憶力といった基礎能力の向上にもつながります。さらに英語は世界標準語ですので、英語を社内英語公用語としていることで、自然と世界を目指す意識の高い人材に成長していくケースが多いというメリットもあるのです。

2. デメリット

 一方、社内英語公用語化を推進する最大のデメリットとしては、英語が公用語として浸透するまでの期間、企業へのマイナスの影響が大きいという点が挙げられます。当然ですが、それまで英語について深い知識を有していない社員に対して、「これから英語を公用語にします」と言ってもスムーズに移行できず、多くの社員は困惑してしまいますし、実際に上手くコミュニケーションが図れず仕事の能率は、かなり低下してしまうでしょう。

 また、日本企業は海外企業に比べると上下関係が強く見られます。しかし、英語は言葉で上下関係を表すことが難しいため、上司を相手にしても日本語で言う「タメ口」のような話し方となってしまうでしょう。すると、上司と部下の関係にヒビが入ってしまうケースも見られ、社内の雰囲気を悪化させてしまう可能性も否定できません。

 その他、グローバル化に対応した人材を育成することにより、より条件の良い企業に社員が流出してしまうという例も報告されています。


 このように社内英語公用語化を推進することには、メリット・デメリットがかなり明確に表れています。綿密な計画を立て、十分なコストを投入して社内英語公用語を図れば、企業にとって大きなプラスとなる可能性も高くなるでしょう。

 しかし一方で、安易に社内英語公用語化を進めようとすれば、企業全体の価値を低下させることにもつながりかねないため、慎重に検討する必要があると思います。

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